ダーク・アンド・ウィケッドのレビュー・感想・評価
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陰湿で邪悪な作品
今まで色々なホラーを観てきたが、本作は滅多に出会うことの無いタイプの作品だった。
起承転結の無い映画ではないが、冒頭からラストカットまでずっと同じ波長で進んで行くのである。終始薄暗く、陰気臭い牧場での一日が描かれ、曜日が進むにつれ不穏な空気が濃くなっていく。ショッキングなシーンに関しては特にパンチが効いているという訳ではなく、至って普通の表現だが、終始立ち込める不穏な空気の中で描かれるそれが非常に際立って見えるのである。登場人物は少ないが、印象に残るキャラクターが多く、雰囲気作りが非常に上手い。
色々考慮するとどちらかと言えばJホラー寄りの作品だが、本作は独特で独立したジャンル、言わば新ジャンルと言っても良いのでは無いかとも思う。近年ヒット作を生み出しているA-24製作の作品群と近い印象も感じる。
本作は基本的に、恐怖の対象を明確に明かす事はなく、ただただ着実に近づいてくる「それ」に怯えるのである。ここら辺は登場人物と同じ心境になれる部分だろう。先程も取り上げたが、冒頭からラストカットまで同じ雰囲気で進み、常に不気味で悪い事ばかりが起こるのだが、正直気持ちよく劇場を後にできる作品では無いだろう。たがここら辺も登場人物らが立たされている境遇とシンクロするのだろう。
全てが闇に覆われたような作品であり、夜に一人で観ると気が沈むが、ホラーファンであれば一度は本作のなんとも言えぬ空気感をぜひ体験して欲しい。
ただのつまらないB級映画だった
登場人物の台詞の中に、何度も「イエス様」という言葉が出てくる。キリスト教の社会に生きるクリスチャンなら台詞の意味を理解できるのかもしれないが、無宗教の当方にはどうにもピンとこなかった。だからなのか、本来はおそろしいシーンと思われるシーンが、まるで怖くなかった。
未知のものに対する恐怖は普遍的にある。特に死は、他人の死を通じて介在的にしか理解しようがないものだから、否応なしに恐怖の対象である。ホラー映画は登場人物に感情移入させることによって、介在的な死の恐怖を感じさせるものだ。
ところが本作品は、姉にも弟にも感情移入が出来ない。もちろん母親にも看護婦にも、当然ながら何の感情移入も出来ない。それが当方の無宗教や想像力の不足によるのかもしれないが、言い訳を言えば、姉や弟の人となりや、前後の事情も何もわからないのだから、感情移入のしようがないとも言える。キリスト教圏のクリスチャンの観客にも、もしかしたら感情移入できない作品の可能性がある。
という訳で、本作品のどのシーンにも死の恐怖を感じることが出来なかった。当方にとってはホラーでもなんでもなく、ただのつまらないB級映画だったということだ。
悪魔って…
ずーっと雰囲気だけ
トラディショナルアメリカンホラー
それなりに怖いですが、
ジャパニーズホラーほどではありません。
文化の違いによる没入感が阻害されるのが
理由ではないかと思います。
理由を求めず怖さだけを体験するのには
問題なく見れる内容でした。
久しぶりに24のジョージ・メイソン役の
ザンダー・バークレーを見れて嬉しかったです。
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