「評価は割れると思う…。」ディア・エヴァン・ハンセン yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
評価は割れると思う…。
今年184本目(合計248本目)。
お話のテーマとしてはすでに書かれている方とほぼほぼ同じになるので省略します。
確かにこの映画、そういう経験をしたことがある方とない方とで、やはり見方は違ってくるのかな…と思いました。
個人的には、かなり重い話題であるにも関わらず、踊って歌って…踊ってはしませんが…歌って返すというのが気持ち悪いというか、こういう趣旨の映画と見なきゃいけないのか…という点が非常に気になりました。ただ、歌が持つその独特な魅力というか、歌でないと伝えられない気持ちというのも、またあることは事実です。
重複している点も結構多いですが、以下のように評価しました。
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(減点0.5) この映画、エンディングクレジットの中で「精神的に孤独に感じているかたは、電話 xxx-xxx-xxx にかけてください」的なものが出ます(その部分は具体的に出る。もちろん、国外局番とかは補わないといけない)。もちろんエンディングクレジットなので翻訳されていません。
最後にやはりまとめとして「精神的に孤独に感じる方は、周りの人や行政のサービスに頼ってみましょう」という趣旨のメッセージが流れます。
前者の電話番号はおそらく存在するもので(存在しなかったら、エンディングクレジットに出す意味がない)、おそらく「アメリカ版いのちの電話」の類なのだと思います。もちろんこの映画を見て孤独に思っっている方がそこにかけるのか…という問題もありますが、「あの、映画観たんですが…」とか言われても「何の話ですか??」ということになるのは当然です。
※ そんなに長い電話番号でもなかったはずなので、2人くらいでいって、左側と右側とで暗記すれば暗記できる範囲でしょうね(逆に、日本でいう110みたいな3桁番号でもなかったので、そういう「常識的な番号」ではないのでしょう)。
一方で日本では一応、「いのちの電話」はありますが、コロナ問題でいわゆる派遣切り等が起きている中でつながらないことがたびたび報道されていて、また「いのちの電話」程度であり、行政(ここでは、地方行政を想定)が何か「困ったことがあったら(常識的な時間帯に)いつでも電話してください」というようなものは聴いたことがないですし、メールサービスもないですし、せいぜい、無料生活相談会くらいなんかじゃないか…と思うのですが、「孤独」に重点を当てたサービスというのはなかったかと思います。
すると、日本ではそういうサービスが常識になっていないのであり、また「孤独な人」というのは、換言すれば「話し相手がいない」のであり、その状況であの部分だけ翻訳されても、じゃ、実際にどうするの??って言われるとうーん…という部分はあります。
要は「日本と大きくサービスや常識に乖離があるのに字幕だけ出しても意味なし」状態なのであり、この映画は結局全部ここに繋がるので(もちろん、不適切なSNSの使用といったところも主題となりうる)、その部分が弱いと、結局「じゃ、日本でそう思う人はこの映画から何を学べばよいのか…」という点がまるで不明になってしまいます。
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