PIG ピッグのレビュー・感想・評価
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"ちょっと期待していたのとは、だいぶ違いました…"な映画
この作品…
ニコラス・ケイジ演じるロブが愛でる"豚"は、トリュフを嗅ぎ当てるという才能があり盗まれてしまいますが、その豚と思い出を分かち合った人がかつてはいた…だから、どうしても取り返したい…そんな物語の映画でした。
そして…
期待していた内容の作品とは、だいぶ違い、えらい肩透かしでした(笑)
アクションやサスペンス主体かと思ったんですが、世捨て人となった料理人の物語…。
まぁ面白いですけど、あまり心にはストンと落ちてこないような物語で、これまた肩透かし…ロブの過去の思い出らしきエピソードが語られていましたが、何の思い入れも無い観客はちょっと置いてきぼりな感じが…。
私のように、ニコラス・ケイジのToo Much演技を期待される向きにも、ちょっと…というか肩透かし…。
ニコラス・ケイジ大好きなら、どうぞ…かな(笑)
*ちなみに、ロッテントマトでは97%フレッシュとかなりの高評価!上映館は少ないようなので、気になる方は早めに。ちなみに、パンフレットはありません。
*日本版の宣伝ポスターには、「リベンジ・スリラー」と書かれていますね。かなりミスリードな宣伝コピーやと思います。
ここ掘れ、ブヒブヒ。
山奥でトリュフ狩りをしながらの豚と慎ましく暮らすじぃが、豚を取り返そうと仕事仲間の若造と街に出る話。
大切な人を牛ない孤独にひっそり暮らす中年男、追い打ちをかけるように殺されるブタ、そのためになら行動を起こす男、誰もがジョン・ウィックを連想するけど中身を開けば全く真逆の話。もはや反ジョン・ウィック的な雰囲気。
主人公かなり殴られ蹴られるけど、反撃はできないし、何より主人公最大の武器は料理の腕と対話。喪失を暴力で解決するんじゃなくて、共に失った何かを思い慰め合う話だった。
でもだいぶ思わせぶりに演出してる感じがズルいなと(笑)何やら街を支配しているラスボス的なおっさんに、それに立ち向かうために"ブツ"を揃えろと支持する主人公が殺し屋のそれ(笑)というか料理振る舞う時もワインに毒入れてるんじゃないかとギリギリまで疑った(笑)
『ドライブ・マイ・カー』がなぜ海外で評価されたか、大切な人の喪失というテーマがコロナ禍で日本の何十倍の死者が出た海外の状況とリンクしたことも一因とスッキリの映画紹介の人が言ってたけど、確かに今年入ってから見た"こういう系"の映画『ラム』『林檎とポラロイド』とか、全部喪失を許容したり立ち向かったり転嫁したり、同じ雰囲気だなと思った。
あとまぁ、私はこの話めっちゃ花咲かじいさんだなと思った。トリュフが宝とも思えるけど、息子と自分より仲良くやってる主人公が羨ましくて豚盗んだのかも。
豚を無くした美味しんぼう。
思ってたのと違った…
豚さんは繊細だから
ニコラスを名乗るものとしてケイジ様の作品を見逃す訳には行かぬ!園子温作品で目を覆いたくなったトラウマがあり、こわごわ見始めたが、なかなかの重厚感。
ただね、豚は超デリケートだからあんなに手荒にしちゃうと、ほらね。ではあった。
ストーリーのところどころに説明不足を感じるのだけれど、作風からするとそこは画像から行間を読めということかもしれない。
世捨て人のような生活であっても調理のためのものは整然と綺麗に設えられているし、料理の手さばきは流麗、そして作る側も食べる側も記憶は舌に腕に脈々と残り続けるのだと、すべてを理解しきれていない頭でも、なんだかジーンときてしまった。
年をとってもなお新たな一面を見せてくれたニコラス・ケイジに感謝!
してやられた
スリラーにもいろいろ種類があり、ドンパチなものもあれば、謎めいたものもあります。今作のあらすじを読んだ限り、ドンパチなんかはしたりしそうになかったのですが、豚を返せという強力なキャッチコピーを見せられたら何か派手なことが起きるのでは…!と少し期待をしてしまいました。
そんな事は無かったです。だいぶゆったりしながら主人公の過去や料理についてを聞き回るスローな探訪でした。いや、期待しすぎた自分が悪いのは重々承知なんですが、これ本当に91分か?と思うくらい長かったんです。特に後半の中弛み感はかなりのものでした。
細かい事を覚えていないくらい集中力が切れてしまったのもあり、豚がトリュフ取ってたなーくらいしか濃い記憶がありません。賞レースを騒がしているみたいなんですが…良さはあまり分かりませんでした。
鑑賞日 10/12
鑑賞時間 20:50〜22:25
座席 H-7
人間の生き方を描いた愛のドラマ
ニコラス・ケイジが最愛のブタを奪還する、
慟哭のリベンジスリラー!
このコピーが胸に突き刺さり映画館へ。
ここ数年のニコケイ主演作で一番好きです。
冒頭、陰影の効いた美しい森の中、一人と一匹。
俗世間から離れて暮らすニコケイとブタ。
幸せそうに尻尾を振る姿が印象的。
誘拐される際のブタの悲鳴は
まるで人間のようで心が掻き乱されます。
出血や身なりを気にせず奪還に突き進む姿に
最愛のブタを想うと、そんなことは瑣末なことで
再会が最優先されるべきだったのでしょう。
リベンジ・スリラーですがアクションはなく
人間の生き方を描いた愛のドラマです。
色々、語られない部分もありますが
そこは自分なりに物語りを紡がせて頂きます。
追伸:
ロブが豚肉料理も食べるのか
少し気になりした。
シネマカリテ満席でした!
いつものニコケイ主演のブチ切れリベンジアクションかと思ってたら、思い出の料理を巡るまさかのお料理ヒューマンドラマ!?笑
ポスターとかあらすじから、こっちが勝手に予想していた映画とは全然違いました。
普通ニコケイ主演だったらブタを奪われた男が怒り狂うブチ切れリベンジアクションだと思うじゃないですか?
ただこの映画のニコケイは全然ブチ切れない。
抑制の効いた演技で名優の佇まいすら感じさせるニコケイ。
ニコケイこうゆう演技も出来るのか〜って感心しながらいつブチ切れるのか期待しながら観ていたんですが、中盤になっても一向にブチ切れないニコケイを見てあれっ?もしかしてこの映画って普通にシリアスなストーリーのやつ?ってやっと気付き始めました。
ブタを奪われたニコケイが怒り狂うブチ切れリベンジアクションかと勝手に思い込んでたので、まさかのお料理ヒューマンドラマだったのでかなり面食らいました。
各パートのタイトルが料理名だったので、ニコケイにリベンジされた相手が料理名にちなんだ方法で殺されるんじゃないかって期待してたんですけどね、、
勝手に期待したこっちが悪いんでしょうけど、もっと宣伝の方法を考えた方が良いような気がしました。
豚がもう少し…
一緒に生活していた豚への愛情は解るが、
一介のシェフ崩れが顔役に対抗して豚探し、
結局豚は最初の誘拐シーンの登場だけ、
PIGというタイトルはちと大袈裟かな。
なんとなく見終わった後でジョンウィック
を思い出したけど、アクションないしストーリー
性もない。
やっぱB級か。
泣けるニコラス・ケイジ
愛の話
アマプラで観た『ウィリーズ・ワンダーランド』 の印象が残っていて、てっきりニコラス・ケイジがブタのために人間をひき肉にしていく話かと期待して行ったのですけれども、違いました。
愛の話でした。
豚は友達というより、主人公唯一の家族・子どものような存在かつ、亡くなった奥さんの思い出も重なっているというもので、溺愛なんてものじゃなく、生きがいって位置づけでしたね。
奥さんの死後は隠遁していたが、過去街の名士だった頃の人脈を使って、豚を誘拐した犯人を見つけ出すという、どちらかといえば探偵ものの趣きでした。
暴力表現的には物足りないままでしたが、犯人もまた愛ゆえの行動で、やるせなく、しっとりいい話でした。
ロブドピッグ
俗世を離れ、森でトリュフハンターとしてブタと暮らす男ロブ。ある日大切なブタを盗まれたことから、トリュフバイヤーのアミールと共に情報を集めブタを探す物語。
カリコレ作品で観に行きましたが、超満席‼こりゃきっと上映延長されますな。
さておき、終始静かな雰囲気で描かれた作品。解説によるとリベンジスリラーとのことだが、ドラマ作品といった感じではないかな?
盗まれたブタの情報を集めながら動いているのはわかるが、言葉数も少ないし雰囲気だけで状況を察するには少々難しいかも。
盗んだ奴らをぶっ飛ばすわけでもなく、何か訳を抱えている様子のロブが、昔過ごしていた町や人を訪ねていき、少しずつ過去があぶり出されていく様子は切なくも胸に響くし、シェフとの会話シーンは個人的にワタクシにもグサりと刺さるセリフだったな・・・。
まぁ、どうでも良いがまずは血を拭きましょうよ。周りも気にしてないのが凄いw
ただブタが盗まれたというだけでなく、ロブ自身の問題やアミールを始めとする周囲の人の背景も深みがあり、ここの所怪作(?)にしか出てないイメージだったケイジ氏の演技が逆に新鮮に感じた。
全体を通し、ロブとアミールを中心に、商売だけのつながりに見えた2人にも相通ずる姿が垣間見え・・・アミールも自身の問題があったからこそ、ロブの気持ちが痛く解り、申し訳なく思ったのかな。
期待していたリベンジスリラー的なモノとは全然違ったが、いち映画祭作品の中でも満席になるのは充分理解できる内容だった。
・・・ただ、とにかくゆった~りな作品なので、本当に90分だったの!?と思うくらいになが~く感じた。
『トム・ヤム・クン!』かと思ったら強烈な個性を孕んだ『ジョン・ウィック』ミーツ『美味しんぼ』でした
オレゴン州郊外の森で暮らす孤独な男ロブが豚を取り返す話なので『トム・ヤム・クン!』みたいな映画かなと勝手に想像していて、実際『トム・ヤム・クン!』みたいな滑り出しですが、ほぼ前触れもなくシャンハイ・トンネルと思しき地下世界が登場したところで『ジョン・ウィック』のような禍々しさを纏います。ロブの正体を悟ったトリュフの買取業者アミールがロブと行動を共にするうちに自身の記憶に刻まれたある出来事に引き戻され、奇妙な友情で結ばれた二人が豚を取り戻すために打って出る行動に度肝を抜かれ、そこからは全くもって異なる味わいの物語に変貌、終幕を飾る歌声に胸を掻きむしられます・・・これは傑作です。
生き急ぐかのように主演作を量産するニコラス・ケイジのフィルモグラフィはもはや追いかけるのが困難ですが、本作で見せる凄まじいまでの存在感はその集大成とも言えるもの。これが長編監督デビューだという新人マイケル・サルノスキ、ポートランドの歴史にも踏み込んで低予算を補って余りある独特の空気感を観客の脳裏にコッテリと塗りつける手腕に圧倒されました。
カリコレ2022での限定公開ですが、これはもっと広い規模で上映されて然るべき重要な作品。ニコラス・ケイジの代表作になったと思います。
異次元の着地
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