素晴らしき、きのこの世界のレビュー・感想・評価
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きのこの驚異!
植物でも動物でもないきのこ、でも地球上では植物にとっても動物にとってもなくてはならない存在であることがよく分かり、きのこの成長のタイムラプス映像の造形美には圧倒されました。
ただ、前半が科学的見地からの説明に大いに知識欲を満たされたのに対して、中盤からあるきのこの事に触れて、ややスピリチュアルな方向になってしまったのは、個人的にはちょっと違和感を覚えました。
でも、かつてはペニシリンの材料になったきのこがあったように、このきのこもアルツハイマーや末期がん患者の緩和ケアに応用されているようで、きのこの素晴らしさを伝える点ではずれてはいなかったかな。
あと、登場人物が多く、矢継ぎ早の発言に字幕を追うのが大変でした。もっとゆっくりきのこ自体を鑑賞したかったのですが。
最初の方でネズミが死んで土に還るタイムラプスシーンと、主人公が自分が森で死んだら土に還ると言うセリフがありました。末期癌の患者が幻覚きのこのシロシビンを処方されたことによって、死は怖いものじゃないとのセリフがありました。多分脳内で自分が死んでも自分の遥か昔の祖先である菌類に戻るだけ、つまり元に戻って(いわゆる先祖返り)地球との一体感のようなものを感じて(菌類と交信した?)、死の恐怖から解放されたのではないかと思いました。そういえば、木同士も菌類を通して交信しているというのも興味深かったです。
【”古来から菌類は、あらゆる生物を分解、再生し、地中から優しく地球を支え、救って来た。”知的好奇心を物凄く満たしてくれる、目から鱗のキノコドキュメンタリー。】
ー 物凄く面白いドキュメンタリー映画であった。
恥ずかしながら、古来から菌類が地球上で果たして来た役割を少しだけであるが、理解できたし、今後の人類にとって、菌類が如何に大切な存在になって来るのかも、良く分かった。ー
◆感想(というか、今作を観て学んだ事。ビックリした事。
暗記した内容なので、誤謬があればご指摘を・・。)
・ペニシリンが出来た由来。
ー 菌類の研究から抗菌剤として、フレミングが発見し、お陰で第二次世界大戦中、多くの兵士の命を救ってきた事。戦争映画でも、銃弾に倒れた兵士にペニシリンを打つシーンを沢山見て来たなあ・・。ー
・マジックマッシュルームからキノコに含有される幻覚剤、シロシビン。
ー シャーマンが使っていたが、最近では、抗鬱剤としても利用されている事。そして、人間が作った抗菌剤は飲み続けなければいけないが、シロシビンは人によっては鬱を無くす場合もある事。
大学時代から、山で食料が無くなった時に、笑い茸を食べておいて良かった・・。ー
・カワラタケが、ステージ4の乳癌を分解してしまった事実。
ー ”Ted”でのシーンが、雄弁に物語っている。ー
<地球には、現在発見されているだけで、150万種類の菌類が存在するそうである。
彼らのお陰で、生物は分解、再生を繰り返して来た歴史。
そして、環境問題解消にも寄与する可能性がある事も、示唆される。
コロナ特効薬が、菌類から出来ないものだろうか・・。
美しい、キノコの数々の映像にも、癒されましたし、知的好奇心を、大いに満足させてくれる作品でもありました。>
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