「思い出のある方だけが対象です」日本語劇場版 サンダーバード55 GOGO おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
思い出のある方だけが対象です
1960年代にイギリスで制作された特撮人形劇「サンダーバード」。リアルタイム世代ではないですが、子どもの頃テレビで何度も観て、プラモデルやムック本を買い漁るほどの大ファンでした。その懐かしの「サンダーバード」の新作を、まさか劇場で観られる日が来るとは!感無量です!公開2日目の場内は30人程度の入りで、田舎の劇場にしてはまずまずの出足。ただ、二組の親子を除けば、前方に広がる薄い頭頂部の数々。日本放送55周年なので、リアル世代はそんな人ばかりです。
本作は、当時ラジオドラマとして書かれたエピソード3話を、当時と同じ撮影方法で完全再現した新作劇場版です。おなじみのカウントダウンとBGMが流れれば、観客全員が童心にかえりワクワクが止まりません。そして、最初のエピソードで、国際救助隊の誕生、トレイシーアイランドの秘密、各救助メカを紹介します。各メカの発進シークエンスやギミックは何度見ても胸アツです。ところでこのシーンも新撮だったのでしょうか。だとすればその再現度は完璧すぎます。
また、各エピソード間には、スタッフコメントやメイキング映像や本作では登場しない救助メカ紹介などがあり、ファンにはうれしいサービスでした。当時の映像をスキャンして 、CG 処理後にサイズを再計算して、新たな撮影に挑んだということが紹介されていましたが、並々ならぬ努力を感じるとともに、それを現在に蘇らせてくれたことに感謝です。これだけでも見に来たかいがあるというものです。
ただ、残念ながら各エピソードが思ったほどおもしろくなかったのは致命的でした。その最大の原因は、国際救助隊の活躍の薄さです。ほとんどがペネロープとパーカーの話で、二人が悪目立ちしているような印象でした。ファンが見たいのは、絶体絶命の災害現場に駆けつけた国際救助隊が、さまざまなメカを駆使して困難に立ち向かう、手に汗握るようなスリリングな救助活動です。これでは、本作で初めてサンダーバードに触れた人は、その魅力に気づかないと思います。当時のラジオドラマの映像化ということで、いろいろな制約はあったのでしょうが、これだけの完全再現ができることが証明されたわけですから、ぜひ次回作に挑戦して、今度こそ救助活動メインの新作オリジナルストーリーを観せてほしいものです。というわけで、本作の評価は、思い出補正込みで3.5点といった感じです。
あと、作品とは関係ないですが、割引不適用の鑑賞料金は高すぎます。パンフレットもお布施としか思えないほどの高額設定。もう完全にコアなファンしか狙ってないですよね。まあファンだからパンフレットも購入しましたが、もう少し何とかならなかったのでしょうか。せっかくの記念作品なので、鑑賞料金もパンフレット価格ももっと普通の映画並みに下げて、サンダーバードファンの裾野を広げてほしかったです。このお布施が次作につながることを祈るばかりです。
ゆうさん、共感&コメントありがとうございます。そちらへのコメントができなかったので、こちらに返信しますね。
その後、行きつけの映画館でもパンフレットは売り切れていました。お布施は確実に集まっているようなので、これでなんとか次回作をお願いしたいです。
コメントありがとうございました。おっしゃる通りで、新作ストーリーでいいので、メカを駆使した大救出劇を1本入れると良かったですよね。ここは庵野さんに『シン·サンダーバード』をお願いしましょうか?
パンフ、そんなに高かったんですね。私は封切3日目の鑑賞でしたが既に売切れ、別の劇場にも行きましたが、そこも売切れでした。でも、やっぱりどストライクの世代の私は、ぜひGETしたいです。ちなみにあの作品は、オジサンが、「懐かしむ」ためのもので、デキ云々は二の次···でいいのではというのが私の感想です!
遺憾の極みさん、共感&コメントありがとうございます。レビューを上げておられないようなので、こちらに返信しますね。
いくらなんでもパンフレットは高すぎますよね。それでも映画に満足できれば、まだ気持ちよく払えたのですが…。次回作に期待するしかありません。
いやーおっしゃる通りです。パンフの高さはもう遺憾の極みでした。ストーリーも下地のある方にはいちエピソードとしてありでしたが初見の方には?がつくのもムリないです。ほんと次回メカ活躍編作って欲しいです。