アリスとテレスのまぼろし工場のレビュー・感想・評価
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硬派でありながらも比較的わかりやすい物語でした。
長いです。
☆初め予告を見た時、嫌な予感がしました。そばかすの姫やバブルのように作画や設定に全振りして、視聴者置いてけぼりになりそうだって思ったからです。
実際は、世界観の直接的な説明や小難しいナレーションはなく、主人公周りの会話や絵だけで"あ、そういう状況なんだ"と察しやすいストーリーでした。
描写はところどころ艶っぽく子供(14歳)なのになんでこんなにエロく表現する必要があるんだ??って少し奇妙な感じでした。途中でわかりますが、精神はある程度、成長してきているようなので、その表れかなって思います。
お腹の中の赤ちゃんが成長しなかったり、姿が子供のまま運転免許証がに認められたりと身体の成長だけが止まっている状態ですですね。
なによりもキスシーンが生々しいというか、場所も状況も影響もなにもかも気にしないキスだったのがすごく印象に残ってます。
そんで主題歌が秀逸です。
流行っているアーティストを起用する方がキャッチーだし、目と耳を引くと思っていたのですが、中島みゆきさんの"心音"を聴いた瞬間、まるで何事も無かった一瞬の出来事のような、絵本を中の物語を体験ような感覚になりました。
ただ、いくつか気になるところはありました。
・睦美の父をあんな性格にする必要性
・心の変化がダメということに気付いたきっかけ
・最後に鉄工場で神隠しがあったとタクシー運転手が言っていますが、成長の止まったあの世界で消された人(心が変化した人)は現実世界でも消えるの?って疑問が残りました。
いつみちゃんが現実世界から幻想世界に来てしまったことが神隠しならすぐに納得出来たんですが…
また、"車の運転=大人"を一つの要素として示唆していると感じました。
運転免許証って取得したとき少し大人になったきがしませんでした??
大人から逃げる時は走り(子供)で、徒党を組んでなにかする時は車(大人)って思いました。
余談
アニメ会社の名前だけで宣伝効果のある時代になったんだなーって驚きました。スタジオジブリはまだしも"MAPPA制作"で宣伝できるのすごいと思いました。進撃の巨人やチェンソーマンでの実績だったり、アニメに対する風潮が変わったのが大きいですね!!
アニメ映画屈指のキスシーン
映像の美しさが際立った作品。中でも世界の変化もお構いなしのキスシーンはアニメ映画史上に残すべき生々しさだった。(このシーンはパンフレットの表紙をめくったところにも描かれていた。)理解が難しい部分も多々ある作品だったが、このシーンを含めて登場人物の心の動きは鮮明で新鮮に感じた。
製鉄工場の爆発から変った世界が舞台。序盤から少しずつ舞台となる世界が明らかになる。その世界にヒビが入り現実世界が垣間見える。
パラレルワールドでそれぞれに生きる人にとっての「現実」ってどういう認識なのだろう?片方の世界は時間の流れが止まった世界。明らかにおかしいがそこに住む人にとってはこの変な世界こそが現実なはずなのにもう片方の世界を「現実」と言う。なんかその辺が引っかかった。
仕掛けとしての面白さもあったが、どうもつまらぬ箇所に引っかかって乗り切れなかった。睦実の父親をここまで変人に描く必要はあったのか?案外、あの世界の中にあっては常識人であったと思うのだが。
かと言って、そんなことどうでも良いくらい面白いとも思えず高評価には至らずって感じかな。
今この状況で何が出来るのか、考えさせられる
先日「さよならの朝に約束の花をかざろう」を映画館で観たばかりなので、余韻を残したままの観賞となりました。
閉鎖的な町で暮らす正宗を主人公に、睦実や五実と共に物語は進んでいきます。
少し難解に感じ、14歳がなぜ車の免許を持っているのか、疑問に感じるところもありました。
死生観を取り入れており、基本的なアプローチは前作と同じだなと思いました。
最後の方の場面は感動しました。
行き詰まった状況で、どう打開していくのか考えさせられます。
個人的には前作の方が上だと思いますが、今回の作品も見応えがありました。
「最高の気分」
今年163本目。
岡田麿里監督の長編2作目。有名な映画2本で脚本、監督をされたので絶対面白いだろうなと。100点期待して行ったら120点でした。公開日なのであまり書かないように朝こう言う映画見ると最高の気分で一日が始まります。金曜日が一番好き、映画公開するので。
秋に似合う作品
ストーリーの題材自体はいいと思って、時代に留まる人と前へ進む人の比較、衝突、絆のテーマは繊細に描写された。ですが、さすがに岡田監督らしいというか、複雑な絡み合う感情を含めて、表現したい要素が少し多すぎると感じて、逆に重点に伝えたいことに配る時間は少なくなって、故に最後の泣くシーンも、なんとなく理解できましたけど、泣けなかった。
少し惜しいと思って、ストーリーと脚本、テンポなどの要素を考えて、3.5と評価して、横山さんの音楽はいろんなシーンをさらに表現力を高めるので感服だと思って、結局4とレビューします。
最後まで見終わると、何故かこの作品は秋に似合うと思いました。
生きる=恋する衝動
岡田麿里脚本では鉄板の思春期の青少年の性衝動の激しさに世界系要素を足した傑作。
時が止まった世界の秘密を暴く展開がメイン⁈かと思いきや、閉鎖環境で解放を求める現代人の観客視点を取り入れた主人公キャラクター達の恋愛模様が主軸の作品で楽しかった。
作画は安定の美麗作画で、作品に没入して鑑賞出来た。
今を生きる人へのメッセージ
痛みを感じるのは生きている証拠
こころが大きく動くと痛いのだ。
そして、何かを選ぶということは、何かを捨てるということ。
選択という残酷な痛みを抱えて未来へ向かおう。
たとえ終わりの日を感じたとしても、たとえ止まっているように見えたとしても、生きることを諦めないで。
たとえ小さな一歩でも、歩みを止めなければきっと何かが変わっていく。
残酷に、愛することの素晴らしさを伝えるシーンが最高でした。
「だからあなたも痛みに怯えずに誰かを愛して。」そんなメッセージがほとばしる瞬間、私の胸も痛みで震えました。
昭和レトロなデザインと昭和的な発言の違和感はこれだったのか!
取り残された旧世代から今を生きる世代へのメッセージ。
映像にはかなり期待していましたが、
こっちも凄いスピードで動いてるけど、あっちのも凄いスピードで動いてるよ〜?!
ものすごい映像に驚きつつ、その世界観に引きずりこまれます!
生活音がとても丁寧。
監督がのびのびとしてる感じ
岡田麿里、監督第2作目になるジュブナイルファンタジー作品。
制作はMAPPA。それとキャラデ石井百合子に見られるように、一作目「さよ朝」のメインスタッフで構成されているようでした。
トレーラーで印象的だったのが美しい作画に美術。
初の劇場版オリジナル作品とありMAPPAも気合入れたのでしょう、本編でもそのクオリティには驚かされました。
そんな世界に横山克の音楽がすごいフィットしているんですね。
物語を後押しするような、中島みゆきの歌も素晴らしかったです。
それと、思春期のドロドロとした感情に恋愛模様、そこにちょっとしたエロ要素などもあって、今作は「マリーらしさ」がすっごい出てましたね。
なので明確に好き嫌いが分かれるとは思いますが、そんな事は気にせずのびのびとしてる感じでした。
あと純文学的な要素が強く、ここら辺からもタイトルに繋がったんでしょうか。真っ直ぐに受け取ると睦実と五実でしょう。
舞台は時間や場所が閉ざされた町での物語。
序盤は世界観や設定などはふわっとしか見せずゆっくりとした進み。
中盤から段々とその世界が見えてきて、終盤からはどっと押し寄せてきます。こうなると終始ワクワクしてました。
終盤は視覚からの情報量も多く、幾つもの世界がレイヤーを重ねたような映像は実に美しかったです。
ずっと横たわる閉塞感と見る事のできない夢、それぞれの居場所と託す未来。
残りたい者に進みたい者。それは誰も悪くなくて、ただ自分のあるべき場所が欲しかっただけに見えました。
それにしても流石、揺れ動く不安定な思春期の描き方はうまい。
複雑そうに見える設定も結構あやふやでただ閉鎖されているだけ。
これも彼らの“今この目に映るものが全て”って感じだったと思います。全部が衝動的な感じなんですね。
そんな彼らの衝動に何度か涙した、とても切ない物語でした。
心音
ありがたい事に試写会にご招待いただいて先行して鑑賞しました。横長のポストカードも貰いました。
岡田麿里監督の作家性がこれでもかと爆発しており、一般ウケはしない、刺さる人に深く突き刺さる、そんな作品になっていました。自分にはブッ刺さりました。映画館を出た後の感覚がザワザワなのは初めてでした。
鉄工所の爆発により、町からも出れなくなり時間まで止まってしまった見伏町、成長できないまま歳を取れないまま時間だけ過ぎてく事にモヤモヤを抱える菊入正宗と同級生たち、そんな正宗が嫌う佐上睦美に誘われついていくと睦美とそっくりな少女がいた…という無骨な雰囲気を序盤では醸し出していました。
少年少女が抱える好きかも…好きだな…みたいな感情が世界を突き動かすという設定として物語の世界観を形作っていたのがとても良かったです。
虚構の世界から抜け出せないがために、好きという気持ちを口に出してしまったり、夢を語ってしまったり、未来への希望を持ってしまったら煙に飲み込まれてしまうという残酷なシーンもありました。ちょっと気になるなーと思ってしまっても飲み込まれるというのはある種思春期ならではの恐怖との葛藤に近いものなのかなとは思いました。
今作のキスシーン、エロさ全開のアニメではなく、少年少女が躍動する映画でここまで生々しいキスシーンは初めて見ました。2人は見た目中学生でも中身は立派な大人、それを踏まえるとこの生々しさにも納得のいくものになっていました。MAPPAこういうシーンも描けるとか無敵すぎないか…?榎木さんと上田さんの息遣いにもドキドキさせられました。
五実を現実世界へ戻すためにカーチェイスをしつつ、現実へ向かう列車に五実を乗せて、正宗と睦美は虚構の世界でも生きていることを実感する、心臓の昂り、頭から流れる血、笑いあう声、何もかもに生きてるってことを感じてる正宗たちの姿はとても美しく微笑ましかったです。大きく包みながら身近で大切なものに気づくラストはとても好みでした。
MAPPAが手がけるアニメーションはやはり美しく、壊れかけた工場の荒っぷり、夜空に浮かぶ花火のカラフルさ、虚構から見た現実の夏のギラギラさ、登場人物の表情の豊かさなどなど、このアニメーションを堪能するだけでも今作を観る価値は間違いなくあると思います。
声優陣はほとんどが本職なので、本当に安心して尚且つ激しい声合戦を堪能することができました。
上田麗奈さんの喜怒哀楽の表現っぷりがもう最高で、一気にギアを上げてキレるシーンは鳥肌物でした。榎木淳弥さんはやはり少年声が本当に似合います。等身大で悩む中学生がこれでもかと表現されていました。
久野美咲さんの言葉を喋れない五実から、徐々に言葉を覚えてきた五実の僅かな変化を声に宿しているのが凄く良かったです。
瀬戸康史さんと林遣都さんはまぁ可もなく不可もなくって感じでした。下手ではないんですが、周りのレベルが高すぎたのでちょっと浮いてしまっていたかなとは思いました。
中島みゆきさんがアニメ映画の主題歌を務めるというのは意外でしたが、これがまた映画にドンピシャで合っていて、壮大な音楽がこれでもかと作品が辿ってきた道のりを振り返らせてくれます。歌詞を見ていくと映画の情景が自然に湧き上がってきます。
賛否両論間違いなし、好きな人にはとことん刺さり、嫌いな人は拒絶反応も間違いなく出ると思います。
それでも岡田麿里節全開の怪作、今作に出会えて本当に良かったです。唯一無二の世界観、これからもずっとずっと築いていってほしいです。
「痛いってのは君といたいこと、生きるとは君と息をすること」なんでもない日々を大切に生きる少年少女のこれからに幸あれ!
鑑賞日 8/31
鑑賞時間 18:30〜20:20
座席 C-9
「生きる」ということ
岡田麿里監督で、MAPPA制作ということで期待していた本作。久しぶりに試写会に参加させていただき、一足早く鑑賞してきました。
ストーリーは、製鉄所の爆発事故により時間が止まり、閉鎖空間に閉じ込められ、いつか元に戻るために何も変化させないことをルールとした町・見伏に住む中学生の菊入正宗が、同級生・佐上睦実に誘われて向かった製鉄所の第五高炉で、狼のような少女・五実と出会ったことで、何年も変化のなかった町や人々の心が大きく動き出していくというもの。
おもしろそうな設定、謎の少女の存在、この街の結末など、興味をそそられる内容です。ただ、岡田麿里監督の前作「さよならの朝に約束の花をかざろう」では、人物の心情の繊細な描写を感じる一方、全体的なまとまりや整合性には疑問を感じていました。そして、本作でも同様の感想となりました。
正宗が睦実に対して抱く自覚のない恋のような思い、睦実の正宗に対する距離の取り方、五実が正宗を慕う気持ちなど、少しずつ変化していく様子を、言葉や表情や態度で感じ取らせていたのはよかったです。しかし、終盤にさしかかっての同級生や大人たちの変化はいささか唐突で、テーマへの絡め方もやや乱暴に感じました。時が止まった空白期間の描写がほとんどないことで、終盤のたたみかけるような展開に違和感を覚えたような気がします。時が止まったことで、体は成長してないようですが、心の成長はどうなのでしょうか。この町の誰もが、変化をタブー視して、心に蓋をしてきたけれど、本当は抑え込んできた強い思いがあったというような描写があれば、もう少しすんなり受け入れられたかもしれません。
とはいえ、本作から「生きる」とはどういうことなのかというメッセージを受け取った気がします。変化を恐れ、全てを諦め、痛みも感じない、心も動かさないのは、生きているとは言えない。誰かを思い、心が揺れ、痛みを知る、自分を知る、そんな心の成長こそが「生きる」ということなのではないでしょうか。
ちなみに、タイトルにある「アリスとテレス」は出てきません。本当の意味で「生きる」ことを選んだ見伏の人々に、アリストテレスの「希望とは、目覚めていて抱く夢をいう」という言葉を当てはめたのかもしれません。でも、ちょっと伝わりにくいタイトルだと感じました。
キャストは、榎木淳弥さん、上田麗奈さん、久野美咲さん、八代拓さんら声優に加え、林遣都さん、瀬戸康史さんも参加しています。主要キャラは声優が担当していますので、その点は安心して観ていられます。
俺たちはどう生きるか。 アリスちゃんとテレスくんが大活躍してた…っけ?
外界から隔絶し、時間からも切り離された寂れた地方都市を舞台に、鬱屈した毎日を送る少年少女たちの恋愛と選択を描いたセカイ系アニメーション。
主人公・菊入正宗の父親にして街に鎮座する製鉄所の従業員、菊入昭宗を演じるのは『ミックス。』『人間失格 太宰治と3人の女たち』の瀬戸康史。
正宗の叔父にして製鉄所の従業員、菊入時宗を演じるのは『悪の教典』『コーヒーが冷めないうちに』の林遣都。
試写会に当選したため、一足早く鑑賞!MOVIXさん、ムービーウォーカーさん、ありがとうございます♪
さてさて、この映画の監督/脚本は岡田麿里。
『ルパン三世』フリークの自分は、彼女がシリーズ構成/脚本を手がけた『LUPIN the Third -峰不二子という女-』(2012)を鑑賞した際、「なんじゃこのクソアニメ!?岡田麿里ぃ、名前覚えたからなぁ〜💢金輪際コイツの作品は鑑賞せんぞ!!」なんて思ったものだが(今にして思えば、革新的な作品を作ろうという意欲が見られた分、その後に作られた『PART5』や『PART6』よりは見どころはあったわけだが…)、なんの因果か再び岡田麿里作品に向き合うことになってしまった。
映画の内容としては、少女の運命と世界の命運が直結しており、かつその中で少年少女の恋愛が発展してゆくという、「キミとボク」的な至極純粋なセカイ系アニメ。
この手の作品を観ると「世界がヤバいことになってるってのーに、乳繰り合っとる場合かーっ!!」と一喝したくなるものだが、そこにツッコミを入れるというのも野暮っちゃ野暮か。
それに、いざ世界が終わるとなったらリビドーと性的衝動に突き動かされるのが自然なのかも。それならそれで、もっと山本直樹的なグズグズした性を描くべきなのでは、なんて思ったりもするが、まぁそれは置いておこう。
同じ日常が延々と続く、という設定は『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)を思い起こさせるが、作り出された昭和(正確には平成だけど)に閉じ込められるという点は、TVゲーム「十三機兵防衛圏」(2019)からの引用か。
また、モヤの烟る隔絶された過疎地という舞台設定はTVゲーム「ペルソナ4」(2008)やTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』(2018)からの影響を強く感じさせる。特に煙を吹き出す謎の工場が街に鎮座している様にはどうしても『フリクリ』(2000-2001)を連想してしまうが、これは本作の副監督を務める平松禎史が『フリクリ』の設定を担当していたことと関係しているのかもしれない。
徐々に滅びてゆく世界とそれを受け入れる人々という図式は小川洋子女史の小説「密やかな結晶」(1994)や村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(1985)から頂戴したんだろう。
そして、フォトリアルな美術や寂寥感のある人物造形からは新海誠監督のエッセンスを感じずにはいられない。
色々と下敷きにした作品が見え隠れするが、なんやかんや言って一番影響を受けているのは『新世紀エヴァンゲリオン』(1995-1996)でしょう。主人公の性格や年齢設定など、もうこれほとんど『エヴァ』。
永遠に続く冬という世界設定も、『エヴァ』の常夏という設定を上手くパク…もといオマージュしている。最後で季節が変わるというオチも、それ漫画版「エヴァ」で見ましたよ。
キャラや設定だけならまだしも、執拗なまでに線路を描くという徹底ぶり。そこまでしなくても別にいいんじゃない…😅
平松さんは『エヴァ』シリーズにもメインスタッフとして関わっているし、そこら辺が本作のエヴァっぽさに拍車をかけているのかも知れない。
とまぁ事程左様に、めちゃくちゃ既視感のある設定と物語である。
驚いたのは本作が宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』(2023)にも近似していたこと。公開時期的に考えてもこれは偶然の一致なのだとは思うが、間が悪いというかなんというか…。
とにかく、日本のアニメやゲームはセカイ系が大好き。40年近く、手を替え品を替え描かれ続けてきたセカイ系であるが、さすがにもう出尽くした感が強い。出涸らしとも言えるセカイ系というジャンルで、なかなか目を見張るようなセンス・オブ・ワンダーを生み出すのは難しいのかも知れない。
少なくとも、本作においてはそういった驚きを見ることはできなかった。
話運びの鈍重さやドラマの退屈さなど問題はいくつか見られるが、一番気になるのはクライマックス。
現実から幻の世界に迷い込んだ少女・五実。彼女を現実世界に返すと世界は崩壊してしまう。世界か、それとも少女か?この選択こそが本作のキモである。うーんザ・セカイ系。
…ここがキモの筈なんだけど、結局五実を現実に返しても世界は大丈夫でした!…えっ!?
じゃあそれまでのすったもんだは、五実の失われた10年は一体なんだったのよ💦
いずれ世界は終わるけど、それは今じゃない!って、聞こえはいいけどそりゃ欺瞞に満ちてるよ。世界か少女かを選択しなきゃならないなら、選ばれなかった方の末路はちゃんと描くべき。
大体このクライマックス、登場人物それぞれの思惑があっちやこっちやに散らばりすぎていてとても飲み込みづらい。善人と悪人にきっちり分けろとは言わないけど、もう少し五実解放チームと世界崩壊阻止チームの組分けははっきりさせておいた方が良いのでは?
それにしても、世界崩壊阻止チームの層の薄さよ…。バン一台くらいだったような気がする。敵側がその戦力でクライマックスが盛り上がる訳ないだろ…🌀
本作で描かれる恋愛模様も気持ち悪すぎっ🤮
義理の姉に向かって「良いお母さんで終わらせるつもりはないからキリッ」って、それ倫理的にどうなのよ。
実の娘に向かって「正宗の心は私のものなのよ〜ん」って、それもなんか気持ち悪いし、最後に「わたしの初めての失恋だった…」と五実に呟かせるのも気持ち悪い。
この全編にわたって漂う近親相姦的な匂いは一体…?もう少し竹を割ったような少年少女の純愛劇でよかったんじゃない?
さすが新進気鋭のアニメスタジオ「MAPPA」制作なだけあって、作画のクオリティは素晴らしい。
これだけの素晴らしい技術力を用いて作るのがこんな映画じゃ、スタッフが勿体無いよ。
かなり辛口になった気がするけど、正直これはウーンな作品だと思いますよ😢
…あっ!
そういえばこの映画のタイトルにある「アリス」と「テレス」。
当然この2人が主役なんだと思っていたんだけど…。どっかに登場してたっけ?ボーッとしてる間に見逃したのかしらん?
別に製鉄所が幻を生み出していた訳じゃないし、なんかタイトルズレてるよねこれ。
実写では得られないアニメの快楽にまみれたMAPPAの大仕事。「今泉...
実写では得られないアニメの快楽にまみれたMAPPAの大仕事。「今泉監督の映画を見てるんか?」と錯覚するくらい『好きってなんだろう??』という感情が文字通りの閉塞感を打ち破った時の行く末を描くのに岡田麿里監督が用意した設定💮💮ビバセカイ!
局地的にハマる、かも。
試写会にて鑑賞しました。機会を頂け感謝します。ありがとうございました。
ネタバレ回避でできるうる限りの感想を。
あ、自分には刺さりまくりました。既視感満載なんです。
・自分の周り、取材しました?っていうくらいに、あれ?、そこは!ううん?が満載。これは、冒頭の一番大事なところから。鉄は国家なり、を体感していると涙が溢れる。自分の親戚関係とか地域のなんとか関係とか。
・中にいると全盛期は分からない。ピリオドを打たれないと、打たれたところで現実を認識せざるを得ない。これは、、、、
・アリスもテレスも出てこない。終わってから意味を知るw
・価値観はそれぞれ。絶対はない。全盛に留まるか、成長賭け変化を求めるか。
・エキセントリックが混じったキャラをやらせたら上田麗奈の右に出る者なし。さすが。
・Hello Worldっぽい
・やっぱ、岡田麿里さん、すごい。
・音のいい映画館で観て下さい。
出来れば未来には希望を持ちたいのですが……
原作未読
ところどころでジブリの世界観や新海誠要素をチラホラ感じる素敵に厨二病を体現した映画。
気持ちわからなくはないけど、冷静に観ると(聴くと)ゲスいな〜と感じる箇所もちょいちょいと。
そんなところも含めて思っていたよりも楽しめました♪
とゎいぇ、最近のアニメはこんなんばかり。日本の未来に明るさは無いんかな……
アリスとテレスのまぼろし工場
試写会にて鑑賞。少し難解な作品だったけど少しずつ明らかになっていく流れになっていた。先行試写バージョンとのことだったので劇場上映版も気になる。もう一度観たら更なる発見がありそう。生きる、いたい、印象的なセリフが多かった。
映像は綺麗。中二病にどっぷりつかりたい人向け。
一人鑑賞を推奨!家族や友人とみると気まずくなるシーンあり。
試写会で鑑賞。(先行試写バージョンということで、本編とは少し異なる部分があるようです)
中二病のノリが苦手な人にはあまりお勧めしない。
唐突に感じる進行が多い。気持ちの変化にもついていけなかった。
普通スルーしない?なんか怖いなって人にかかわりたくないよね?って思っちゃう。
陰キャっぽい見た目でやってること陽キャでなんかやだなって思っちゃった。
終始「意味が分からない+(主人公やヒロインに)イライラ+やっぱり意味がわからない」がつまった作品だった。
タイトルも最後まで意味が分からなかった。
映像美を見に行くためなら行ってもいいと思うけどいい気持ちになる映画ではない。
面白かったね!ってなる映画ではない。無言で帰宅する映画。
泣けるわけでもない。ホラーなわけでもない。サスペンスというわけでもない。素敵な恋愛映画というわけでもない。
鬱映画だろうなと思ったら完全な鬱というわけでもなく。モヤモヤした気持ちになる映画だった。
クリエーターさんとか作家さんとかどっぷり世界観に浸れる人にはいいかもしれないです。
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