「最後のシーンは衝撃。」流浪の月 Tatuo Oohashiさんの映画レビュー(感想・評価)
最後のシーンは衝撃。
■行き場のない小学生と孤独な大学生の同居は幼女誘拐?
10歳と19歳。
9歳差のカップルは普通ですが、対象が10歳だと幼女誘拐。
でも更紗と文の関係性は洗脳でも誘拐でもなく。2人の関係性は子供の時から大人になっても何変わらず。
恋人でも友達でもない独特な距離感の関係性。文は一人は嫌だけど恋人も友達もできず孤独。更紗は実質帰える家が無い。
更紗に居場所を与えて自由にさせてくれた文。
文を孤独から救ってくれた更紗。
実質、誘拐ではないのに、世間は文を犯罪者の変態扱いし最後まで文を偏見で見て罵るばかり。
「人は見たいようにしか見ない」
更紗の言葉が印象的でした。
残り15分、ココから短時間でどう結末を迎えるのか?という場面から、衝撃的な結末を迎えます。
最後は更紗と文が離れ離れで終わらなくて良かった。
■松坂 桃李さんの役作りが凄い
松坂 桃李さんは「孤狼の血 LEVEL2」でヤクザと対決していたのに、今回は静かで穏やかで優しくでもちょっと暗く元気が無い文役。
痩せた事もあり、キャスト一覧を見るまで文が松坂 桃李さんだと気が付きませんでした。
■広瀬すずさんの「ねえ文?」
広瀬すずさんの「ねえ文?」というセリフが印象的でした。
彼氏の亮君(横浜流星)といる時と違い、「ねえ文?」と明るく奔放な子供時代の更紗本来の一面が現れリラックスしている感じが表現されていて、何度も出てくる「ねえ文?」というセリフは一番印象に残っています。
■細かい部分は時間枠のせいか端折りアリ
見ていくと色々??という部分はあります。小説と違う部分もありますし、映画は2時間30分でまとめる必要があるのでしょうがないとは思いますが、細かい部分が作りこまれていればさらに良かったかもしれません。
個人的には楽しめたので良い映画でした。