劇場公開日 2022年4月8日

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「表現方法が…」今はちょっと、ついてないだけ R41さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0表現方法が…

2024年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

冒頭、主人公立花の栄光と工場工員の今、そして女性… という素材の散りばめがある。
主人公は写真が好きだが、みんなが当たり前に持っているもの、家族、子供、家…を持っていないし、借金の返済に追われてそういうものが持てなかったことと、すべてを借金返済の所為にして生きてきたことが、最後に語られる。
つまりこの作品は、そこに気づき、「見たことのない風景を見て、それを誰かに伝えたい」という自分の本心にようやくたどり着く物語。
「見たことのない風景は、日常の中にある」
それは風景ではなく、もしかしたら人々の本心が顔に現れた瞬間なのかもしれない。
人という「絶景」なのかもしれない。そこはよかった。
誰もが何かしらの特技を持っている。自分でもわかっていないこともある。
主人公の母の施設内の友達から写真を撮って欲しいと依頼されたことがきっかけで、宮川と出会い瀬戸と出会い会田と出会いながら、シェアハウスで写真関係の仕事を始める。
やがて立花の因縁の相手牧島の登場で、立花の心は激しく揺さぶられる。
しかし牧島からの仕事の提案に同意、仕事が軌道に乗り始める。
「今ちょっとついてないだけ」という母の言葉は、停滞している自分の人生に新しい流れを呼び込むための魔法の言葉だ。
主人公の気づきもいい。
しかし、構成上主人公の栄光からどんな出来事があって今に至っているのか?
時系列に従って表現した方がいいと思った。
主人公の現在には相応の理由があるのは感じるが、最後に出されても微妙な捉え方になってしまう。
急に登場する占い師の素性も、理解するまで時間がかかるうえ、占い師が瀬戸を全面的に肯定しても、構成上この下りの必要性の有無を感じてしまう。
テーマ性もあり普遍性もあり、新しさもあった。しかし、構成に修正部分があるように思う。

R41