劇場公開日 2022年9月16日

「原作を越えていた北村一輝の演技」沈黙のパレード 冬眠さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原作を越えていた北村一輝の演技

2022年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作の公開にあわせて原作を読んできました

テレビシリーズから続くガリレオシリーズの映像化作品は
原作とは別物だと割り切って見るようにしなければいけません
ただ本作に関して、そう簡単に割り切れない部分があるのも確かです

原作から引き算された分がどうしても気になります
15年前の不起訴になった事件の真相部分がごっそりカット
原作既読者からすれば犯人は蓮沼であってはいるんだけど
読んでいない人からしたら不起訴になった人間を真相も分からぬまま
鉄槌を下すことに加担してしまった増村という構図になってしまっている
そして増村の話す真相が涙なしには見れないと思っていたので・・・・(原作を買って読んでください)

しょうがないとはいえ物語が少々駆け足気味に進んで行くのも気になる点
容疑者Xが128分、真夏が129分、そして本作が130分
色々な兼ね合いもあるんでしょうが150分は欲しかった

あと蓮沼が村上淳というのも
村上淳はやっぱカッコいいんですよね
でも蓮沼に関しては底知れぬ不気味さを出せる人が良かったかなと
街の住人は関しては概ね役とのミスマッチは無かったと思います

そして予告で気になっていたのが北村一輝演じる草薙刑事が苦悩するシーン
これは原作になったので正直要らないシーンだなと思っていました
しかし本作を1から通して観て、15年も苦悩しつづけてきた草薙刑事を
北村一輝の申し分ない演技で説得力のあるものに・・・

繰り返しになってしまいますが、だからこそ15年前の事件の真相も映画の中で描くべきだったよなぁって

4.0越えの原作からは少し落ちますが北村一輝の演技で+0.2で

評価 3.9

冬眠
クリストフさんのコメント
2023年6月24日

映画は原作超えられないですよね。
東野圭吾作品なら、
「使命と魂のリミット」を映画化して欲しいですが、
その際せめてNHKドラマは超えて欲しいです。

クリストフ