「全体的な説明不足が否めない…映像は最高」アリスとテレスのまぼろし工場 かずくんさんの映画レビュー(感想・評価)
全体的な説明不足が否めない…映像は最高
んー、映像は本当に繊細で細かいのに、
説明不足が結構多め…。
そもそも閉ざされた街の設定も不明。
流れ的に「過去」であることは間違いないんだけど、
全体的な立ち位置が不明。
簡単に言えば、
現実世界の五実ちゃんが紛れ込んだことによって、過去と現実が曖昧になった。
その曖昧な世界の中で、過去の人間が現実世界に近づこうとすると消えてしまう。
この世界の解放条件は、五実ちゃんがトリガーとなり、
現実世界の自分と同じ気持ちになること…だと考えられる。
(ちょっとこれ、後述するけどよくわからない)
んで、そのことに気付くまでは終始ひび割れが空を覆う世界で、
鬱屈とした日々を過ごす正宗君の物語。
睦実ちゃんに出会うことによって次第に惹かれ合う中で、
トリガーの五実ちゃんが2人の娘だったことが発覚。
盆祭りで逸れてしまい、五実ちゃんは列車に乗って過去へ来てしまう。
そして正宗君に恋をするが、
睦実ちゃんと相思相愛の関係を見たことで嫉妬し、
後は怒涛の展開アババのバ…。
一番の謎は、五実ちゃんが如何やって過去と現実を繋ぐ列車に乗ったのか。
せめてここは回収してほしかったなぁ。
ラストシーン手前で現実世界の正宗…さんがホイッスルを列車に置く場面。
無理矢理繋げれば、
列車に置いたホイッスルを娘さんが見つけてしまい、
そのまま…。
(がこれだと、あれだけ欲しがってたホイッスルを、
肌見放さず持ってこなかったことがおかしいことになる…)
今後気になるのは、
ラストシーンで成長した五実ちゃんの存在。
現実世界で迷子になってたわけだし、
あんなに小さい子が一人で居たら絶対誰か警察に相談するはず。
捜索願等から割り出して、
現実の正宗さんと睦実さんのもとに帰ったと推察出来る。
(タクシーに乗る前にお父さんと連絡していたし)
そしてタクシーで廃工場まで来て、
最後に「私の失恋」と呟いている。
つまり、確実に記憶を引き継いでいることが分かる。
その状態で父親の正宗さんに若干後ろ髪引かれていいのかなぁ…。
歪な親子関係…!?
音楽は良かったし、本当に映像も美しかった。
人物画と心情の細かい仕草まで完璧。
ストーリー…ストーリーがなぁ…。