「事実は映画よりも酷なり」ブルー・バイユー ミニ映画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
事実は映画よりも酷なり
平和で閉鎖的な島国の日本では考えられないこと。
アメリカの養子縁組や移民と司法制度の社会問題をノンフィクションのように鋭く訴える意義ある作品。エンディングで現実を知り考えさせられる。
これを監督・脚本・主演で創り上げたジャスティン・チョンの気概に尊敬する。
その手法としてドキュメンタリータッチの手ぶれを活かした撮影とカラーディングで効果的に表現している。
全体的に物憂げな雰囲気で気が滅入りそうになるが、その分家族愛に溢れるシーンが印象的に光る。
子を持つ親なら誰しも痛いほど共感し胸が締め付けられるだろう。観た後に家族の絆をもっと大切にしたいと改めて思わされる。
それには娘役のシドニー・コウォルスケの愛くるしさが一翼を担っている。
ただ主人公アントニオや前夫と同僚の警官2人の行動にしっくりこない展開もあり少し強引なストーリーだったようにも感じた。
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