赤い唇のレビュー・感想・評価
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魅惑のマダム
スイスで結婚し旦那の実家のイギリスに挨拶に向かう夫婦が、道中立ち寄った閑散期のホテルで妖しい伯爵夫人と秘書に出会い巻き起こる話。
愛していると問われてNOとこたえる、口では共に愛していないと言う謎夫婦。天邪鬼なのか何かを隠しているのか…。
そんな夫婦が列車の遅延で計画が狂い、立ち寄ったオーステンデのホテルに40年前から一切歳をとっていない見た目の伯爵婦人と若い女性秘書がやってきたり、近郊のブリュージュで4人の若い女性の連続失血死事件があったりと不穏な出来事が起こり展開していくストーリー。
明確には示されないけれど、登場早々伯爵婦人は普通じゃないのが既知な訳だし、行動が怪しすぎて妖しすぎて…。
始まって1時間ぐらいは、何が隠されているのどうなっていくのかと面白かったけれど、そこから何だか弛んでくる。
とりあえず、何の話かどういう話かはわかるしつまらなくはないけれど、結局最後までみても、ん!?どういうこと?と感じるところも結構あって、正に奇想天外。
自分にはハマらなかった。
怖くない、くだらない、美しくない
吸血鬼とヌード。
きっと制作者は、新味のある“美的”ユーロ・ホラーを作ったつもりなのだろう。
そういう自己満足な感じが鼻につくが、自分は退屈で仕方なかった。
ベルギーが舞台ということで、画家アンソール風の死臭漂う奇怪な映像、画家クノップフ風のミステリアスな象徴主義、画家P.デルヴォー風の幻想耽美的なエロスなどを期待したが、何もなかった。
全然美しくない。
単に高級ホテルのスイートルームで展開される、新婚カップルの不和や親との問題がストーリーの中心だ。
そこに、物欲しそうな吸血伯爵夫人が、遠巻きに変な介入をするだけ。
実にくだらない。
吸血鬼はあまりに無力で、あっさり死んでしまう存在だ。“牙”すらないのだ。
駅までダッシュする吸血鬼なんて(笑)、初めて観た。
下品な演出は要らないが、そもそもホラーになっていない。キレのない、ダルい演出。
全然怖くない。
デルフィーヌ・セイリグのファン以外にとっては、時間の無駄だろう。
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