ドント・ブリーズ2のレビュー・感想・評価
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重箱の隅をつつく
ドントブリーズ2
ちゃんとお金を払って鑑賞したので、好きなことを言わせてもらう。かなり辛辣なことを書いてしまうかもしれないので、これから見ようと思っている人は読まない方がいいかもしれない。
先に言っておくと、前作『ドント・ブリーズ』はなんだかんだ文句もつけたが、お気に入りの一本にはなった。「盲目の老人VS若い無謀な窃盗団」という、ちょっと想像しただけでもゾクゾクするような展開が繰り広げられ、話がぶっ飛んだ領域に踏み込んでも、ギリギリのリアルさを保ったままお話を閉じていく巧みさ。映画の最初の紹介記事を読んだだけで、見たいと思わせてくれたハイコンセプトのすごさに尽きる。ラストに少しだけ匂わせてあったが、まさか本当に続編が製作されるとは意外だった。今回も続きをちょっとだけ匂わせているが、映画がヒットしなければそれも無い。はたしてどうなることか。
《以下ネタバレ》
今回、主役の少女がレベル低いと思う。演技力の問題なのか、セリフも少なめ。といって、容姿が特別に可愛いとか、アクションが際立つとか、そういう特徴もないのでもう少しなんとかならなかったのかと思う。
あれから8年…みたいな導入が使われ、必要最小限のイントロデュースにとどまる。スタートから重たくて退屈だ。少女に迫る脅威の姿を最初に見せておけば、すっきりと分かりやすかったと思う。
前作を見た人を対象に作ってあることは承知だが、盲目の老人の特殊能力や、敵との対立構造は説明不足だろう。少女と一緒に暮らす老人の結びつきも弱い。なぜ彼女が守られているのか、前作で異常性欲者のように見えた老人が、まるで好々爺のようにふるまうのは唐突過ぎやしないだろうか。ハンニバル・レクター博士とクラリス捜査官のような、常識では理解できない関係性を描きたかったのか。老人にとって、守るものがあるハンデは大きい。
少女の本当の両親の存在が意図的に隠されていて、切実な願いが込められている。それは今の生活を打ち破って、大きく飛躍できるチャンスだ。どこかにいる産みの母親に一目会いたい。こんな外界から閉ざされた暮らしから抜け出したい。という少女の願望は、当然のことだ。それなのに弱すぎる。なんだか、存在そのものがはっきりしないユニコーンを探しているようなあやふやさ。そして「あなたの本当のママよ」と現れた女の、なんとひどい仕打ち。
悪役の存在理由をこと細かに設定してある。ここはもっとぼかしても良かったはず。麻薬密造で小金を稼いだギャング団が、プラントの火災で肺にダメージを負った。それを治すには肉親の心臓を移植するしかない。そのために昔、生き別れになった幼い娘を探し当て、感動の再会を装ってその牙をむき出す。ひどく安っぽい存在理由だ。その手のうちが見えるにしたがって、どんどん薄っぺらになっていくドラマ。
老人で、かつ全盲というハンデを背負った男が、無類の強さを発揮するという逆転劇が痛快なのだが、それも自分のフィールドに相手を引き込んで、有利な状況を生み出すことが必須だった。敵のアジトに踏み込んだら、何があるか予想できない。それでも互角以上に敵を倒していく展開には無理がある。
敵が放った犬を、最終的には手なずけ、追跡の手段にするなんて、あまりに偶然に頼りすぎる。そうしているうちに、少女は殺され、犬と一緒に途方に暮れるのが関の山だろう。
老人の後悔の念と、懺悔をつぶやくさまは一見感動を呼ぶ慟哭に映る。そのなかにひと言「過ちもいっぱい犯した。レイプもした」とあったが、聞き捨てならない。こうして悔い改めれば何でも許されるのだろうか。
前半部分でわりとていねいに時間を使って、少女が自分の身を守るためのレクチャーを受けるシークエンスがある。その割に、少女が弱すぎやしないか。
なにかの施設か、宅配の業者風の若い女性が、親切心で少女を町に連れ出し、少し外の空気を吸わせる。このつながりが、外界と孤立した老人を結びつける唯一のラインなのだが、敵はこの女性を容赦なく殺してしまう。さらには車ごとその辺に置き去りだ。そんなリスクを冒してどうやって今までやってこれたのだろう。あまりにも行き当たりばったり過ぎやしないか。
この悪党のグループにもちょっとだけ良心のかけらのようなものが残されていて、「こんなやり方は俺の主義じゃねえ」とカッコつける男が一人いる。そいつがリーダーの言うことを聞かないから、老人との戦いは形勢が一気に逆転する。こんな組織は、たとえ少人数で結束を固めても、すぐに空中分解だ。
ひとつ展開が起きるたびに、細かな違和感が積み重なる。お話しのダイナミズムだったり、ツイストを強調したがる強引さがリアルを失っていく要因になった。
それにしても、久々に最後まで映画をちゃんと見た。コロナ禍の中、少しずつ日常を取り戻していくのはいいものだ。
前作から作風変わったけど面白い
不死鳥は檻におさまらぬ
前作はビビったなぁ。なんとなく予告編で想像してた裏の、更に底まで連れていかれた感じで最高でした。
ネタバレしちゃってる分、難しいのは承知で挑んだ二作目。はてさて如何に如何に、って感じでワクワクしつつも、やっぱりドキドキしながらの観賞 でした。なるほど、今回はプロVSプロなのね。良いじゃん良いじゃん。そんなこんなで授業参観の様な心持ちのままラストまでたどり着きました。あれ?
いや、面白かったですハイ。PTSDな部分を孕みつつも、共感出来ない気持ち悪さは健在でしたしね。ただ、どうしても前作がちらつくので、それが無ければもっと「おぉぉ」が増えた気がする気の毒な作品という印象が拭えなかった。それでも、何だか「レオン」な感じなのと、途中で「ブリーズ!(息しろ!)」って爺さんが言ったのは笑っちゃったな。
見えない感が減ったけど
善?悪?
最強の老人に最強の敵が現れたら、という続編としては正統的な展開の一作。
序盤からのたたみかける展開に身を委ねる楽しさを味わえる一作です。ただし残酷描写はかなりのもの(R15+指定)なので、前作を最後まで観ることができなかった人は、今作もかなりの覚悟が必要でしょう(『孤狼の血 LEVEL2』でも出てきた、「アレ」をするとは…。サム・ライミもプロデューサーでは満足できなかったのか…)。
前作で極悪非道な殺人マシーンぶりを発揮して、戦闘能力のかけらもない青年達を血祭りに上げた老人(スティーブン・ラング)が今回戦うのは、正体不明の殺人プロ集団。前作で超絶的な能力を見せつけたので、今作の敵はそれに合わせてアップグレードするという、続編としては正統的な作りと言えます。
さらに敵の手強さに加えて、老人には8年間経過した心身の衰えが見られ、その危うさがさらに物語の緊張感を高めています。だが戦闘能力は未だ健在。「座頭市のようだ」と評された戦い方は、水面の波紋の利用など、むしろさらに洗練されています。ていうか、ロド・サゲヤス監督、ほんとに『座頭市』観てるんじゃないの?という既視感。
序盤早々にいきなり小さな少女と老人の仲睦まじい生活が描かれるので、前作を観た人ほど意表を突かれるだろうし、前の展開を知っていると「まさか…」という思いも頭をよぎるものの、空白の8年間に一体何があったのか、序盤の時点ではほとんど手掛かりがありません。その後もジェットコースターのような展開が続き、終盤まで説明的な場面はほぼ皆無です。しかし脚本がかなりしっかりしているのか、物語の勢いを落とすことなく真相を徐々に明らかにしていく語り口はみごとです。
明らかになった過去、そして結末に至る展開をどう捉えるかについては見解が分かれそうですが、前作からの流れと、意表を突いた本作の設定を踏まえると、決して悪くはないと感じました。
彩度を落としたざらついた映像は、老人と少女の世間と隔絶した生活状況を視覚的に強調していて、とても印象的でした。これはいわゆる「ブリーチバイパス(銀残し)」という技法なのかな、とも思いましたが、鑑賞中は判断付きませんでした。
犬は大切に
面白い
海外の子役は凄い!
性格変わりすぎ
犬がにおいを嗅いだあとに
ワンちゃんが可愛かった。
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