「普通の青春群像劇、ただそれだけ」グッバイ、ドン・グリーズ! ひろちゃん千葉さんの映画レビュー(感想・評価)
普通の青春群像劇、ただそれだけ
映像美は素晴らしい。内容も悪くないし物語にも入り込めるし感動もする…
しかし主人公達3人に感情移入しきれない。
だから何だろう、この普通の日常系青春映画を見た感じは。そう言う映画だったのだろうか?違うと思っていた。
全てが予定通りに淡々と進行していくだけ。
サプライズがサプライズになってないと言うか
淡々に進行している感じ。心に何も残らない。
一番心に残ったのはまた海外旅行に行きたい!と強烈に思わせる映像だけだ。
やはり三人の関係性が物語以上に希薄に感じるからだろう。幼馴染二人で立ち上げたドングリーズと言うコンビと秘密基地。そこにどうやって割って入ったのか分からない謎の病気で余命くばくもない同い年の少年。しかも出会ったのは割合最近の話だ。幼馴染二人は東京と地元に離れ離れ。推測すると中3の頃に知り合ったと思われるがその経緯が全くない。しかも余命が無いことは本人含め皆知っている。匂わせる描写はあるが病気の少年は元気いっぱい。生命の最後の残り香かも知れないが何の脈絡も無く突然死。
重病の設定生きてないし事故死でも良かった位だ。それで泣いて荒れる幼馴染二人。
短い時間でどんな関係性や友情を紡いできたか何の表現もない。
第三者的に見るとそう言うこともあるよねで終わってしまう。だから泣けない。ふーん予定通り死んだか位の印象しか残らない。
死んだ友人の謎を追う旅も他人視点ではそう言うこともあるよねで終了。
全てが敷かれたレールの上を淡々と走っているだけ。物語性がなんか薄い。
あの映画を見ただけでは第三者から視点が動かない。友人が死ぬ前にドンチャンやって軽い冒険やってそれでお終い。それは映像上で彼らの関係性が薄いからに他ならない。幼馴染二人は高校で離れ離れ、病気の少年は病気が原因か残りの人生を楽しむ為か高校には行かず中卒。夏休みで帰省するまで3人で集まることも無かった。
幼馴染はともかく病気の少年との出会いと関係を示すエピソードが必要だった。この映画はそれが無い。
だから物語全体や素材はそんなに悪くないが
普通のありふれた青春群像劇に見える。
アメリカに留学したチボリと言う少女のスパイスもいい事言っているのに効きがイマイチ良くない。重要なキーになるのに。
何か重要なスパイス入れ忘れたり塩加減を間違えた料理の様な印象を受ける。そんなに悪くは無いが決して旨くもない微妙な料理。おかわりはいらないって感じでご馳走様。
傑作になりそうな要素があっても凡作、そんな映画。3.5点のうち0.5は他の映画より映像が良いから。実質3点、もっと低い評価を見ても驚かない。
映画として誰にどう推薦していいか分からない。青春映画として受ける人には受けるかも知れないがポイントが小さすぎる。実に惜しい。
あと映像的に惜しい点は飛行機の離陸する所。
主翼がしならない。燃料満載なら飛行機の翼は下側に少ししなっている。滑走中に徐々に水平になっていき離陸する頃には上向きにしなる。
エンジンの陽炎まで細かく入れておいて、うーんあと一歩。ビデオでもYoutubeでも見れば分かるのに。あとアイスランドに行く世界地図で飛行機の位置を示す所。まああの二人が誰かに説明しているのだろうが。欧州路線は何度も乗ったが、あんなルートでは飛ばない。何故ならかなり遠回りになってしまうから。普通はウラジオストク付近からロシアに入ってもっと北極よりを飛ぶ。地球は丸いんだよ。
広大なロシア上空での巨大な入道雲とか何度も見たので懐かしくなった。そこままで細かい描写するのにちょっと勿体ない。
不幸にもロシアのウクライナ侵攻により計らずも欧州路線がロシア領土上空を飛ばない映画と同じ様なルートで飛ぶ事になった様です。飛行時間は当然長くなり便によっては直行便が燃料補給の為に経由便になったりする様です。
こんなルートで飛ぶわけ無いよって言うのがマジになってしまい平和の有り難さを改めて噛み締めています。
ひろちゃん千葉さん
解説ありがとうございます。
そういう事だったんですね。
良くわかりました。
アイスランドへの飛行はモスクワ上空経由でロンドン経由が一般的ですよね。
一度南回り(香港、ニューデリー、カイロ、ローマ)経由でフランスに行ったことありますが、メッチャ時間かかった。
私もまた海外行きたくなりました。