「実は祖母がヴィラン?」ミラベルと魔法だらけの家 ゴリラのプリンセスさんの映画レビュー(感想・評価)
実は祖母がヴィラン?
映画公開中に一度観たきりで、金曜ロードショーで放送されるとの事で改めて録画して視聴しました。
一度観た時に感じた違和感が蘇ってきましたが…
気持ち悪い、というか不快感を強く感じてしまいました。
ミラベルという主人公の少女は小さい頃に祝福を受けられず、家族(特に祖母)からは冷遇され、比較され、蔑まれて今日まで過ごしてきました。
それでも健気で、自分は魔法が使えないけれど出来ることをしたい!と頑張っている姿に数年前から流行った転生ものというか、ラノベ感が否めない。
ブルーノ(おばあちゃんの息子)も祖母の期待に応えられず、失踪。
まず祖母
言うまでもなく、ミラベルは落ちこぼれ、マドリガル家の恥、と感じていますし明らかに下に見ています
母
言葉では優しく、ミラベルを大切にしているように見えますがアントニオ(ミラベルの甥)が祝福を受けた際に家族写真を撮る時にミラベルを呼ばず、ちゃっかりミラベル以外(魔法持ちや夫)と楽しげに写ってます
え?呼ばないの?と娘を大切に思う母親に矛盾が生じました
姉ルイーサ
下には見てないけど、自分を追い込み過ぎで強迫観念が強い
ポジティブに見えるメンヘラ?
姉イザベラ
(会心前は)くっそ性格悪い
完璧であろうとするばかりであり、魔法が使えないミラベルは妹というか侍女扱い
「謝って」という床を指さしながら実の妹を見下すシーンはゾッとしました
悪役令嬢やん
街の人や家族から苛まれ、それでも家族の為に、傷付くカシータ(家)の為に奔走し、最終的に皆が魔法を使えなくなった時は「魔法が使えなくたって一人一人が輝く星のように主役なの」というラストの歌はそのシーンだけでも泣けます
しかし
魔法が戻りました
「おーーーい!!!!」とツッコミを入れたくなりました
結局凡人は凡人、天才は天才
輝くのはいつも特別な人
なんじゃそりゃ
いい感じにミラベルが歌ってたじゃん!
全否定かよ!!
あのまま魔法が使えないままの方が良かった…
ではミラベルは祝福を授からないままか?というのは、祝福は生まれた瞬間から受けていました
それは「カシータ」です
最初は祖母や家族を守るために、祖父の強い気持ちが命と引き換えに魔法のロウソクとなったのでしょう
祖母が家族ではなく、「魔法」というものを大切にし、その魔法が使える「マドリガル家」を貴族なのだと、特別な家系なのだと、いつしか「権力」を愛してしまったから、祖父は本当に家族を愛し、家を愛してくれるミラベルに「カシータ」を授けたかもしれません
だからミラベルが傷つき、感情が爆発した時に家にヒビが入ったり壊れたりしたのではないでしょうか
カシータはミラベルが主人だから、ミラベルを守ろうとしたのかもしれない
そして、最後にミラベルがドアノブをつけた際にカシータが復活したのもミラベルがマドリガル家の真の主(あるじ)だからでは?
特別な人はいない!みんなが主人公だよ!輝いてるよ!!と、伝えたいのかもしれませんが、結局は魔法が戻り、特別な人はやはり特別なのだと…なんというか、あらゆる差別を見ているようで最後までモヤモヤしたままでした