「Blue Bayou」ブルー・バイユー カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
Blue Bayou
ポスターの写真が渡辺篤史に似ているなぁと思って、観に行きました。
そうしましたら、最後にまつ毛がたくさん濡れてしまいました。
ブルー・バイユー(Blue Bayou)はディズニーランドにも同名のレストランがあるようですが、もともとはミシシッピー下流のデルタ地帯の入り江のことで、1963年の歌の題名にもあり、劇中でも歌われます。リンダ・ロンシュタットが1977年にカバーしました。
監督のジャスティン・チョンはアメリカのカルフォルニア州オレンジ郡生まれ。両親は韓国出身。父親は俳優ののちに履き物屋を経営。ジャスティンも服装会社を経営しています。奥さんはサッシャ・エゴロワさん。彼よりもずっと背の高いモデルさん。肌は透き通るように真っ白。たぶん東欧系です。羨ましいな~
奥さんが美人モデルなんで、星ひとつ減らしました。
なかなか理解しづらいのは、アメリカ人女性と結婚しているのにどうしてアメリカ国籍がないのか?
日本だと中国人女性が日本の国籍を取るためにブローカーからお金もらって結婚させられる男がいますよね。それにアメリカ人の養子になった時点でアメリカ戸籍が作られるんじゃないの?養親のせいで、足りなかった手続きって何よ?
実の親が外国出身で就労VISAが切れていてだと生まれた子供も不法滞在者扱いなんですかね?アメリカって、アメリカで生まれたら子供はアメリカ国籍になるんじゃないかと思っていました。
移民関税執行局(ICE)、国土安全保障省のやり方にも人種差別を感じますけど、9・11を境に市民権の有無を強化した施策がなされたのでしょうね。
養子や孤児を扱った映画はとても多くて、そのあざとさにうんざりすることもありますが、実例をもとに新たな問題提起をしてきたことは評価したいと思います。
脚本もとても良くできていると思いました。
キャシー役のアリシア・ビカンダーは名だたる映画でいくつも受賞しているスウェーデンの女優さん。ガイリッチー監督のコードネーム U.N.C.L.E.のドイツの博士の娘役やジョー・ライト監督のアンナ・カレーニナなどに出演。娘のジェシー役の子役もめちゃくちゃ上手い。ジャスティン・チェンがキャストを丁寧に選んだとのこと。いい役者さんたちにとても恵まれた映画と言えましょう。最低な警官役だって、演技巧者のエモリー・コーエンだもん。
パーカー役のベトナム人の女優さんがとてもステキな方でした。フランス育ち。「漂うごとく」というベトナム映画で見たはずなんですが、全然覚えていませんでした。バイク2人乗りのシーン(ウィッグが飛んでいく)や湖畔の語らいのシーンがせつなかった。
アントニオがバイクで湖に突っ込んで、そのまま溺れ死んじゃう方が不幸な生い立ちに孤独で哀れな死に方で、絶望感半端なく、うんと泣けたかもしれません。冒頭のシーンと対になるし。
でも、最後の空港の強制出国シーンは娘のジェシーちゃんや警官の実父の演技がすごくよくて、やっぱり泣いちゃいました。
パンフレットの表紙を見て気づいたんですが、車のガラスに映った実父エースのNOPD(ニューオリンズ警察)のバッジが百合の紋章(フラダリ)でした。(・・;)
ベトナム人女性のパーカーが最初に手首にしたタトゥーが百合の紋章でしたが、その時、ベトナムではフラダリは睡蓮なんだよ、と言って、背中に蓮のタトゥーを入れ直す、など
あらゆる物が見事に関連していてチョン監督すげえなと思いました。
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自分も母親に引っ張られて青い入江で死んじゃうんだと思いましたが、アントニオが死ねなかった後、実は母は生きてほしいと願っていたんだ、と思い直す所に感じました。
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アリシア歌唱のブルーバイユー、めちゃくちゃ良かったですよね。^ ^
この美貌と演技力に歌もうたえるなんて、、多才過ぎ、すごいです。
シドニーはめちゃくちゃ可愛いかったですが、子どもの不安な心を見事に体現していて、切なくて良かった