「襲って来た赤褐色の過去」マリグナント 狂暴な悪夢 Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
襲って来た赤褐色の過去
すっかり騙される
私の気づきが遅かっただけと思いますが、殺人現場に警官が到着して、血塗れの死体を2体、3体と見せられるまでは、全てがマディソンの頭を支配する悪夢だと見ていました。
悪夢の始まりである冒頭の手術シーンだけが現実。夢ならば、どんなおぞましい夢でも見られる。凶器を振るって殺りくを繰り返した人影も、記憶が生み出した悪夢。嫌だ。
光と音と薄闇に逆撫でされる
チリチリと瞬く照明器具やテレビ、金切り声を上げるラジオが、たっぷり神経を痛ぶってくれて、むしろ快感。映像の全てに粘り着く薄暗がりは、観る者の視野を狭めて、恐怖心を煽ってくれた。
痩せた小柄な人影
「マリグナント」は「強い悪意」だから、タイトルはストレートなもの。余計に夢の方向に気持ちは振られました。
ところが見終わってからの後付けかも知れないけれど、殺人者の影は華奢で小柄だったように思えた。このサイズならば、肩幅の狭い女性の身体に収納出来ると推量すれば、改めて恐ろしさが募った。
支配権を奪還する
マディソンは双子の片割れを承知で受け入れ、生き長らえた。それはガブリエルによる脳髄の支配と言うことで良いのですね。その支配構造が終盤、憎悪と哀惜に苛まれながら逆転する。
比較的に正統派で進行するストーリーの中で、寄生する双子と言う特異な設定は、不気味ながら面白かったです。
ただ、妹が廃病院に単独行する設定は、有り得ない! と思いやや白けました。
無愛想極まりない女子警官と、被害者の妹を口説こうとした警官が二人とも無事で良かったです。
Uさんさん、コメントありがとうございます!
しかもお褒めの言葉までいただきありがたき幸せでございます。
プレグナントに関しては、序盤で妊娠について語っていたのでそのまま書いてしまいました・・・
これからもジェームズ・ワン作品は必ず観ていこうと決意するにいたりましたw