「アンチルッキズムの皮を被ったルッキズム主義」整形水 Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)
アンチルッキズムの皮を被ったルッキズム主義
目に止まったのでprimeで鑑賞。
韓国ならではのタイトルとアニメと言う事で惹かれて観てみたものの何とも中途半端な作品。
そもそもアニメのイメージが薄い韓国。
実写映画やドラマには定評のある感覚だが、珍しくアニメーション。
作画演出に興味があったのだが、開始10分でお察し。
絵は綺麗だがスマホゲームのCGアニメーションレベル。
キャラクターデザインはデフォルメもそこそこで良いと思うが、動きがなんとも。
映画的演出も正直普通で映像評価としては中の下。
ただ、ストーリーさえ面白ければそれは些細な事なのだが、ストーリーもパッとしない凡作だった。
冒頭〜中盤後半あたりまで 起承転は良かったがまとめの結がうまく行ってなかった。
アホみたいな後日談を入れるくらいなら、タイトルが出たところで潔くエンドロールの方が良かった気がする。
まず、謎の液体『整形水』と言う何とも都合の良い題材がメインで、その成分や出所、作用と効果時間は不明。
命を削り己の身を捧げた両親へのわだかまりもそのまま。
事件は未解決のぶん投げ演出。
肉を移植する方法や整形方法もあやふや。
ヘラとか使ってたけどみんな凄腕造形師か何かなのかな? 到底一人でできる作業ではないが、あっという間に別人に大変身。
呆れたのはラスト。
ネタバレはしたく無いので書かないが。
なぜその状態で意識があるんだい? あまりにも突拍子の無い演出で夢オチなのかと最後まで疑ってしまった。
題材としては韓国らしく面白い。
容姿至上主義が現役バリバリの韓国らしく『整形』を通しアンチルッキズムを匂わせながら実はルッキズム主義を貫いてる作品と感じた。
正直でよろしい。
見た目がいい方がそりゃ良いよね。
結局の所見た目がよけりゃ得をすると言う誰しも当然の様に分かっている本心を正直に前に出した潔の良い所は良かった。
あと落とした缶を足で蹴り返すカットはやっぱりそう言う国なのかと思ってしまう。
週刊ストーリーランドの映画バージョン。
そんな感じです。
暇だったらみても良いかもしれません。