「逆に原作の凄さが際立つが、映画も最後まで観ました」嘘喰い Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
逆に原作の凄さが際立つが、映画も最後まで観ました
元々、見る気は満々だったのですが、あるシアターでは、封切からあっという間に1日1回の朝一上映になり、3週間もしないで終映になってしまいました。逆に興味が湧いて見逃せなくなりました。
◉これはこれで
原作マンガは読んでいました。ゲーム自体が作り込まれている上に、その隙をつくイカサマと、更にそれを上回るイカサマ見破りの凄さ。マンガを読んでいて、複雑な種明かしに着いて行けない自分を情けなく思ったことが、幾度もあります。
予告編の時点で、あれを映画でやるのは、かなり無理があるだろうなとも思っていました。
映画はストーリーやイカサマの仕掛けなど、いかにもチープで、やはりシネマではここまでと思った後は、ノリでそれなりに観られた感じです。
ただ、ハングマンで佐田国側のイカサマは明かされましたが、それを嘘喰いがどう利用したかの説明が足りなかった気もします。
◉暴力も決め手になる
「嘘喰い」は博打の場でのストレートな頭脳戦に加えて、リング外からの想定外の暴力や圧力と言う、大きな要素があります。仕掛けのスケールがデカいし、ズルい。
立会人たちも、極端に命の取り合いが好きですしね。
それを映画にうまく生かせたかどうかは分かりませんが、やってみる手はあったと思います。仲間になったマルコが何もしなかったのは、意外だった。
◉死に様が酷いのも魅力
俳優陣の中では本郷奏多君がクールを装いつつ、最も博打に淫したキャラを感じさせて、素敵でした。村上弘明さんに首を折られるのは、見ていて辛かったけれど、映画だからこその快感まで覚えました。
もう一つ。佐田国に続いて絞首台に秘書が粛々と台に上ったのにも、ずっしりしたインパクトを感じてしまった。