トムボーイのレビュー・感想・評価
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私もTomboyだったかも?でも男の子になりたかったわけじゃない
この映画を観て、甘酸っぱくて青い、思春期前の自分のアレコレを思い出しました。で、あっ、私もTomboy(お転婆)だった!と気付きました。
今は平均身長もない私ですが、小学5、6年生あたりは早熟で背も高い方(リザも1番背が高かった)。何故か男の子に対抗意識が強く、勉強もスポーツも負けたくなかったのです。決して男の子になりたかった訳ではなく。普段は大人しいくせに、優等生と見られるのは嫌で、わざと男言葉を練習して頓珍漢なタイミングで先生に試してみたりもしました。
中学生になるとそんな衝動は見事に無くなり、物憂い思春期の乙女?となりましたが。
だからロールの気持ちも少し理解できます。体も心も大きく変化する時期に、性的なことだけでなく、自分でも何故かわからず突拍子もない行動をしてしまうあの時期。ロールは今の段階では、ノーマルでボーイッシュなだけのようにも見えますが、リザとの淡いロマンスを経験して変わってゆく可能性もありそう。
必死で男の子のフリをする涙ぐましい努力と、バレちゃうよーとハラハラするスリルで、ロールが愛おしくて堪らなくなるのです。
もうー、そんなことしたら学校始まってからどうすんの〜? あっ、そんなに激しく遊んだら、水着からアレが落ちちゃうよ〜? 妹ちゃん、上手く誤魔化して〜!(ちょっと本当に上手すぎた。ロールと正反対で、ムチムチして女の子フェロモン溢れていながら、超頭いいし、お姉ちゃん思いで悶絶可愛い)
そして、とうとうお母さんに嘘がバレてしまう。いきなりロールの頬をビンタするのは、少し衝動的すぎるとも思いましたが、臨月近い妊婦だし、転居したてなのに嘘の内容が性的なことで、しかも周りを巻き込むものだったからかな。
お父さんはもしロールが男の子として生きる道を選んだとしても、受け入れてくれそう。というかお父さんが男の子欲しくてロールに接していたのにも遠因あるかも。
お母さんはまだ普通の女の子でいて欲しかったのですね。でもとても仲の良い家族だし、そのような問題も将来上手く乗り越えられそうな雰囲気もあります。
夏の優しいキラキラ輝いた景色が、成長期の子供たちをあたたかく見守ってる感じもいいですね。だから10歳の子のオールヌードは、必要なかったかなあ。
主役のロールは、監督がサッカーをしている彼女を見て一目惚れしたとか。彼女の第二成長が始まる前の貴重な時間が無ければ、制作出来なかった映画ですね。
なんか中途半端な気がする
こどもの世界の描写が絶妙
こんなに子供の股間を凝視した映画は始めてかも
まずは、妹のジャンヌ役のマロンちゃんとリザ役の娘に助演女優賞をあげます。お兄ちゃん(お姉ちゃん)の言うことをよく聞いて、おしゃまで可愛いジャンヌ。
「燃える女の肖像」の女性監督セリーヌ・シアマが2011年に作成した映画とのことで是非見ようと思いましたが、すごい人気で平日でも連日満員でした。やっと、最前列の真ん中のいい席を取れました。
セリーヌ・シアマ監督の原体験そのものなのかなと思いましたが、性同一性障害の理解にはとても分かりやすい良い映画だと思いました。
ミカエル/ロール役のゾエちゃん。下調べなしで見たので、主演は男の子で女の子の役をやっているのだずっと思っていました。それが、赤のスクール水着をハサミでチョキチョキしてからはオヨヨ。タ○スジがくっきり。妹の緑色の粘土をコネ始めて、ありゃー、こんな幼いうちから張形自作。ちょっと立派過ぎないかと、ドキドキ。全力で子供の股間を凝視してしまいました🙏 リザと同級生の設定なのに第2次性徴がまったくないし、男前だなぁと思って最初から観ていたし、妹の方がムチムチして女性ホルモンたっぷりだったので全然わかりませんでした。リザにお化粧されたり、ワンピース着せられると、やっぱり女の子なのかな~?みたいな。ゾエちゃん、あとで調べたら、女優って書いてあり、現在の写真も確認しました。ミカエルは英語だとミッシェル。男女どちらも使える名前です。賢いですね。ローラなら聞いたことあるけど、ロールって名前の女の子は聞いたことなかったのですが、エンドロールではLaureでした。
二人の両親もとてもいい親御さんで、いいご家庭でした。それがまたロールにはツラいんでしょうね。妹はお姉ちゃんのよき理解者でいてくれると思いますけど、子供も増えて、両親の愛情がだんだん下の子に移って行くと、疎外感を感じるようになってしまうのでしょうね。ビジュアル的には息子ですが、お母さんは娘に手をあげてしまった😰 学校始まるともっとツラいでしょうね。リザは全然悪くないのに。リザのことも心配です。あとひきますね~この映画。
【フィクションだと思わずに…】
まず、子供たちの演技が素晴らしい。
そして、この作品は、多くの”大人”、特に頭カチカチの大人に観てほしい。
茶化さないで観てほしいと思う。
一概に「性」とは言っても多様で、自覚する時期も、認識の仕方も様々だと云う考え方が主流になってきている。
幼稚園に入る前から、仮に漠然とでも自覚している場合もあれば、思春期に多い性的指向の表れが決定的な要素になる場合もある。
性については、大きく、
「からだの性」
「表現する性」
「性自認」
「性的指向」
に分けて考えることが多く、”表現する性”が必ずしも”性自認”に結びつかないこともある。
“からだの性”と”対極の性を表現”したい…つまり、服装表現やケンカの強さを競うなどを含む…ケースもあるが、それは、”性自認”や”性的指向”とは関係ない場合もある。ノン・バイナリーなファッションをしていても”からだの性”と”性自認”が一致していることは多いはずだ。
また、当然、結果として性的指向も”バイナリー”なこともあるのだ。
(以下ネタバレ)
ロール/ミカエルは、表現だけで、まだ、ハッキリした自覚はないのかもしれない。
もしかしたら、リザがトリガーになる場合も想定されるんじゃないのか。
まだ、性自認が定まっていないのであれば、なんとかして、”からだの性”と一致させようという親は多いと思うが、それが、どれだけ、子供の心を傷つけるのかは、分からない。分からないこそ、精神的ダメージを大人は理解してあげないといけないのだろう。
最後の、ロール/ミカエルの微笑む顔を見て、これから、どうなるのだろうかと、やはり考えてしまう。
まあ、兎にも角にも、子供たちの演技が素晴らしかった。
この80分ほどの作品で、いろいろなことを考えさせられた。
天才ジャンヌちゃん
5年生になる前の夏休み、引っ越してきたばかりの団地で知り合った友達に男の子のフリをして仲良くなり交流してしまった少女の話。
6歳の妹と両親と4人家族の主人公が家族に知られないように男の子のフリを通す為にあれやこれやと工夫しながら友達との仲を深めて行く展開だけど、なんだか最初に出会ったリザちゃんと良い感じ?
そして妹と口車を合わせて、ってちょっと妹気付いたのもそうだし、その後の対応力も凄すぎません?
壁にもたれて考えふける姿は可愛すぎたしw
重くないつくりなのは悪くないけど、なぜ嘘をついたのか?
そして全否定の母親のリアクション、からのリザ宅に向かう際に声を荒げたけれど、性自認がどうのという件がないから、映画として本当に訴えたかったものが何かよくわからなかった。
自分が何者かを知る、ひと夏の物語
新天地で男の子として過ごそうとする主人公のロール。自我の発芽と性自認のゆらぎ。自分が何者かを知る、ひと夏の挑戦に迸り出る生気。少年集団に馴染もうとする場面や性を超越した恋など、一つひとつの描写が極めて瑞々しく、洗練された美しさがあり、どれもこれも忘れ難い。『燃ゆる女の肖像』セリーヌ・シアマの大傑作。
妊娠間近の母とその父、生意気だが主人公に寄り添うフェミニンな妹との交流は一切の汚れなき純粋無垢な思春期前の様子であり非常に微笑ましい。また、妊娠間近の母=名付け親と赤子を登場させることで名前を偽り、アイデンティティ・ジェンダーで揺らぐ主人公の物語に深みが増している気がする。
全編を通して、思春期の不安定さを面白可笑しく、そして挑発的とも言える描き方をしながらも、心の何処かで共鳴してしまうような作品。また、男と女、それぞれのジェンダーロールに縛られない物語に魅了されるのかも。それも、わざとらしくなく、優しいベールが包んでいて。
そして、なにより出演者の演技、とりわけロール演じるゾエ・エランは全くもって違和感なく、自然に演んじており、自己が確立していない思春期前のキャラクター像を完璧に憑依させていた。ゾエ・エランの牽引力に屈服。とにかく凄まじい。
超絶好きです。
新生児は妹?弟?生まれた🚼️途端に決めつけない世界へ!
妹のジャンヌ(かわいい!クリエイティブ!機転が利く!)、友達のリザ(人を見る目がある)、愛情たっぷり子どもを育てている両親。この環境なら賢く強く優しいミカエル/ロールは誰にでもある悩み多い思春期を過ごして、自信を持って自分を大事にする生き方ができるようになる。そうなって欲しい。
サッカー遊び観察の結果をミカエルが家で再現してみる場面は笑えた。1)男の子は暑くなったら上半身裸になるんだ!2)男の子は唾を吐くんだ!
印象的だったのは妊娠してた母親が出産し、ママが抱く新生児をジャンヌとミカエル/ロールが眺め赤ちゃんの様子がしばらく映るシーン。誰もその赤ちゃんの性に言及しない。観客もわからない。それが新鮮だった。そんなのどうでもいいことだな、と思った。
男の子、女の子、グチャグチャになって一緒に遊んでる場面は懐かしい。夏休みに宿題も塾もないのはいい。ママとパパがあんな風に子どもを抱きしめてくれて、運転席のパパの膝に乗っけてもらったり、ビール一口飲ませてもらう場面も懐かしい。
個室の子ども部屋の意味を改めて認識した。叱られたら行かなければならない、泣きたくなったらひとりになれる、パパやママに何かを訴えたり大事な話ができる。それ以外はこもらないでリビングやキッチンできょうだいや両親とくっつきあって遊んだりおしゃべりしたりご飯食べたり。家の鍵を貰うのは相応の年齢になったってことなのだろうから、ママもミカエル/ロールも誇らしく嬉しそうだった。ミカエルが後で紐を変えたのはかわいかった。
夏が美しかった。森の爽やかな香り、太陽が顔とか体にあたる熱さ、水に飛び込む気持ちよさ、走って汗だくになる感じ。全部が美しい映像から感じとれるようだった。
主人公、よくこれだけぴったりの子が居たなと思った。この子だからこそできた映画だと思うし、妹含めていいキャスティングだった。一緒に楽しい夏休みを過ごしたような気持ちになった。
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