PIG ピッグのレビュー・感想・評価
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不思議な魅力の映画 色んな意味で切ない余韻が残る 豚さん取り返して...
不思議な魅力の映画
色んな意味で切ない余韻が残る
豚さん取り返して、はい、終わり!
だと思ってたら全く違った。
愛の話
アマプラで観た『ウィリーズ・ワンダーランド』 の印象が残っていて、てっきりニコラス・ケイジがブタのために人間をひき肉にしていく話かと期待して行ったのですけれども、違いました。
愛の話でした。
豚は友達というより、主人公唯一の家族・子どものような存在かつ、亡くなった奥さんの思い出も重なっているというもので、溺愛なんてものじゃなく、生きがいって位置づけでしたね。
奥さんの死後は隠遁していたが、過去街の名士だった頃の人脈を使って、豚を誘拐した犯人を見つけ出すという、どちらかといえば探偵ものの趣きでした。
暴力表現的には物足りないままでしたが、犯人もまた愛ゆえの行動で、やるせなく、しっとりいい話でした。
ロブドピッグ
俗世を離れ、森でトリュフハンターとしてブタと暮らす男ロブ。ある日大切なブタを盗まれたことから、トリュフバイヤーのアミールと共に情報を集めブタを探す物語。
カリコレ作品で観に行きましたが、超満席‼こりゃきっと上映延長されますな。
さておき、終始静かな雰囲気で描かれた作品。解説によるとリベンジスリラーとのことだが、ドラマ作品といった感じではないかな?
盗まれたブタの情報を集めながら動いているのはわかるが、言葉数も少ないし雰囲気だけで状況を察するには少々難しいかも。
盗んだ奴らをぶっ飛ばすわけでもなく、何か訳を抱えている様子のロブが、昔過ごしていた町や人を訪ねていき、少しずつ過去があぶり出されていく様子は切なくも胸に響くし、シェフとの会話シーンは個人的にワタクシにもグサりと刺さるセリフだったな・・・。
まぁ、どうでも良いがまずは血を拭きましょうよ。周りも気にしてないのが凄いw
ただブタが盗まれたというだけでなく、ロブ自身の問題やアミールを始めとする周囲の人の背景も深みがあり、ここの所怪作(?)にしか出てないイメージだったケイジ氏の演技が逆に新鮮に感じた。
全体を通し、ロブとアミールを中心に、商売だけのつながりに見えた2人にも相通ずる姿が垣間見え・・・アミールも自身の問題があったからこそ、ロブの気持ちが痛く解り、申し訳なく思ったのかな。
期待していたリベンジスリラー的なモノとは全然違ったが、いち映画祭作品の中でも満席になるのは充分理解できる内容だった。
・・・ただ、とにかくゆった~りな作品なので、本当に90分だったの!?と思うくらいになが~く感じた。
『トム・ヤム・クン!』かと思ったら強烈な個性を孕んだ『ジョン・ウィック』ミーツ『美味しんぼ』でした
オレゴン州郊外の森で暮らす孤独な男ロブが豚を取り返す話なので『トム・ヤム・クン!』みたいな映画かなと勝手に想像していて、実際『トム・ヤム・クン!』みたいな滑り出しですが、ほぼ前触れもなくシャンハイ・トンネルと思しき地下世界が登場したところで『ジョン・ウィック』のような禍々しさを纏います。ロブの正体を悟ったトリュフの買取業者アミールがロブと行動を共にするうちに自身の記憶に刻まれたある出来事に引き戻され、奇妙な友情で結ばれた二人が豚を取り戻すために打って出る行動に度肝を抜かれ、そこからは全くもって異なる味わいの物語に変貌、終幕を飾る歌声に胸を掻きむしられます・・・これは傑作です。
生き急ぐかのように主演作を量産するニコラス・ケイジのフィルモグラフィはもはや追いかけるのが困難ですが、本作で見せる凄まじいまでの存在感はその集大成とも言えるもの。これが長編監督デビューだという新人マイケル・サルノスキ、ポートランドの歴史にも踏み込んで低予算を補って余りある独特の空気感を観客の脳裏にコッテリと塗りつける手腕に圧倒されました。
カリコレ2022での限定公開ですが、これはもっと広い規模で上映されて然るべき重要な作品。ニコラス・ケイジの代表作になったと思います。
異次元の着地
久々に演技らしい演技を見せてくれたニコラス・ケイジ。殴られても、コケにされても菩薩の表情を変えない。これは長い前フリですよねケイジ様。相方のトリュフバイヤー役は、『ヘレディタリー/継承』のアレックス・ウルフだし、期待は高まるばかり。
目を開けているのも限界に近づいたところで、異次元の着地を見せてくれました。全米の批評家を惑わせただけあって、もとい、絶賛させただけあって、ものすごい余韻があります。
私は完全に置いてけぼりを喰らいましたが、ますますニコラス・ケイジから目が離せません。
ニコケイは200年後も変わらないクラシック音楽みたいな存在だ!!
だからカーステでラジオの解説なんて聞く必要ない!彼が本当に消さずに最後まで聴くべき=向き合うべきなのは…
大切な人を失った人々の再生への過程を描いた思いがけず深いドラマで、淡々と静かに沁み入る、いい映画だった ---「豚を強奪されたニコケイが…」とまで書くと、自ずと『マンディ/地獄のロードウォーリアー』のような壮絶なニコケイ(ハイテンション演技)フォーマット復讐劇を想像してニヤリとしてしまうハード・ニコケイファンも多いだろうが、そういう予想の斜め上というか、気持ちいい意味での肩透かしを食らう良作だった。『マンディ』とも『グランド・ジョー』とも違うけど、まさかの『ジョン・ウィック』ミーツ・テレ東深夜系グルメ(に付随する人と人との心の交流)ドラマからの『マネーボール』?
目を背け気丈に平然と振る舞ってきたのに突如襲いかかってくる哀しみ、喪失。その中で豚という存在は失くしたもの、取り返しのつかないものに対する一種代替/精神的支柱のようにも思えた。おまけに"形振り構わず自分の本当に好きなことをしろ"、という『ファイト・クラブ』のタイラー・ダーデンみたいな普遍的メッセージを届けてくれるし、それは何よりある仕事から名の通る存在から一転、世俗から離れた暮らしを始めて、作中では形振り構わず、人の目など気にせず愛豚を探し回る主人公自身に言えること。つまりそれ自体が本作の根幹を貫くテーマの一つとも言える。けど、それが全てではなさそうな…。そんな余韻がエンドまで静かに沁み入る。
P.S. …とは書いたものの隣の席のお洒落ボーイが始終意味の分からないところで笑っていて怖かった。やっぱりクソ客マグネットなのかな
♪I'm on Fire / Bruce Springsteen
ブタさんかわいい
観て良かった〜。館内激混みになりそうな気配(実際にsold outした)だったので、行くかどうしようか迷いましたが、思い切って行って良かったです。最近のニコラスケイジに関しては、良い噂を全然聴かなくなっていたので、役者としてもう終わってしまったのかと思ってましたが、全然!そんな事をなく凄く良かったです。シェフのデレクに対する語りかけは刮目してしまいました。セリフは相当に削ってあって余白の多い映画ですが、それが逆に心地良かったです。
ぜひ見てほしいです!
『ニコラス・ケイジのリベンジ映画🔥!』って雰囲気とは全然違っていて、レフン監督のドライヴの様な、物静かな強い怒りと映像の美しさのコントラストがとても魅力的でした。
各章のタイトルが独特で、人間の欲望と食の描き方に不思議なおかしさがありました。
エンドロールで聞こえる声に、少しホッとできたのも良かったです。
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