「介護と言う逃れられない」ダーク・アンド・ウィケッド トメトさんの映画レビュー(感想・評価)
介護と言う逃れられない
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ある田舎の家族が主人公
寝たきりの父を見舞うため、娘のルイーズとその兄マイケルが帰省するところから始まります
父は寝たきりでうめき声しかあげません
母はそんな父の介護でいつの頃からか心を病んでいましたが、娘達は気付けず
その日の晩に母は首を吊って自殺します、兄妹二人が里に戻ってきたので母は「これで父の世話をしなくていいのね」という逃げ道を得たのかもしれません。
兄妹は母の自死、残された”寝たきりの父”と言う大きなストレスを抱え、徐々に精神的に追い込まれて行きます
ある日介護のストレスに耐え切れなくなった兄マイケルは逃げ出し都会の自宅へと帰りますが介護疲れと徹夜続きが祟って妄想を見るようになっており、自宅で自殺します
ルイーズはたった一人の家族である父を見捨てられないと必死で介護しますが
介護から逃げられない(外に出る事すら怖い)彼女の人生がすり減っているのが解ります
ルイーズは父に「1人になるから死なないで」と呼びかけ続けますが、
視聴者は薄々「父が死ねば解決する」ことに気付くのでむしろ「早く永眠して欲しい」と願っています。
介護と言う地獄は父の死と共に終わり、同時にその恐怖を描いた映画も終わります。
逃げ場がない現実のその最もつらい場面を切り取った映画でした
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