「生きづらいあなたへ」流浪の月 石子さんの映画レビュー(感想・評価)
生きづらいあなたへ
自分がよく出張で行く長野県松本市が舞台と聞いて、これは観に行かねば、と思い観賞。
はじめは、行ったことのある場所や風景を追っかけてテンション上がってましたが、徐々に登場人物の心象にのめり込んでしまって、、。テンションも下がる下がる。
観終わって後はぐったり。あまりにもテーマが重く、濃厚で、かつラストで明かされる真実は驚愕。しばらく呆然自失になりました。
ストーリーは、ある事件を経て、社会の中でひっそりと生きていた二人が社会(世間)に再び晒され、やがて、まわりの人々を巻き込みながらも、彼らはその運命にお互いひかれ、そして、その宿命を受け入れて、「流浪の月」のようにさまよいながら支えあって生きていく。
性的マイノリティーである主人公を松坂桃李が熱演してます。影のある難役を見事に演じられてました。また、広瀬すずや横浜流星など若手の演技合戦はとても見応えがありました。若手俳優がむき出しでやっているのは清々しくて大好きなんです。
残念なのは、なぜ更紗が文に惹かれていったのか?更紗が当時置かれていた厳しい境遇を描いてもらうと2人の関係性をもっと深く理解できたかもしれません。あと子役が天真爛漫すぎるのも気になりましたね。
いずれにせよ、性的マイノリティー(広い意味で社会的マイノリティーという表現が適切)の人々を描くことで救われる方がたくさんいるんじゃないか。そうでないかたは知るという意味で。そういう人々を描くために映画ってあるんじゃないか、と強く思いました。
カロリー高めの映画ですが、本当に観て良かった。
追伸
松本市ではスタッフさんと同じ宿にも泊まってました。
素晴らしい映画をつくってくれてありがとうございました。監督、キャスト、スタッフ様に改めて御礼を申し上げます。