劇場公開日 2021年10月29日

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「ハロウィン・ナイトメアもそろそろ明けそう…」ハロウィン KILLS 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ハロウィン・ナイトメアもそろそろ明けそう…

2022年4月10日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

寝られる

鬼才ジョン・カーペンターが生んだ名作ホラー。
第1作目である1978年版の正統な続編として製作された2018年版。
その続編。新3部作の2作目。
スタッフ・キャストは続投。話も前作の直後から始まる。
(余談その1:シリーズは現時点で12作あり、複数のパラレルワールドに。複雑過ぎて分かりません!)
(余談その2:本作を見る前に、前作を再見。見た筈なのに、ほとんど覚えてなくてびっくり!)

ローリーと、その娘と孫娘。ストロード3世代で対抗。前作のラスト、ローリーのトラップハウスに誘き寄せ、火を放って焼け死んだ…筈だった。
が、ヒットしたホラー映画に安息は無い。強引にでも、生きていた…!
駆け付けた消防隊により鎮火。助けに来た消防隊を返り討ちの鬼畜!
再びハドンフィールドに舞い戻り、殺戮再開。
マイケル・マイヤーズ!

にしても、燃え盛る家の中でも生きていたり、武器を持った消防隊相手に難なく返り討ちしたり、基本腕力のみで殺戮を繰り広げ…今回もその怪力を惜しみなく発揮。
前作のレビューでも述べたが、一応人間である筈なのに、ジェイソン級のモンスター。
いっその事、レザーフェイス、フレディ、ジェイソン、キャンディマン、チャッキー…ホラー映画の有名スターらとのバトルロイヤルを見てみたい。

奇しくもハロウィン。ハドンフィールドの住民は、40年前の惨劇の記憶をまじまじと…。
そんな時、マイケル還る。
恐怖を終わらせるべく、ハドンフィールド総出でマイケル打倒に執念を燃やす…。

前作はストロード一家vsマイケルだったが、今回はハドンフィールド住民vsマイケル。群像劇スタイルでもある。
皆で集まれば怖くない!
戦術でも多勢の方が有利に決まってる筈なのに、マイケルが強過ぎるのか、住民がただお間抜けなのか、一人また一人血祭りの劣勢に。
その狼狽ぶりもさながら、狂気と混乱に陥った住民たちの姿。
常軌を逸していき、“人違い”の暴徒と化した様や集団リンチは恐ろしい。
マイケルも恐ろしいが、それよりもっと恐ろしいのは、理性を失った人々の心理や行動。
マイケルによって長年恐怖と共に苦しめられ、大切な人も奪われた悲しみも分かるが、その異常さに戦慄。
監督が描きたかったのは寧ろ、こちらかもしれない。

ストロード一家だけではなく、今回はハドンフィールドの住民や町そのものが主役のようなもの。
そこで見ものは、序盤。“1978年”の再現。
1978年版の映像は使わず、美術や衣装などを駆使した再現ぶりはお見事!
また、もう一つの注目は、第1作目の生き残りの面々の登場。勿論、かつてのキャストそのままで。
中には引退したオリジナルキャストを説得してまでカムバックさせたり、某キャストには偶々発見した激似のそっくりさんを起用。
徹底した熱意や拘りが窺える。

ファン歓喜の作り。堪らないファン・ムービー。
そうなのである。
ファンなら、最高。
ファンでなければ…。

第1作目とリンクした内容やオリジナルキャストの出演など、ファンでなければ面白味が伝わって来ない。
お叱り覚悟で、私は全くと言っていいほどこのシリーズには馴染み無いので、何だか作り手やファンや内輪だけで盛り上がってるなぁ…と。
それでも普通に話が面白かったらマシだったものの、話の方もいまいち。
途中まではそれなりに見れたものの、登場人物の言動も目的も、話の展開も散漫。イミフになっていく。
前作はストレートに打倒マイケルだったのに対し、本作は各々の恐怖や思惑が交錯。群像劇として巧みならまだしも、あまり成してない。
ほとんど勢いで押し進めてる感じで、話の醍醐味を味わえなかった。

衝撃の展開で終わり、今年公開予定の最終作へ続く!…と期待を持たせようとしたのだろうけど、
何か唐突で、中途半端で終わった印象。
はっきり言ってしまうと、一体全体、今回は何をしたかった…?

最終作は“ENDS”と冠している通り、きっちり完結するのかな…?
いずれまた、マイケル復活!…ってなりそうだけど。
それ以前に、最終作を見るまでに自分の中で期待が盛り上がる事は無さそうだけど…。

近大