「エリート家族の中の劣等生」ミラベルと魔法だらけの家 まままさんの映画レビュー(感想・評価)
エリート家族の中の劣等生
実力至上主義の家系の中の劣等生としての主人公。
年下にも抜かれていく。
医学部や法学部だらけの家族で大学受験に失敗したりしたらこんな感じになりそう。
自分の中の劣等感や、家族の中での居場所のなさ、必要とされていない感覚。
ビジュアルだって天然パーマに眼鏡と、明らかに冴えていない女の子を意図的に描いている。ルッキズムの恩恵を受けていない側。
あげくコミュニティを壊してしまう存在になる。
必要とされないどころか邪魔に思われる。
これほど辛いことはない。
じゃあいかにしてこの子は自分を認められるのか、という話ではあるが、、、
エリートにだってエリートにしか分からない悩みがあるよ、という話になり、みんな悩みがあるんだねとなる。
そして根本の原因は祖母にある。祖母の無責任な責任感が子供を縛り付けているのだと指摘する(実際こういう親世代は多いっすよねー)
そして祖母と和解する。
まあここまでは悪くはない
魔法がなくなりみんながフラットになったところで主人公が登場。
マンパワーの大切さをみんなで実感。
最後にはなぜか主人公の力によって魔法が復活。
主人公は実は救世主でした。
いやいや!
これじゃあ最初の主人公を救ったことにはならないでしょう
結局フラットな才能、あるいは自分に才能がある場合しか自分を認められないじゃないですか
最初主人公に共感したであろう観客を置いてけぼりにしているでしょ
ただの非エリートの、俺にも才能があったらなあ、あるいは他のやつも俺みたいに才能がなかったらなあ、という妄想でストーリーが進んでいるよう。
まあそれ以外に救いがないという話なのかもしれないけれど。
共感を有り難うございます。
確かに普通すぎる女子高生のミラベルだけが、取り残されたままになったと言うことですね。当時、観終わって、何とは無しに切なさを感じたのは、そんなことからだったのかも知れないです。