「見せない残虐性」殺人鬼から逃げる夜 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
見せない残虐性
祝日公開ではなく通常通り金曜日の今作。この違いは配給会社云々があるのでしょうか。公開日の詳しい事情を知りたい一般人です^ ^
今作は耳が聞こえないというハンディキャップを抱えた親子が殺人鬼から逃げ惑う韓国製スリラーです。タイトルを見たときはえらくストレートな邦題だな(原題はmidnightだったので)と思いましたが、映画が進んでいくごとに、このタイトルも良いなと思いました。自分が大好きな「見えない目撃者」と通じるテーマということもあり、とっても楽しみにしながら鑑賞。
新しいスリラーを観れたなって思いました。殺人鬼が冒頭ですぐさま殺人を行う様子、ここがあまり鮮明に映されず、殺されたんだなとは思いましたが、今作品は一貫してそのような残酷描写は見せません。せいぜいナイフを握りしめたり、刺したりで出血する程度なのですが、その描写はないのに、殺人鬼がとっても恐ろしく見える。凄い画期的な描き方だなと思いました。役者さんの力もありますし、上手く作られた脚本も巧みなものだなとひしひし感じました。
今作を簡単に言えば命懸けの逃走中なのですが、その逃げているアクションがとっても見応えがあり、いつどのタイミングで襲われるのか、どこからともなくやってくる恐怖がホラーじみていてとても良かったです。最後の主人公が自分を殺人鬼の手で握りしめたナイフで突き刺し、加害者に仕立てるという流れも斬新な復讐だなと思い小さな衝撃を受けました。
細かな欠点は、殺人鬼がサラッと釈放されたり、追い詰めたのにベラベラと喋って逃したりと、中弛み感が拭えなかったです。ただ、新たな視点から物語を描くという製作陣の心意気には天晴れです。
鑑賞日 9/16
鑑賞時間 20:00〜21:44
鑑賞方法 オンライン試写会