「音を見る」殺人鬼から逃げる夜　U-3153さんの映画レビュー（感想・評価）

間延び感が凄かった。

すぐ終わりそうなネタを引っ張って引っ張って…結果、ダレる。そんな感じ。
ただ、健常者の視点ではないので、新鮮なサスペンスも感じる。
「音を見る」っていう非日常が醸し出す恐怖感はなかなかに優れものであった。
韓国映画が持つ人間の醜態というのだろうか…あまり直視したくはない側面も盛り込まれてあって、社会派な一面も併せ持つ。
「差別」ってのは日常的に混在してるのだなぁと改めて思う。言葉が持つ相互理解への重要性や、見た目に惑わされる先入観や、過干渉に過敏な社会性とか。

全編通して「？」と思う事もありはするが、長編デビューで監督・脚本作品で、これだけのモノを出してくる土壌というか環境は羨ましい限りだ。
限定された人数と環境でありながら、絵はこってるし。彼女の視点になる時には「音」が無くなる演出もなかなかに煽られるものがある。

国民性が違うので、本国においてどれくらいの共感を得られるのかは分からないのだけれど、感情的に矛盾してみえる箇所も多々あり…その辺りが解消されていたら、俺的にはもっと楽しめたかなー。