「変化を禁じられた世界だけでも面白い設定だが、それを大きく越えた世界にまで挑戦し、新時代到来を予感させる作品」アリスとテレスのまぼろし工場 山田晶子さんの映画レビュー(感想・評価)
変化を禁じられた世界だけでも面白い設定だが、それを大きく越えた世界にまで挑戦し、新時代到来を予感させる作品
見終わった後の感想を一言でいうと、「アニメーション映画の新時代」を感じられた作品。
14歳の男女、そして謎の少女がカギとなって、突然変異で起きている世界の謎が少しずつ解けていく。
そして、あることをきっかけに物語が大きく動いていくのだが、その3人のパワーバランスが変わり化学反応がどんどん起こり物語の面白さが増していく。
物語の空気感は、どことなく名作「空の青さを知る人よ」を感じる。
主題歌は、脚本と監督を務めた岡田麿里が自らオファーし、中島みゆきが脚本を読んだ上で快諾し作った楽曲「心音」。
「未来へ」と繰り返す際の、あの説得力は中島みゆきにしか出来ないインパクトがあり、これが本作をより印象深いものにしている。
「画」はいつ何時も美しい。通常はキャラクターに目が行きがちだが、カギとなる工場などの背景画も印象的で、妥協を感じさせない映画だった。
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