PIG ピッグのレビュー・感想・評価
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ナメてた相手が――系映画
誘拐された愛豚を取り戻すため我らがニコケイ演じるトリュフハンターが立ち上がる――というあらすじから、誰もが「ナメてた相手が殺人マシーンだった」系映画を連想すると思うけど、なんと本作のニコケイは殺人マシーンではなく――だった!という物語。 「リベンジスリラー」という謳い文句から、当然血で血を洗う抗争に発展すると思っていたけど、哲学的な愛と喪失の物語だった。 ぶっ飛んだニコケイを期待した人には期待外れだと思うけど、坦々とした物語にニコケイの演技力が爆発。物語の構成も良くしみじみ感動してしまった。普段忘れがちだけどニコケイって演技上手いよね。
映画の内容は個人的にはアリ
ニコラスケイジの演技が素晴らしかった。 その一点のみ。 ストーリー自体は正直……よくオシャレヒューマン系にあるような、観客の想像に任せる余白の多い映画だなって感じ。 音楽と食事と静寂の使い分けとか、オサレ映画特有の匂い。 自分が気に入らなかったのは、日本の売り出しかた ほぼ詐欺。 『俺の豚を返せ!豚奪還のリベンジスリラー!その過程で壮絶な過去が!』 みたいな売り文句だが、スリラー映画にジャンル分けされるような緊迫感や恐怖の類ははっきりいって一切ない(最序盤に豚が盗まれる時、殴られる緊迫感程度で) まぁヒューマンドラマって書いてあったら確かに見なかったかもしれないけど。 てっきり反社会組織で生きてたオヤジが暴力で豚を奪還するのかと思ったよ。 リベンジと銘打って、リベンジしてないやん。
内容はいいが汚れが・・・
話の内容とかは良かったんですが、ロビン(ニコラスケイジ)がどこを訪れるにしても顔に血がつけっぱなしだったので、少し不快でした。
特に、顔に血がつきっぱなしで料理をするシーンは衛生面で不快でしたね。
リベンジ系かと思いきや
可愛がってるトリュフ豚が拐われて、取り返す為に奮闘する世捨て人ニコケイ。 ってきり、殺しまくる系かと思いきや笑、思いっきりヒューマン系でした。 ニコケイの演技と可愛い豚🐖がよかった👍
復讐せぬは愛にあり
B級映画への出演が続いていたニコラス・ケイジが最近復活の兆し。
その決定打となったのが、本作。
作品もニコケイの演技も高評価。本作で長編デビューとなったマイケル・サルノスキは『クワイエット・プレイス』前日譚の監督に抜擢され、ニコケイは多くの賞を受賞し、久々のオスカー候補まで後一歩だった。
ずっと気になってた作品。
話は単純。森で愛豚と暮らす男。時折訪ねて来るビジネス・パートナーの青年相手にトリュフ採りで生計を立てている。ある日豚を盗まれ、取り戻そうとする。
ジャンルは“リベンジ・サスペンス”。
ニコケイの役は元軍人とか。そのスキルを活かし、犯人どもを徹底的に追い詰め、血祭りに上げていく。
ニコケイもいつもながらのハイテンションのブチギレ怪演。
B級はB級でも、『ジョン・ウィック』のようなそういった面白味のあるアクション・スリラーだと思っていた。
いい意味で大間違い!
配給会社に問いたい。ちゃんと見た上でアクション映画を彷彿させるリベンジ・スリラーとしたのか…?
だったらマジで精神病院に行った方がいい。マジで。
そうでなくとも作品本来を偽ってまで宣伝し、観客を落胆させ、作品そのもののイメージを低下させた配給会社が悪い。
作品には何の罪も無い。
つまらない、期待外れ、裏切られた…などなど、作品に対する酷評や低評価。
これはとばっちり。
まあ好みの問題はあるだろうけど、もう一度言う。
作品には何の罪も無い。悪いのは配給会社!
本作はズバリ、アクション映画じゃない。
リベンジ・スリラーとか、そもそもサスペンス…でもない。それ風味ではあるが。
硬派なドラマである。
愛豚捜しのサスペンス的要素はあまり無い。
実行犯を見つけ出し、アクションは一切無い。
黒幕に辿り着き、ニコケイが「このブタ野郎!」と過激なバイオレンスも無い。
多少の緊迫したシーンや痛々しいシーンもあるものの、それらに期待すると拍子抜けだが、表向きは愛豚捜しのリベンジ・スリラーに見えて、本筋はその過程で主人公が自分の過去と向き合っていく…。
ニコケイ演じる主人公、ロブ。
誰とも関わらず、世捨て人のように森で愛豚と暮らしている。
過去に何があったのか…?
その過去はご丁寧に説明はされない。
が、台詞の端々から想像させる。
かつての仕事はシェフ。しかも、伝説的な名シェフ。その筋では名を聞けば誰もが知り、今も尊敬されているほど。
そんな彼に何があった…?
これも想像するしか無いが、そのヒントになるシーンと台詞がある。
ある食堂で、かつてクビにした事ある現シェフの元部下と再会。
夢を持っていたが、妥協してこの食堂を開いている。
そんな彼にロブは言う…。
周りを気にしてばかり。でも周りは誰も見ちゃあいない。
周りばかり気にして、自分を見失っている。
何だかこれ、ロブが自分自身を言ってるような気がした。
きっとロブもシェフ時代、何かあって…。幻滅し、全てを捨てた。
髪も髭も伸び散らかし、小汚ない格好。さらには殴られ、顔には血がついたまま。
一向に綺麗にしようとはせず、その格好のまんま。
周りの視線などどうでもいい。俺はただ豚だけを取り戻したいだけ。
ロブの目的ともリンク。
もう一つ。ロブには妻がいたようだ。が、今は…。
これも何か訳あり。だがやはり、これも語らない。と言うか、語りたくないのだろう。
説明不足との声もあるが、淡々とした本作のトーンやキャラ描写には合っている。
男は黙して語らず。
ニコラス・ケイジが抑えた演技で抱える陰と悲哀をたっぷり滲ませる。
最近のニコケイはB級アクションやサスペンスでハイテンション怪演が多いが、若くしてオスカーを受賞している演技派。その実力を改めて魅せられる。
間違いなく、近年ベストの名演!
登場人物はそう多くない。
メインとなるのはロブと、ビジネス・パートナーの青年と、その父親。
青年アミール。ロブと愛豚が採ったトリュフで成功を収め、唯一の接点者故愛豚捜しに協力させられる。
ほとほとうんざり。が、彼とロブには思わぬ繋がりある過去が。
母親とある料理を食べた。その料理が忘れられない。その料理を作ったシェフこそ、ロブ。
彼の母親は病に伏している。母親との忘れられない思い出…。
彼の父。この父親こそ、豚を盗んだ黒幕。息子の事業が気に入らず、それを妨害しようとして…。
要は親子喧嘩。哀れ、そのいざこざに巻き込まれ…って、もっと驚きと衝撃のオチを期待すると、確かにポカーン…。
無論、これがメインではない。この父親も何か抱えていて…。
今は大物として成功し、ロブの要求に対し金で解決しようとする。それでも引き下がらないロブに脅迫めいた事を…。
アミールの父って事は、彼もまた妻の事が気掛かり。
妻の状況、閉ざした心…何処かロブと通じる。
心を開かせる奇策として、ロブは久々に料理を作る。ちなみにこの料理シーン、何処か美しく、本当に本作は上質な人間ドラマだと思わせた。
実はアミールの父は、かつてロブがもてなした事ある客だった。その時妻も一緒に。
その時の料理を再現。
何だか『レミーのおいしいレストラン』を思い出した。似たようなシーンがあった。
思い出の味を食べて、人は心揺れない訳がない。
結果的に豚は実行犯が乱暴に扱い、すでに死んでいた。
泣き崩れるロブ。
その異常なほどの悲しみ。
彼は言っていた。豚を捜すのは愛だからだ、と。
彼は二度、愛を失った。妻と豚と。
ラストは森に戻り、愛豚と暮らした小屋で、愛妻の声が入ったテープを聞く。
彼は最後の最後まで逆上し、暴力に訴える事は無かった。
それどころか、自分から愛を奪った相手に愛を思い出させた。
復讐より、愛を想う…。
リベンジ・スリラーと思わせて、愛を謳う深みのある人間ドラマであった。
評価難しい
2022年劇場鑑賞294本目。 ミニシアターで一週間限定上映かつ一日一回しかやっておらず、土日は用事で観に行けなかったので、観に行くなら仕事終わりの今日行くしかないという状況だったのですが、朝から雪がつもり始め、映画から帰ってきて夜中に雪かきしないと駐車場入れないとかだといやだなぁという不安があり、皆さんのレビューをチラ見。おいネタバレ有りじゃないのに二行目にもう結末書いてる奴いるじゃねえか! これで、だいぶ観る気なくしたのですが、皆さんの評価が☆2未満と☆5近くに二分されていて、ちょっと気になってきました。幸い雪もこれ以上は積もりそうもなかったので鑑賞決定。 評価難しい作品でしたね。丁度真ん中の☆3にしようかと思いましたがパンフレット作られていないので☆0.5減点。 ポスターの煽りのリベンジスリラーはまぁよくもまぁこんなに堂々と嘘つけるなというくらい見事にそんな内容じゃないです。 それはネタバレない範囲でちゃんと書いてくれてる方のレビューでなんとなく知ってはいたのですが、それを読む前はブタを盗まれた世捨て人が壮絶な復讐劇を繰り広げる・・・ってこれジョン・ウィックじゃん!(ブタじゃなくて犬だけど) そういう感じの元軍隊的な過去ではなく、別の過去を持っているんですが、その過去を利用した探し方の方法がかっけぇ!ってなりましたね。あのラストはあのラストで意味はあるのでしょうが、カタルシス欲しかったなぁ。ただの世捨て人じゃないというサプライズはありましたが。
ニコラス・ケイジを応援しちゃう
浪費家で有名なニコラス
10年そこらで総資産165億円を使い切る勢いで
破産し、その借金返済のため1年に4本
(ほとんどがB級)というなかなかハードな
スケジュールで映画出演しやっと借金返済した。って
ニュースで知ってからの本作。
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哀愁漂うわけありっぽいトリュフハンターのロブ
(ニコラス・ケイジ)
終始静かな雰囲気で描かれており
トリュフの仲介業者アミールとも
(アレックス・ウルフ)言葉数すくなめ。
誘拐?された愛豚を探すための情報収集だとは
わかるのだけど、観る側は、アミール同様
何のための行動なのかが分かりづらい。
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それでも、昔過ごしていた町を訪れ、
知人たちとの会話や反応で、ロブの過去に何が
起きたのか少しづつあぶり出されていく様子は
切なくもあり、アミールとの不思議な関係性も
露わになっていく。
人気レストランで、シェフを呼び出しと時の
ロブの言葉が本作で1番胸に突き刺さる言葉であり
1番の見どころだった。
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「溺愛するブタを奪還するべく
戦う男を描いたリベンジスリラー。」と
うたっているけども
昔のニコラスのように派手なアクションが
あるわけでもなく
地味なアクションすらもない(笑)
あれがリベンジなのか?とも思うし、
スリラーでもない。
一世風靡した俳優がスキャンダルに
塗れたわけでもないのに落ちぶれて(失礼🤣)
やっと復帰作(ってわけじゃないけど)に恵まれたか?と
思ったけれど、まぁもう少し時間はかかるみたいだ。
がんばれ、ニコラス・ケイジ!←
鑑賞動機:紹介等から連想される映画とは全く違うらしい10割
兎にも角にも全国公開されてよかった。『ザ・ロック』以降のアクションスター化する前のケイジに原点回帰した、と言ったら、言い過ぎだろうか(言い過ぎ)。 ボーッと観てると置いてかれてしまうが、この余白を自分で埋めていく感じは好き。まさかそういう方向だったとは。 ケイジ以外もアレックス・ウルフをはじめ脇役が、また一々人生を感じさせるというか、存在感があった。余計な説明をしないのがとてもよい。音だけの部分も含めてラストシーンもじんわり沁みる。 好きかと言われるとまたちょっと違うけど。
あ〜あ 何これ?
こんなグルメ映画観たかったんじゃない! どこがサスペンススリラー? ブタを盗んだ犯人を突き止め、ボコボコにしてブタを取り返す。というのを予想してただけに残念。 公開1週目から1 日1回しか上映されないから嫌な予感はしてましたが。
料理の匂い、ワインの香り
「俺たちのニコラス映画」を観に来たつもりが、己の琴線をギンギンかき鳴らされる出会いになってしまいました。同じ様に想定を外されてへそ曲げるのも大いにわかります。しかし、個人的には今年の3本に食い込むのはほぼ確実でしょう。飲食業従事が長かったからなのかもね。 序盤でいきなり(というかタイトルがそもそも腹減る)胃袋を掴まれた後は、ずっと味も素っ気もない感じが続く。その答えにとあるレストランで気が付いてからは、ずっと何かの衝動で震えておりました(良い意味で)。そんな自分が欲しい展開が散りばめられていた第三章(タイトル思い出せないのが悲しい。)もう一緒に食べてたし、飲んでたよね。匂いや香りまで感じる作品には中々に出会えない気がしました。エンドロールの最後の最後まで丁寧でとにかく気持ち良かった。監督の食事への丁寧さが滲み出ていて素晴らしかったですね。 終わった後に、マッシュルームのタルトが食べたくて食べたくて街を彷徨うハメになる(半分ホント)。塩バゲットを添えで。 愛豚とアミールが愛おしい。
リベンジスリラーではなく熟睡系癒し映画
ニコラスケイジに特に思い入れはないんですが随分老けてかつての面影なくなってきたと思いました。それとトリュフを探す豚が毛が生えててイノシシにしか見えなかった。水曜日だったので安く観れましたが睡魔に負けてしまうような場面が多い映画でした
メスブタを愛する男
オレゴンの森の奥でブタと暮らすロブはブタが探し出す貴重なトリュフをカマロに乗る青年に売り生活していた。そんなある夜、ロブは何者かに襲撃され負傷し、ブタを連れ去られてしまった。愛するブタを奪い返すため犯人の行方を追うロブは・・・どうなる、という話。 なぜか引き込まれるニコラス・ケイジの演技に尽きる。 ストーリーなど説明不足でよくわからないし、観終わってもスッキリ感も無い。 イマイチでした。
やっぱり愛していたんだ
予備知識無しだったので楽しめました ただ、何か裏があるかと思わせながら、ただそれだけ・・・・的なところもある しかし、トリュフさえあれば素晴らしい料理になるのか? 過去の栄光は面白かったが、ファイトクラブは?
"ちょっと期待していたのとは、だいぶ違いました…"な映画
この作品…
ニコラス・ケイジ演じるロブが愛でる"豚"は、トリュフを嗅ぎ当てるという才能があり盗まれてしまいますが、その豚と思い出を分かち合った人がかつてはいた…だから、どうしても取り返したい…そんな物語の映画でした。
そして…
期待していた内容の作品とは、だいぶ違い、えらい肩透かしでした(笑)
アクションやサスペンス主体かと思ったんですが、世捨て人となった料理人の物語…。
まぁ面白いですけど、あまり心にはストンと落ちてこないような物語で、これまた肩透かし…ロブの過去の思い出らしきエピソードが語られていましたが、何の思い入れも無い観客はちょっと置いてきぼりな感じが…。
私のように、ニコラス・ケイジのToo Much演技を期待される向きにも、ちょっと…というか肩透かし…。
ニコラス・ケイジ大好きなら、どうぞ…かな(笑)
*ちなみに、ロッテントマトでは97%フレッシュとかなりの高評価!上映館は少ないようなので、気になる方は早めに。ちなみに、パンフレットはありません。
*日本版の宣伝ポスターには、「リベンジ・スリラー」と書かれていますね。かなりミスリードな宣伝コピーやと思います。
ここ掘れ、ブヒブヒ。
山奥でトリュフ狩りをしながらの豚と慎ましく暮らすじぃが、豚を取り返そうと仕事仲間の若造と街に出る話。 大切な人を牛ない孤独にひっそり暮らす中年男、追い打ちをかけるように殺されるブタ、そのためになら行動を起こす男、誰もがジョン・ウィックを連想するけど中身を開けば全く真逆の話。もはや反ジョン・ウィック的な雰囲気。 主人公かなり殴られ蹴られるけど、反撃はできないし、何より主人公最大の武器は料理の腕と対話。喪失を暴力で解決するんじゃなくて、共に失った何かを思い慰め合う話だった。 でもだいぶ思わせぶりに演出してる感じがズルいなと(笑)何やら街を支配しているラスボス的なおっさんに、それに立ち向かうために"ブツ"を揃えろと支持する主人公が殺し屋のそれ(笑)というか料理振る舞う時もワインに毒入れてるんじゃないかとギリギリまで疑った(笑) 『ドライブ・マイ・カー』がなぜ海外で評価されたか、大切な人の喪失というテーマがコロナ禍で日本の何十倍の死者が出た海外の状況とリンクしたことも一因とスッキリの映画紹介の人が言ってたけど、確かに今年入ってから見た"こういう系"の映画『ラム』『林檎とポラロイド』とか、全部喪失を許容したり立ち向かったり転嫁したり、同じ雰囲気だなと思った。 あとまぁ、私はこの話めっちゃ花咲かじいさんだなと思った。トリュフが宝とも思えるけど、息子と自分より仲良くやってる主人公が羨ましくて豚盗んだのかも。
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