「普通のホラー映画だけど、背景知識がないと内容は理解不可能?」ダーク・アンド・ウィケッド yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
普通のホラー映画だけど、背景知識がないと内容は理解不可能?
今年187本目(合計251本目)。
映画の日(12/1)はこちらをチョイスしました。
多くの方が書かれているようにホラー映画。一部、不穏当な表現があるのでレーティングがきつくなっていますが、それでもホラー映画としてはマイルドな描写に入ります。
ストーリーというストーリーは存在はしますし、時間軸を入れ替えるトリックもないので(ある1週間を描く内容で、日曜日~土曜日まで順番に出るので)、その点でのトリックはないと思います。
ただ、一方で、多くの方が書かれている通り、この映画、おそらく、キリスト教文化がかなりの前提知識として必要ではないかと思います(プロテスタントかカトリックか、その他かは不明)。そうでないと、セリフの一部がまるで理解できなかったり(漢字圏なので、ある程度は推測可能)と理解難易度はかなり高いです(そのうえ、パンフレットはなかったりする)。
普通に見るだけだと、序盤にやや不穏当な描写があること以外はホラー映画で、ストーリーというストーリーは存在するものの評価が難しいかな…という状態です(何がネタバレで何がネタバレでないのかという観念すら特定できない)。
個人的には、おそらく、日本でこのまま公開されることを想定していなかったのではないか…とさえ思えます(普通にホラー映画として見る、ということ以外が日本では難しい)。
かといって、字幕の不足している部分を聞き取って補おうと思っても、前編英語なのは英語ですが、とにかく誰もが早口で(一瞬、ドイツ語か?と思えるところすらある)、準1程度では到底無理で、そこからの推測もできないかと思えば、「イエス様」が字幕に出たり、マリア像が出てきたりという状況なので、とっつかみがないというか、どこを手掛かりにするのだろう…というところです。
※ かつ、時代設定も、スマホが出るあたりからすると、2000年以降と解するのが妥当ですが、一方で今時珍しい壁掛け式電話(もちろん、線が出ていたりする)があったりします。
なお、ホラー映画としてみる「だけ」なら、序盤にやや不穏当な描写があるものの、それ以外はレーティング通りなので、そこまで怖いかというものではないです(大人の営みのシーンもありません)。
-------------------------------------
(減点0.3) この映画、「日記」が一つのキーワードとして出るのですが、その「日記」はかなり多く書かれている割に、ストーリーとしては読まれるところ以外わからず(個人で翻訳できる量ではないし、それほど映らないので、翻訳できるできないの話ではない)、こうした「理解の妨げ」となる部分もかなりあります(個人の当日の努力で何とかなる、というレベルではない)。
「おそらく」、内容的にはかなり高度なものを扱っているのではないか…と思えるのですが、手掛かりがとにかく少なく、調べられる量にも限界があり、この映画は(日本では、純粋な)実質ホラー映画として見るしかないのでは…と思います。
そういう「個人で調べられる手がかりをことごとく消してわからなくしている」という意味での減点幅ですが、実際には「本国基準でも特に学術的な内容なし」な可能性も当然あり、この点は正直わからないので(ただ、多くの日本人はわからないと思う…)、減点幅としてはこの程度にしました(少なくとも完全に支離滅裂な樹海村とはレベルは違う)。
-------------------------------------