「曲が素晴らしい」ディア・エヴァン・ハンセン あささんの映画レビュー(感想・評価)
曲が素晴らしい
“思いやりの嘘”からいつしか“憧れを真実と信じたい”と変わったエヴァンの嘘。
誰だって一つや二つ思い当たることある。人間は弱くて孤独だからエヴァンを責めることはできない。
本作はSNSが持つ問題や、若い子達の自殺や薬物との問題、一人親家庭の親子の葛藤や人々の孤独を描いているが、
そこに美しい楽曲が加わり感動的な作品に。
楽曲は、素晴らしい。
ブロードウェイの舞台でも主役を演じたベンの歌声には圧巻だ。
特に私はメールを作成しているときの楽曲「Sincerely me」がお気に入り。一番の見せ場の「You Will Be Found」のシーンは自粛期間中に流行ったリモート動画の大合唱を彷彿させた。
本作をみてティーンエイジャーや若い人たちがどんな感想を持つか聞いてみたい。人々が抱える孤独って私がティーンエイジャーだった約20年前と比べてより深刻化している気がする。
例えばインスタに生息しているキラキラ女子、SNSでは羨望の眼差しを浴びていても、実生活のリアルな姿はいかがなものか、、、。
彼女(彼)たちも“匿名”だから笑顔で強くいられるだけなのかもね。その虚栄心の正体は孤独や不安だったりする。
だからアラナの歌う楽曲やベン・プラットの歌う「You Will Be Found」の歌詞が胸に沁みる。何度も何度も涙を拭いました。
ただ、もっと、「どかーん」と大きな感動の波が押し寄せ勢いある作品を期待していたから、少し物足りない気もする(小さな波がずっと押し寄せる感じ)。グレイテストショーマンの「This is me」の息を呑むほどの感動作に出会いたいな。
おはようございます。
”小さな波がずっと押し寄せる感じ”
私も同様でした。で、脳内でコナーも実は深い孤独感を抱えており・・、と勝手に類推して観ていましたね。
そうしたら、後半、何故だか、涙腺が緩んでいました・・。
私にとっても、佳き映画でした。では。