アリスとテレスのまぼろし工場のレビュー・感想・評価
全229件中、161~180件目を表示
未来へ‼️❓未来へ〜‼️❓君だけで行け〜‼️❓
理屈で解釈したら、父親に初恋した女の子のエデイプスコンプレツクスを克服するために幻か夢を見た、のが正しいのかもしれない。
でも、それなら、中島みゆきが感動🥲して主題歌を作ることにはならない。
なら、事実として、昔に戻り、中学生の父親と母に逢い、愛の嵐に巻き込まれた、当時は幻想にみんなが包まれていた、それで、
にせよ、独特の世界観は、クセになる、時間が止まるから、中学生から高校生を経て、終末思想まであるから、いろんなことができる、車の運転とかは調子乗りすぎてるけど。
まあ、考えるな、感じろ、そんな映画なんでしょう、無心で、是非。
二度観してきました
『あの花』でひと旗上がり、数々のTV・劇場アニメなどの脚本でキャリアを積み上げてきた岡田麿里氏による『さよ花』以来の監督兼任作です。
人間ドラマが得意で細やかな心理描写に定評があり、ココ数年は自身原作の作品も発表。TVアニメ『凪あす』『WIXOSS』『荒乙』など楽しませて頂き、初監督の『さよ花』や脚本作の『空青』も鑑賞済です。
個人的にはソレらどれも概ね良好でしたが、最近の作品には(露骨なのは荒乙から?ソレ以前のあの花にも兆候あり)どうも『下ネタ』を織り込むのはレギュラー化してる様子。このご時世に『ブルマー』とか、思春期の色気づいた中坊のオスメス描写とかワリとお好きな様で、或いはアニヲタが好きそうな『餌(図星)』を観せようとしてるのか? とか勝手に勘ぐっておりました。
と言うより岡田監督の真骨頂は、エロは男子の専売特許ではないと言わんばかりの濃い女子エロにある気がしてて、本作にもバッチリ描き込んでありました(でも積極的にお見せ頂ける事って絶対ないですよね?w)。
自分は案の定そう云うのに食い付いてしまう側ですが、勿論ソレだけではなくお得意の人間描写を活かし、表現・描写の細かい動きも秀逸で、シッカリ創り込んでいく意欲は充分伝わってきます。
一方で岡田監督が苦手とするのか、本作の核心・超展開な部分は “そう云うモノ” と割り切らざるを得ない部分もあり、風呂敷の畳み方もワリと雑です。
アリスとテレス、ドコ行った?てのを筆頭に、一番気になったのがイツミの『幼女』設定。彼女だけノイズとは言え、サスガに物語上必要性を感じない、解せない部分です。
そしてこの物語の世界設定も建付けに難アリで、一例では中学生に自動車運転免許。ラストのシーンを創るための無理矢理にも見えてしまいました。
独特な『臭い』とは? 単純に風呂に入ってないだけ? オチもそうで、結局どうなったのかは煙に巻かれます。ラストシーンで元サヤになったっぽいのですが、ならば向こうの世界は? この辺は各自の妄想に委ねられているのでしょうか。
ソレらは岡田監督の脚本に毎度ある “モヤる” 部分で、何やカンやでこの評価となりました。
もはや中の人に一流処を起用するのは岡田監督だけになりそう。でも主題歌の中島みゆきサンは本作と合ってない気がしました。岡田監督のお気に入りかな?
余談ですが、佐上の中の人は大塚芳忠氏ではなく “デスおじB” ですね。そう言えば “昭和の伝説のアイドル” の中の人も “原” 役で出演されてて個人的にニヤリとした部分ですw
ドSツンデレ
正宗と睦実のキスシーンは、とてもリアルというか肉感的というか、唇の柔らかさかがスクリーンから伝わってくる。こんなにドキドキするキスシーンってある?
花火のシーンをはじめ、アニメーション表現は素晴らしいんだけど、物語に入り込めない。
トンネルが崩落して、海流にも阻まれて外界から閉ざされてしまった見伏の街。14才なのに運転免許を持っていたり、冬なのに寒くないとか、異世界を予感させる。『ワンダヴィジョン』、『まどマギ新劇場版 叛逆の物語』、『天間荘の三姉妹 スカイハイ』などを思い出しながら、街の秘密を想像したんだけど、明かされた事実はどうもしっくりこない。
オリジナル企画ということで、気合が入りすぎたのか、余計なひねりが入ってしまって、登場人物の心情も蛇行気味。
オオカミ少女も無理があるよね。人間が世話していて、あの状態っておかしい。
ストーリーには乗れないが、睦実のドSツンデレに満足してしまう自分であります。
エッグ・コーヒー
ミルクセーキみたいなもんかと思ったら、ベトナムコーヒーのコンデンスミルクに卵黄を入れて攪拌したものを上に乗せるという飲み物らしい コーヒーに直接生卵をぶち込むイメージを始めに想像していたので、何にせよ"ネーミング"って大事だなと思った次第
さて、本作題名だが、アリスやテレスなんて名前の対象物や者は出てこない これが、上段のエッグコーヒーの件と関連付けた 題名だけみて映画の内容を想像するなということ 勿論、アリストテレスというギリシャ哲学者の格言が台詞であるが、自分はその方面が全く無見識なので、その影響も感想に取り入れられない あくまでストーリーと作画の感想のみである
プロットとしては時間固定(1日が繰り返されるが季節や身体の成長・変化は進まない)中での閉塞感をベースにした青春ストーリーといったところだろう 『あの花』からの一連の私小説的作劇の監督なのだからその辺りは又新たなアイデアを織込んだ構成になっている
但し、物語展開が困難を極める流れになっているのが腑に落ちないのである 多分、この順序は、テレビアニメで10話程分ならば順当な進め方であろう それを映画で、しかも実世界と勘違いさせる構成にしたのかが、中々のクセモノである チャレンジングなことは大いに評価したいのだが、観客への信頼感が過度なのではと疑ってしまうのだ 登場人物の秘密位のレベルならば引っ張っても世界観は揺るがないが、そもそもの設定自体が後ろに押してしまうと、物語に感情移入する時間を削がれるのではと思うのだが・・・ そして後回しになった分、監督御得意のクライマックスの高揚感も、上手に演出できていないのかなと感じてしまうのである
オオカミ少女、失神ごっこ、高いところの飛び降り、等々伏線の回収とクライマックスの混ぜ込みは、かなりの理解力速度を要求されてしまう
核心的ではなく、メタファー的な湾曲表現で語られるが、父親と娘の恋愛要素、それに伴う母親の嫉妬 又は狭い世界での恋慕とかのやや倫理観を揺さぶるストーリーは、監督独自の谷崎史観に基づいた設定でそれ自体は面白い挑戦的内容であるので、そこは応援したいし共感を大いに持つ 特に、キスシーンの歯がぶつかる音はアニメではなかなか描かれない希有なシーンであろう
監督が試してみたいという強い意志を伝える作劇として、大いに称賛したいのだが、今回は自分の読解力の無さ故、申し訳ない批評になってしまった事を恥じる
まだ消化しきれてない
監督も出演者も何も知らず、ただフライヤーの絵とタイトルと、時の止まった街という設定だけで惹かれて見に行った。
製鐵の街の絵は美しい。鬱屈とした空気感が伝わる。最後再稼働する時との対比も良かった。
新海誠作品、特に君の名はの時超えやすずめの戸締りの別世界との境目感に似ていたり千と千尋やなんなら最近のペンディングトレインも思い出す設定ではあったけど、また独自の世界観になっていた。
止まった時の中で10年、変わらないことを求められ、
心を動かさずに生きてきた子たちが、
自分が最早存在しないというジレンマに直面し、
生きること、心動かし先に進むことに立ち向かっていく。
恋愛要素そこまで入れなくてもと思ったけど、実際学生の立場で一番心が動くのはそりゃ恋愛よね。
しかし10年もつもんかね。。
あとタイトルの説明だけほしい。。
最後中島みゆきで締まるのが何より異色に感じた。
仮想と現実2つの世界の表現は息を呑む美しさです。
映像はとても美しいです。それだけでも映画を見る価値はあると思います。
舞台設定も面白いのですが、いまいち感情移入ができませんでした。
本来は五実が主人公なのでしょうが、役回り的に難しいという印象です。
なので仮想世界側の心理展開がメインストリーとなるので感情移入できなくて、そういう考えになるのかな?という感覚です。
全体的に暗く悲しい雰囲気ですが、そういう作品が好きな人にはおすすめできます。
ちなみに、題名の「アリスとテレス」アリストテレスとアリスの意味は理解できるのですが、テレスの意味がわかりませんでした。
久しぶりに余韻が気持ち良い作品でした!!
9月中旬、楽しみな作品が多々あり消化のつもりで本作見てきました!!
いやー裏切られました。名作と言って良いのでは⁉️
この独特なシュチュエーションを考えた岡田麿里監督(脚本もやってるとな!)は凄いです。
原点の「あの花」感もありますが、そこに“大人”が絡まり上質な作品となっています。個人的に、車やバイクがナイスチョイス!!笑
久しぶりに鑑賞後に、気持ちの良い余韻がありました。
伏線読みもありそうで…!
是非、最近良質アニメを見ていない方は、是非映画館でご鑑賞ください!!
全編からにおい立つ猛烈な「岡田麿里」臭。出来不出来を超越した「個性」にただひれ伏す。
青くさい。
生理くさい。
露悪的で、挑発的。
とにかく「岡田麿里」の臭気が凄い。
むんむんに漂っている。
アニメーションという、特異なメディアにおいて、
絵コンテもひかず、一枚の絵も描かず、
ただ脚本しか書いていない監督の体臭が、
ここまで濃密に作品全体を汚染しているってのは、
やはりただごとではない。
ふつうじゃない。
絵は描けなくても、
絵コンテは人任せでも、
ここまで「作りたい作品が作れる」。
ここまで極私的で、独善的で、セルフメイドな代物を、
何百人ものスタッフをこき使って、人に絵を描かせて、ちゃんと形にできる。
僕は、岡田麿里って人は、本当に恐ろしいクリエイターだと思う。
― ― ― ―
彼女が『さよならの朝に約束の花をかざろう』を発表したときは、心底驚いた。
僕の知る限り、アニメ業界で「脚本」から「監督」に成り上がったのは、この人が初めてだったからだ。
たいていの監督は、作画マンか制作進行から演出を経て出世する。大地丙太郎のように撮影あがりの人もいるが、彼も結局は制作進行と演出を経験している。マッチ棒人間でもいいから、絵コンテを描く。ここがこなせない監督というのは、通例いないのではないか。
ところが、岡田麿里は、脚本からマジで監督に上り詰めた。
それは、逆に言えば、本当に凄いことなのだと思う。
一流の演出家と作画マンが「それでもこの人のホンで、この人の指導のもとでアニメを作りたい」と一堂に集ってくれたということなのだから。
スタジオやプロデューサーが、たとえ絵コンテなんか切れなくても、この人ならアニメ監督が出来ると太鼓判を押したということなのだから。
要するに、岡田麿里は、圧倒的な「書く」才能で、「描く」業界を調伏してみせたのだ。
そして、ふたたび彼女は監督として降臨した。
2作目が許されたということは、間違いなく、皆が彼女を監督として認めたということだ。
僕は、そんな岡田麿里を無条件に尊敬する。
― ― ― ―
岡田麿里には、クセがある。
濃密で、濃厚な。
それは、「青春」を描くときに、とくにあらわになる。
生臭さと、女臭さと、精液臭さ。
誰かに傷つけられる痛みと、
誰かを傷つけることを厭わないエゴと。
そのやりくちは半ば露悪的で、若干痛々しい。
でも、脚本家自身の空回りや、あてつけがましさや、うざい自意識過剰ぶりもひっくるめて、やがては圧倒的な「個性」のなかに、視聴者を巻き込んでゆく。
最初は半笑いで岡田麿里の奇行とやりすぎをドン引きしながら観ていても、そのうち観客の多くは作品世界に引き込まれ、羞恥を覚えながらも固唾をのんで見守るようになる。
本作でいえば、やはり五実(「ゴミ」とも読めるのはなんとも)に顔を舐められるシーンと、睦実(六つの罪なんだね)との終盤の濃密なキスシーン。
あの、「キャ―――」ってなる、粘っこさとエロっぽさと、にちゃっとした感じが、まさに岡田麿里なんだよなあ。
個人的には、すばらしいと思う。
アニメって実は、そこはホントに重要なんだよね。
最初に初代プリキュアの変身シーンを見たときの「とんでもないものを見させられたような羞恥心」や、最初に『ラブライブ!』の欲情しきった牝アへ顔ライブを見たときの「ヤバすぎて体中がぞわぞわするような犯罪臭」が、そのうち一般化して、大衆化して、巨額の収入を生み出す一大キャラクター産業へと成長する原動力になっていったわけだから。
アニメには、こっぱずかしくなるような「ふりきれた描写」が必要不可欠なのだ。
だから、僕個人としては蕁麻疹が出そうなくらいに気持ち悪いけど、『あの花』のラストは多分あれでいいのだと思うし、僕個人は正視できなくて耳をふさぎたかったとしても、『ここさけ』のミュージカルシーンだって、多分あれでいいのだと思う。人をドン引きさせるくらいの恥ずかしい青春を描かせて、岡田麿里の右に出る者はいない。
(僕の感性で受容可能な範疇に収まる作品でいうと、岡田麿里脚本の最高傑作は、何と言っても『true tears』にとどめを刺すと思っている。)
― ― ― ―
というわけで、僕は「臭い」青春ものの書き手としての岡田麿里には、許せる部分も許せない部分もひっくるめて、全幅の信頼を置いている。
一方で、正直なことを言うと、ファンタジー的な世界観の語り口には、けっこうひっかかることが多い。
『凪のあすから』なんかも、海と行き来する設定自体が、僕にとってはあり得なさ過ぎて、個人的にまるではまれなかった。『あの花』にも根本的な幽霊の条件設定に大きな矛盾と欠陥があると思うし、しかもその設定を説得力をもって呈示する能力に、この人は欠けているのではないかと思っている。
今回でも、街で起きている現象がなんなのかを、必ずしも明示しないままで進んでいくために、予備知識無しで観始めると、結構とまどう部分が大きい。
時間が止まっているってのも、はっきり明かされるのはだいぶ後だし。
とにかく登場人物の言動に、得心のいかないところがあまりに多すぎる。
で、観ているうちに世界観の「真相」が徐々に明らかになってくるわけだが、それで違和感が解消されるかというと、居心地の悪い感じはおさまらないどころか、増幅されていく一方なのだ。
いろいろ考えていて、ふと思いつくことがある。
これは『さよ朝』でも全く同じことを感じたのだけれど、
岡田麿里という人はどうやら、「いつまでも変わらないこと」「齢をとらないこと」を、「マイナスの要素」として最初からとらえているらしいのだ。
え、そうなの?
永遠の生って、ふつうに人間が求める至高の目標なんじゃないのか?
いつまでも老人、いつまでも妊婦ってのは確かに可哀想だと思うけど、いつまでも若者って、これだけ特権性の強い「勝ち組」が他に存在するんだろうか?
美少女のままで、何人もの愛する人と出逢って、看取って、また出逢ってを繰り返すのが「苦痛だ」って感覚、それ一般的なのか?
少なくとも、僕なら何の問題もなく、大万歳で受け入れられそうなんだけど。
いや、「前提として永遠の生って最高、永遠の若さって最高」ってところからスタートして、「それを後からひっくり返す」のなら、十分に理解できるのだ。
「最初はみんな喜んだ。でも何年も繰り返すうちに、閉塞感と無力感におそわれるようになった。そのうち、相手を傷つける遊び、身体に痛みを覚えるような遊びばかりをやるようになった。そうでもしないと生きている実感が得られないからだ」
こういうロジックなら、よくわかる。すっとはいってくる。
いわゆる『人魚の森』みたいな、八百比丘尼の悲劇ですよね。
しかし、岡田麿里は、最初から「若さを繰り返す」ことを、「時の牢獄」だと感じていること、「重荷」「苦痛」「不幸」「罰」「呪い」だと捉えていることをまるで隠そうとしない。
おそらく、彼女自身の青春が、浮かばれなかったから。
彼女本人が、引きこもりで、しんどくて、抑うつ的な十代だったから。
でもなあ。やっぱり、その感性はかなり変わってるんじゃないのかな。
少なくとも、僕はかなりひねくれていると思う。
いくらどう考えても、外から観て『さよ朝』のマキアはたいして可哀想じゃないし、
外から観て本作の中学生たちもたいして可哀想じゃない。
僕に言わせれば、見伏町はいろいろ問題を抱えてはいても、本質的な部分では「ユートピア」だとしか言いようがないからだ。
とはいえ、街の「他の住人」が、「現状を維持すること」を唯々諾々と受け入れて、毎日同じ生活をガチで繰り返しているらしいことも、逆の意味であまりに噓臭すぎて信じがたいし、作り手にとって都合がよすぎるように思う。
ふつうに、出られない、閉じ込められている、時すら止まっている、という絶対的に閉塞的な状況に陥ったら、もっと大衆はパニックになるはずだし、早い時期からセクトに分かれて路線闘争なんかが勃発していておかしくないはずだ。
しかも、街でいちばん頭がおかしいと見ただけで分かるような人間に、文句もいわずに付き従うなんてことが起きるとは、僕にはとても思えない。
街の法則にもよくわからない部分が多い。
なんで、告白して傷ついた園部ちゃんはひび割れてオオカミに食われて、
さんざん傷つけあったりいちゃいちゃしたりしてる主人公二人は平気なのか。
誰がオオカミに食われて、誰が食われないかのルールが最後までよくわからない。
(園部、仙波と単に苛められる系、根暗系から先に消えるだけなのかもしれないが)
目の前で告白したデブが消滅する衝撃のトラウマに襲われたばかりの同級生たちが、原さんの告白で、またも野次馬的にはやし立てているのは正気の沙汰なのか。
という感じで、今回もファンタジーという意味では、いろいろ気になるところは多かったかも。
― ― ― ―
パンフの岡田麿里のインタビューを読んでいて、
「狼少年のように嘘つきな女の子と、狼に育てられたような野性的な女の子、二人の異なる狼少女のお話を書こうと思ったのが出発点です」
といっていて、そこは「なるほど!」と思った。
その趣向自体は面白いんだけど、岡田麿里ってマジで容赦ないなあと思うのは、ヒロインの睦実をちっともまともな女としては描いていないところで、そこは、みんな忘れてはいけないし、騙されてはいけないと思う。
睦実は、なんだかんだ言い訳はつけているものの、4年だか5年だかの長きにわたって、五実を実質ネグレクトしてきた「ガチでろくでもない女」なのだ。
1週間や2週間の話ではない。何年ものあいだ、言葉も教えず、閉じ込めたまま、臭い状態で、おまるで小便をさせながら、オオカミ少女として放置してきたのだ。わざと。しかも、五実が別のマルチバースの自分が産んだ「娘」であることを知りながらのこの所業である。
その後、娘である五実は自然な形で正宗に初恋に似た感情を抱くわけだが、現世の睦実はそんな娘に敵愾心を燃やし、お前は彼氏である正宗を奪おうとするライバルだと明快に宣言する。まさに「最初に出逢う異性をめぐって、同性の親との葛藤が生じる」というエレクトラ・コンプレックスのケーススタディである。
いや、女とはもともとみんなそういう生き物で、誰しもが「内なる妻と母の闘争」を抱えていて、だから母娘とはこうやって張り合い、愛し合いあがらも憎しみ合うものなのだ、と岡田麿里は問うているのかもしれない。
で、この「毒親」睦実はどうなるかというと、何年も五実を苦しめていた罰でも受けるのかと思いきや、あにはからんや、無事、異世界から来た五実を「改めて元の世界に産み落とす」ことに成功したうえで、自分は永遠に続くかもしれない正宗との恋愛の勝者として、閉ざされた見伏町の正宗の胸へと帰っていくのだ。
これが、「ハッピーエンド」として描かれているらしいところに、岡田麿里という人の真の恐ろしさが見て取れる。
そう、この作品は突き詰めていうと、「ろくでもない睦実」に対して、正宗には「好きだ」と言わせ、仲間たちには「戻ってこい」と言わせ、実際に彼女にとって思い通りの結末を与えてやることで、彼女を全面的に「救済」するのが真の目的の物語なのだ。
そして、岡田麿里には、それを大半の観客に「なんかよかった! ハッピーエンドで!」と力業で思わせてしまう「物語る力」がある。
僕も、これだけ五実にひどいことをしていたはずの睦実のことを、最後のほうは超応援してたし、超可愛いと思ったし、超幸せになってほしいと素直に思った(笑)。
いろいろとひっかかるところや、なんだかひどいと思うところや、これでいいのかと思うところも多々あるんだけど、結局、最後は「良い映画を観た」って気分で劇場を後にしたわけだから、今回も岡田麿里との勝負は、完敗といったところか。
うーん、やはり、凄い監督さんである。
最後に。声優陣はマジ完璧。
とくに上田麗奈と久野美咲は無双状態。
やっぱり、こういうのはガチの声優さんにやってもらうに限るなあ。
あと、「スイートペイン」は超笑いました。
こういうのは、ほんと岡田さん上手いね。
痛いは、居たい。なんだよ
久しぶりの岡田麿里作品てこともあって楽しみにしてました!
変化をしてはいけない世界、何も変化しない、季節や年齢さえも変化しない街で起こる少年少女達の青春?ストーリー。
変化してはいけないこの世界で恋をしてしまい、でもそれは心の変化で、それは許されないことで、でもその衝動は抑えられなくて…
現実と非現実、大人と子供、変化を望むものと望まないもの。いろんなものが対比として描かれていて面白かったですね!
ただ深く考えすぎると、こっちではこうだけど現実ではああで、ってアレ??ってなっちゃいますねw
てかよくこんなストーリー思いつきますね!主題歌も良かった!!
岡田麿里作品にハズレなし!ですね(^o^)
あの花を思い出して泣きました
あの花もそうでしたが、どっちの選択をしても誰かが傷つくと分かっていながらも、進まなければいけない。
そして死んだ世界でも絵を描き続けていたら、絵が上手くなっていた
という、今生きていることと、無駄な事はないということに
当たり前のことに気付かされます。
臓腑の底から腹パンのような衝撃を味わう体験
表面上はよくあるタイプのジュブナイル作品だが、見せようとしているものは他作品と全く異なる。
純度の高いマリーの搾り汁。
それを食べやすく調理しないまま、素材の味を存分に活かしてお出ししてくるという…。
人の心の不条理や汚い部分も容赦なく描写するので、合わない人には全く合わないだろう。表層をなぞるだけでは登場人物の行動もおそらく理解できない。(脚本の粗っぽさも一因ではあるが)
わかりやすくカタルシスが得られるような、涙腺を激しく刺激するようなシーンもないので、気安くオススメはし難い作品。しかし、ドロドロと渦巻く感情の応酬は、他では味わえない体験になるだろう。
ハイライトは間違いなく最終盤の、睦美→五実に放つトンデモない台詞。メインディッシュにこんなもんブチ込むマリーの根性よ。これを痛快と思えてしまう人はきっとロクでもない変態である。笑
意外と評価されてるのがちょっと嬉しかったので、慣れないレビューを書いてみた。
奇想天外なファンタジーだけど状況がわかりやすい
2023年劇場鑑賞215本目。
予告から全く話の内容が分からず、観ているうちにこんな話だったのかぁ、と驚き。こういう話にありがちな聞き慣れないオリジナルワードも1つ2つしかなく、大変分かりやすかったです。
良かったところを書くとネタバレになってしまうので書けないのですが、とりあえず泣きました。
ところでアリスとテレスって誰?
普通作。理解容易にして難解。アリストテレスというより、アインシュタインもビックリの時空難解。
コレ題名 アリストテレスから❓誰か教えてください
俺は匂いを嗅ぎ取ったよ
①原作漫画無し②テレビアニメ無し コレ絶対空いてるよって
【ロン・僕のポンコツボット】【愛の歌声を聴かせて】と同じパターン
各種広報から この岡田監督【アレ では無い方の岡田監督 メガネサッカーでは無い岡田監督ともいう】
が期待の新星と言うことは聞いていたが、いかんせん・・・
封切り直後3連休、土曜日 午後3時過ぎ と言うもっともお客さん入る時間
観客は@9人だった。予想どおり、あんまり混まない イオンとはいえ
寂しくなった。
非常にわかりやすい作品 なんだけど なんだか 時空の理屈が難解すぎる作品。
誰でもわかります語れます。ただ制作意図までは常人には理解し難い。
甘酸っぱい青春、男女 それは相違ない 初めての恋
無邪気な無垢な少女 と 大人の都合の良い事情 それも相違ない
なんだか製鉄所爆発で、企業城下町タイヘン❗️ それもわかる
中島みゆきの歌が親和性が高い それは感じた。
まあ 14歳らしいから 厨二病の閉塞感と言うところか❓そうだろう、それもわかる。
ただわからないのだ。神機狼しんきろう と空が割れる のと 正宗、睦実、五実
の時系列が・・・アインシュタインもビックリ
普通の作品です。最後チト長いかな
有料パンフは 絵コンテ とか含めて ビジュアル美術集です。アニメ趣味の方どうぞおススメ。
私のパンフ読み込みが足りないのか アリスとテレス 題名がよくわからないおじいちゃん👴であった。
ただ、観客@9人だから、ワシも スタメン主力メンバー だったのは相違ない
1席空けた隣のお姉さんの、長時間ポップコーン🍿 良いんだけど⭕️いつまで食ってるのか持続力に感心した。
それくらい最後は冗長に感じた。
良作だと思うが人を選ぶアニメ映画
工場の事故により
時間が止まった世界で
いつか戻れるように変化をしないように生活しているという
舞台は昭和の日本だと思うが
世界観は独特である。
その変化をしない世界で政宗は睦実につれられて
まともにしゃべることができない少女の五実の世話をまかせられる。
そして、同級生が狼みたいな煙につつまれて消えてしまったことで
この世界の秘密を知ろうする。
この世界は現実と切り離された世界で
いつか消えてなくなってしまうという。
五実は現実世界の人間で
現実の政宗と睦実の子供らしい。
この世界では変化をしようとすると消えてしまうらしいが
カップルになった同級生たちは消えなかったので
なんとなく世界に失望したら、消えてしまうのかなと思った。
政宗たちは五実を現実に戻そうとするが
そのなかでは子供たちだけではなく
大人たちも世界を維持するために五実を現実にもどすのも阻止しようとしたり、
逆に自分の力で世界を維持する大人がでたりするところはなんとなくリアルだなと思った。
子どもが自動車を運転できるのは
変化を嫌う世界なのに大人の都合が優先されるのかな?
政宗の父親と叔父は
似ていて最初、同一人物かと思った。
良作だが、世界観や
恋愛、失恋をテーマにしている感じで人を選ぶ作品だろう。
本編を見てもタイトルの「アリスとテレス」のことはよくわからなかった。
哲学に詳しい人ならわかるのかな?
【”空と心のひび割れ。”時が止まった異世界での少年少女の複雑な恋物語を、アリストテレスの哲学的な概念の一つである”エネルゲイア”をベースに、二人が未来を目指す姿を描いた作品。】
■製鉄所の爆発が引き金になり、時間が奇妙な形で止まり異世界となった見布町が舞台。
空は宝石の欠片の如くひび割れ、その向こうには現実世界があるという設定が斬新である。
・エネルゲイア:アリストテレス哲学の概念の一つ。現実態とも訳される。
◆感想
・鑑賞後にドッと疲れた作品である。
異様な世界観と、物語構成や人物造形にやや瑕疵があるため脳内フル回転で補完して観たせいであろう。
序でに言うと、劇中で述べられた”エネルゲイア”を思い出すのに苦労したせいもある。
・正宗は同級生の睦実が好きなのだが、睦実はツレナイ。
だが、二人は一度だけ雪が積もる中、抱き合い接吻をする。
そして、正宗の事が好きな女の子はその姿を見て、心にひび割れが出来、空のひび割れの中から現れる、狼のような白い煙に巻かれて消える。
ー 彼女が、現実世界に戻ったのか、良く分からない・・。-
・そして、正宗が睦実に連れられていった製鉄所内に居た野生の少女イツミ。
ー 現実世界では、正宗と睦実は夫婦であり、イツミは二人の子でありながら異世界に来てしまった事が途中から分かるのである。-
<岡田監督による不可思議な世界観と設定は斬新で、その中での正宗と睦実の恋する衝動により、我が子イツミを現実世界に戻そうとする姿などは面白かった。
だが、物語に一部瑕疵があったり、人物の描き方もやや粗い部分があり(特に睦実かなあ。)、ヒジョーに疲れた作品。
面白かったけどね。>
圧倒的作画と勢いのあるストーリー
アニメの作画について、いままであまり重視はしてこなかったのですが、
そんな自分でも目を見張るほど、作画のクオリティが高かったです。
髪の毛の動きや背景まで細かく描かれていますし、時間帯や場所ごとの光の表現が美しかったです。
ストーリーに関しては、随所で伏線回収がされ脚本に気を使っているなという印象を受けます。
学生が主人公の話では度々閉塞的な場が用意されますが、本作の設定はなかなか興味深いものでした。
部分々々を見ると良いなというエピソードやシーンも多々ありました。
ただ全体的にテーマが定まっておらず、掘り下げが足りていない、
勢いだけで最後まで突っ切っていった印象を受けました。
タイトルや作中に出てくるワードから、哲学的な問いをテーマにしたかったのかなと鑑賞中思いましたが、葛藤というようなものが描かれていないので、そうではないのかな?、主人公たちのセリフも抽象的で問いに対する答えやテーマの発露というわけでもなさそうでした。
全体的には良い印象を受けるのですが、訴えかけるものがないために、ただ印象だけが残る、そんな作品でした。
恋する 衝動が、世界を 壊す
原作・脚本・監督: 岡田麿里
副監督: 平松禎史
美術監督: 東地和生
キャラデザ: 石井百合子
音楽: 横山克
〔敬称略m(_ _)m〕
加えて、中島みゆきさんが書き下ろした主題歌、MAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品とくれば、期待しない方が無理。
公開をずっと!ずっと!待ちわびておりました!
初日8時半から鑑賞!
岡田麿里監督の作家性が爆発している作品でした!!!٩( ᐛ )و
役者の演技も素晴らしかったですし、繊細で力強くて、幻想的で細部にまでこだわりを感じた映像!
もしかすると作品を食ってしまうかも?の、みゆきさん起用の主題歌も見事に後押し!最高でした!!
監督自らお話しされていますが、田舎の閉鎖的な場所で、母子家庭で育った事。お母様との不仲。
思春期に不登校、引きこもりを経験。
そんな時期の自らの置かれた環境や葛藤などを全てをぶつけた、その過去を昇華させた作品なんじゃないかと思いました。
印象的な名シーンや名セリフが多く、全ての想いを語り尽くせません。
⚪︎冒頭のドアップ!
フクロウ時計の目玉が左右に動き「時を刻んでいる」意味深なシーン。
⚪︎正宗が教室を移動する時に屋上にいる睦実の姿「影」を見上げるシーンがたまらない。
⚪︎好きな気持ちを見せ物にされたと泣いた園部。自身無さげな感じとは裏腹に、心の中のドロドロとした感情。
⚪︎フライヤーの表紙にもなっている、五実が手のひらをかざし、あちらの世界の陽の光を感じるシーン。手のひらが光に透けてとても美しい。
⚪︎バス停での原と安見の会話。
「スイートペイン」私もこんな会話していましたよ(^。^)
特別なんかじゃなく、どこにでもいる普通の女の子達だったよね。
⚪︎正宗のグループの中でも地味目な仙波が、この世界だからこそ持てたという将来の夢。変化を望みそして。。
⚪︎アニメ史上最高のシーンになり得るだろう。正宗と睦実のキスシーン!!
閉鎖された街、永遠の冬に閉じ込められた人々。
⚪︎匂い。。
臭くないでしょ。まぼろしだから。
⚪︎痛み。。
失神ゲーム。高所からの飛び降り遊び。
⚪︎睦実が上履きを盗む。。
攻撃。精神的な苦痛(暴力)
⚪︎スカートをまくって見せる。。
情動。からかい。
閉鎖された街では匂いもないし寒さも感じない。
生きている実感を求めて、痛み・暴力・性的な衝動に興味が向かうというのは、見ていて不快にもなるし、危険な事だが、、私にはまともな感情に見えた。
生々しい性の描き方、鬱屈した感情、不安、孤立、好き、嫌い。。
加えて主人公達の置かれた特殊な環境。
思春期の複雑な思いが交差した
「衝動」の凄まじさを感じた。
それは世界をも壊す衝動だった。
キーとなる「五実」という隔離されて言葉も話せない狼のような少女。
何も知らない無邪気さ、素直さ。
そして正宗に対する初めての恋。
五実の心の変化が均等を揺るがすきっかけとなっていく。
女が好きだけど、好きな女がいるわけじゃない
でも。。嫌いな女ならいる。
菊入正宗 は、佐上睦実 が 嫌 い
2人と関わる事で、正宗の心にも又、変化が起き、考えるようになっていく。
恐れず突き進む姿に力強い意志を感じた。
又、睦実と五実の「女同士」としての描かれ方には「マリーらしさ」全開のいやらしさも滲み出ており、そこまで言うかのあのセリフも、やはり名セリフだった。
列車の上で本音をぶつけ合い、五実の将来を考える愛情を見せてくれた睦実に泣かされました。
SFとしての描写が甘いとか、永遠にある物質、ラストの描かれ方への好みなど、いつもならケチをつける部分もありましたが、とことん感情に沿っていて、そこがブレなかったからこそ力強い作品になり、感動したのだと思います。
思春期の頃の心の中にあった、あの得体の知れない衝動や葛藤、情動を見事に表現してくれた秀作です!!
最後におじいちゃん。ボケてるのか?思うてごめん。グッジョブ!
生き方は選べる
ジュブナイルSF映画、工場の事故をきっかけに停滞した世界に生きる
住人達の中の少年少女の物語
この手のものに珍しい所としては全て現実に戻るのが正しいとは限らない所ですかね
神様がくれた世界だしそりゃそうかもしれませんね。
未来の世界には生きられないけど死んだ訳ではない現実でもそうかもしれませんが
結局色んなものを受け入れて生きていくしかないのが人間なんでしょうかね。
映画としては面白いとは思いましたが、コンポデッキや何度も出てきた昔流行った
フクロウ時計、ブルマの体操着、長いスカート、年代的には70~80年代ですかね
頑張ってやり過ぎてて今とは色々感覚が違うので伝わらない部分もある気がしますね?
監督の前作のさよ朝と関連ありそうな部分は永遠とそうじゃない存在との対比でしょうか
本人の中の題材なんでしょうかね?次回作が気になりますね
自分には合わなかった
自分はSFやファンタジー系のアニメが好きではないのですが、予告編を見たときはそのような要素も無さそうなのでこの映画を観ることにしましたが、実際は世界感やセリフが抽象的で難解でした。
分かりやすい映画が好きな自分としては残念ながら私には合いませんでした。
絵はとてもきれいだったかな。
マリー版ビューティフルドリーマー?
映像は文句なし。肝心の脚本が首を傾げる点が多かった。分かりやすく変わりたい子供達と変われない大人の対立構造にした方が良かったと思う。もしくは時間は動かないけれど感情は変化するって辺りにもっと焦点を当てても良かったかなぁ、本編では現状維持を望む割に感情の変化や社会のルール変更に大人が無頓着だったし(運転免許!)人間関係やらセリフ周りはマリー節全開でザワザワさたけれどまぁ一番驚いたのは睦美が五実に言った最後のセリフ。自分と五実の関係を知った上であれを言っちゃう、言わせるマリー恐るべし(笑)あれを言わせるために五実が必要だったんだろうなぁ、五実が居なくても話は動かせただろうし、五実の神隠しの理由がわからないし。
全229件中、161~180件目を表示