「恐怖の本質がよく分かる」マリグナント 狂暴な悪夢 バソラプンテさんの映画レビュー(感想・評価)
恐怖の本質がよく分かる
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ストーリー的にはベタベタで、オープニングの時点でオチが二択に絞られ、更に丁寧な伏線が次々と張られるので、半分過ぎたあたりでほぼ確定できます。
しかし、前半の「恐怖」はなかなかでした。
基本に忠実な、「期待を裏切らず、予想を裏切る」展開で、「分からないことへの恐怖」をこれでもかと見せつけてきます。
ほんと、今晩眠れなくなるかと思うほどの恐ろしさでした。
一転して後半になり、オチが確定して黒幕がバラされると、「分かってしまった恐怖」になってしまい、暴力やグロシーンは恐ろしいものの、前半の「分からないことへの恐怖」は無くなりました。
ビジュアルも相まって、ギャグに見えてくるほどでした。
そういう意味でこの映画は、「だんだん怖くなくなるホラー」というよくわからないホラー映画でした。
結局「恐怖」の本質とは、暴力でもグロでもなく、「分からないこと」にあるのだと、改めて認識できる作品でした。
全体としては、さすがアクアマンの監督でもあり、娯楽映画として完成されており、飽きることなく最後まで見られ、見て損はないレベルです。
個人的には、ホラーを見た日は「よく分からない恐怖」が残り、寝付きが悪いのですが、この映画は見終わった後に「分からない恐怖」が残らないので、スッキリ寝れそうです。
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