「退屈な不老不死という絶望。未来は取り戻せるという希望。」アリスとテレスのまぼろし工場 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
退屈な不老不死という絶望。未来は取り戻せるという希望。
ある程度の年齢で、映画を人並みよりはたくさん観てきた方には、既視感の強い映画かもしれません。
たとえば、煙が龍のように口を開けて人を喰らっていくさまはレイダースのラストシーン、聖櫃から出てきたアレのよう。
空がドーム状にひび割れていくシーンは、ワカンダのシールドがサノス軍に破られていくイメージ。
時を止められた街。体の成長も止まったままの街。
ということは、おじいちゃんにとっては不老不死が実現した街でもある。
学校で、これこの前も書いたよな、と認識できて、心はそれなりに発達する高校生にとっては退屈なのも分かる。
でも思春期のドキドキや失恋という大きな心の痛手により、退屈から逃げられる(この世界から消える)のなら、チャレンジにも価値がある、と考える高校生もいそうだし、私なら好きな人に当たって砕けて消えてしまってもいい、と絶対思う。
一方、歳を取れなくなった大人たちが、こんな退屈なのに死ぬこともできないなんて❗️と、神様の作ったこのシールドをなんとか破壊して、歳をとれる未来を取り戻したい‼️
と破壊衝動に駆られる可能性もかなり高いと思うし、説得力がある。
あんな似非教祖みたいな男のいうことなんかどうでもいい。
どうせ消えて死ねるのなら、なんだってやる❗️
ということで、暴徒化する大人たちも一定数現れる気もする。
未来を取り戻せ‼️という〝希望〟を見出せる機会をあたえながら、よくよく考えたら〝絶望〟としか思えないような不老不死を与える神様。
この神様の真意が知りたい。
アレ?
だけど、現実に生きてる人たちは皆、普通に生きてて、娘が行方不明のマサムネ夫婦は不幸ではあるけれど、街の他の住民もそうだけど、現実世界では、罰など受けてるなんてことは自覚すらしてない?
となると何のためのシールドなのだろう。
架空の命を与えられて架空の意識をもたらされることの意味は一体何なのだろう?
五実だけが行ったり来たりして妙なノスタルジーに浸って…
空の青さ、はあいみょんの主題歌と挿入歌がとても好きで、空を飛ぶ時の疾走感ととてもマッチしていました。
心、のほうは実写版で芳根京子さんのを観たような記憶があります。
美紅さん、ごめんなさい。
たぶんこの映画で、不老不死なんてことを感じてるのは私だけかと😅
テーマは若者にあるので、おじいちゃんがこの世界でどう感じたのか、なんて変なことを言う人はほとんどいないのではないかと思います🤣