「英語声優の演技力がすごい」トランスフォーマー ビースト覚醒 moroさんの映画レビュー(感想・評価)
英語声優の演技力がすごい
字幕と吹替と両方を鑑賞して、字幕での英語声優の演技力の高さに驚かされました。
日本語吹替もよいですが、声の演技としては字幕英語版のほうが全体の完成度が高いのではないでしょうか。
特に印象的だったのは、ミラージュとエアレイザーの声優です。
主人公の相棒となるミラージュは一見ご機嫌なパリピ野郎ですが、英語声優のピート・デビッドソンの演技力で、それだけではない深みを感じさせます。
陽気に愛嬌ある様子、シリアスに仲間を思いやる様子、痛みを堪えてムードメーカー的に明るく振る舞う様子が、愛さずにはいられないキャラクターにしています。
ハヤブサのエアレイザーはビースト戦士の中で最も出番が多く、シナリオ上でも重要ですが、英語声優ミシェル・ヨーの演技力でさらに大きな存在感を与えています。
穏やかながらとてもエモーショナルで、使命感の強さや仲間への信頼の篤さが伝わってきます。エアレイザーの声の力で場の雰囲気がぐっと変わるような印象を受けました。
シナリオの構成はとても残念です。
ビースト覚醒と掲げながら、ビースト戦士の活躍はほとんどありません。
人間とオートボットとビースト戦士の種族を超えた共闘というものの、過去作のような人間社会との絡みはほとんどありません。
主人公と相棒ミラージュとの友情にも説得力は感じられず、ストーリーはあってないようなもののようです。
TVシリーズのビーストウォーズファンとしては、オプティマスプライマル(コンボイ)とチーター(チータス)の活躍は感慨深いものですが、前述のとおりあまりにもビースト戦士の存在感が薄すぎて残念でした。
また、シリーズが長くつづいているせいか、変形の新鮮さを演出するのは難しそうです。
唯一、冒頭のカーチェイスと終盤のトランスフォームが印象的です。
ただし、終盤のトランスフォームは反則技ともいえそうで、驚きはあるものの賛否あるでしょう。