「怖くない、くだらない、美しくない」赤い唇 Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)
怖くない、くだらない、美しくない
吸血鬼とヌード。
きっと制作者は、新味のある“美的”ユーロ・ホラーを作ったつもりなのだろう。
そういう自己満足な感じが鼻につくが、自分は退屈で仕方なかった。
ベルギーが舞台ということで、画家アンソール風の死臭漂う奇怪な映像、画家クノップフ風のミステリアスな象徴主義、画家P.デルヴォー風の幻想耽美的なエロスなどを期待したが、何もなかった。
全然美しくない。
単に高級ホテルのスイートルームで展開される、新婚カップルの不和や親との問題がストーリーの中心だ。
そこに、物欲しそうな吸血伯爵夫人が、遠巻きに変な介入をするだけ。
実にくだらない。
吸血鬼はあまりに無力で、あっさり死んでしまう存在だ。“牙”すらないのだ。
駅までダッシュする吸血鬼なんて(笑)、初めて観た。
下品な演出は要らないが、そもそもホラーになっていない。キレのない、ダルい演出。
全然怖くない。
デルフィーヌ・セイリグのファン以外にとっては、時間の無駄だろう。
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