「荒地から始める」劇場版 異世界かるてっと あなざーわーるど Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
荒地から始める
予習ではなく復習して知りましたが,五つの作品人物のプチキャラが大挙して登場する作品でした。観たことがあるのは、劇場版「幼女戦記」のみ。でも多彩なキャラと運命が交錯する筋書きは、異世界の構造を知らずとも、十分に楽しめたと思います。
運命とは呼べないシロモノも混じって、タイトル文字の雰囲気とも合わせると、サーカスやマジックショーの感じまで漂わせていたのが素敵だった。盛りだくさん過ぎとも言えるぐらい。
彼女らと彼らが用いる拒絶の円陣も、破壊の流星も、そのシンプルなパワーは魅力的です。
◉兵士
幼子が軍服を纏って作戦を練り任務を実行する姿を見ていると、想像力の翼はここまで及ぶのだと言う想いと、何か強い拒否感を抱かねばならないと言う感覚がダブってきます。
◉アレク
杖を突いたアレクは、土と岩だらけの地で暮らしていた。その荒地に魔女や死神、勇者、兵士たちがワッと集まって、ゴーレムと闘いを繰り広げた。闘いが終わり、また見渡す限りの荒地からアレクは歩き出す。ヴェラとパンタグリュエルと共に種を蒔き始めるのだ。頼りないぐらい優しいその風貌は、終焉と再生に必ず付き添う者にふさわしかったと思うのですが。そして、全て知っていて、全ては明かさない存在。
◉パンタグリュエル
ポスターの中心に十字架の形で描かれていた、このキャラはやはりダントツで際立っていたと思います。少女型ゴーレムで、最強の巨大ゴーレムの挙動の鍵を握るところは、巨人ガロンの心臓部であるピロンと同じ。消滅を覚悟で巨大ゴーレムに飛び込む姿はアキラを想起しました。腹を括った上で、優しい声で話さないで! 切なくなるからと思わず語りかけた。
しかし、この少女が「ガルガンチュアとパンタグリュエル物語」の主人公となる巨人族の王の名を与えられているのは、何故? 因みにガルガンチュアが父で、パンタグリュエルは息子です。
巨大なゴーレムが、巨人王パンタグリュエルを名乗ったと言うことか?