鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽のレビュー・感想・評価
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札付きの不良になりたい没落貴族
宮本茉由扮する島崎かず子は、戦後貴族が無くなった中で爵位を無くした一家で、母親とふたり叔父の伊豆で暮らす事となった。
毎日遊んでいた様な没落貴族にとっては厳しい時代になったんだろうね。生産性もなく金を使う習慣は残ってしまっているから救いようがないよな。男性に対する免疫もないからはまるんだろうね。性は生真面目だから逃げ場がない。札付きの不良になりたいなんてね。悪気もないからこんな女性につかまったらかなわんだろうね。あんまり好きな世界観じゃなかったな。
太宰治の名作の映画版。山梨県出身の俳優陣が活躍。
太宰治の名作「斜陽」を映画化した作品。
山梨県出身の俳優陣が出演し、ロケ地も山梨県だったということで、
山梨県出身の私にはとても親近感のある作品でした。
貴族出身の主人公の女性が戦後没落した中でも、
自分の生きる道は自分で切り開いていくという姿に胸を打たれました。
先行きを見通すのが難しい時代ですが、経営者として仲間と一緒に自分たちの力で切り開いていきたいと思います。
やっぱり観てよかった
暗い気持ちで帰ることになるだろうと覚悟して観たけれど、そんな気持ちにならなかった。安藤さんの太宰治は本当にイメージ通りで上手でした。とにかく皆さん演技が上手い。主人公かずこ役の宮本さんも、綺麗で世間を知らないかずこがピッタリでよかったです。
腹をくくった女の生き様
『いとみち』『犬部』同様、県内全劇場で上映。
斜陽館に行ったことはあるけれど、太宰治の本は1、2作読んだことがある程度。
キスシーンはあれど、さほど直接的な場面があるわけでもないのに、なんだか官能的というか、そこはかとなく漂う艶っぽさ。
没落しても元華族、戦後の闇市で猥雑な身なりの女性の中に、ひときわ目立つ鮮やかな青い着物のかず子。俯かず前を見る目に、激動の世を生き抜く強さを感じた。
演じる宮本茉由さんは、演技はまだまだ伸び代がといった感じだけど、佇まいがすごく良かった。
上原は太宰が自らを投影したそうだが、家に金も入れず酒呑みで女好き、なのに女たちがほっとかない。イメージする太宰治ってそんな感じ。
安藤政信さんは適役かと思う。若い頃はすごく美形だったけど、歳を取って色っぽくなったなぁ。
歌はアレだったけど。
原作読んだことないから 本読む代わりに見た なんか すかっとした ...
原作読んだことないから
本読む代わりに見た
なんか
すかっとした
主役の肩だけ気になった
太宰の世界を若い俳優たちが力演
私は金木にも弘前にも行った太宰ファンである。太宰の世界を令和の若い俳優たちが力演していて感心した。太宰がモデルの小説家は雰囲気がよく出ていたし、かず子役の女優も気品がありながら意志の強さも見えて良い。最も感心したのは戦争帰りで不安定な性格の弟、直治を演じた俳優で、本当に上手い。不安定な時代の今、色々と振り返られる太宰だが、この映画は滅びの美学がよく出ていると思う。
最後の貴婦人
あの名匠増村保造監督の遺稿となってしまった脚本をお弟子さんだった近藤明男監督が甦らせたのが本作品。
安藤政信お目当てで観ました。
太宰といえば、治より久雄(タコ社長)のワタシ。太宰治の小説は読んだ記憶がございません。
ついこの前の日曜日には常磐自動車道を走って、タコ🐙釣りに行ってきました。正月用の酢ダコを大量に作ろうと目論んでいましたが、釣果はほぼボウズ。
高速代、宿代、釣り船代などで2万円以上も散財してしまいました。
タキギを背負ったお爺さん。三上寛だったんですね。かなり痩せてしまっていて、全然分からなかった。けっこうショック。
三上寛は太宰治と同じく、五所川原出身だから起用された模様。
親戚のおいちゃんおばちゃんたちとねぶた祭りに行って、五所川原(旧・金木村)の斜陽館に行ったことあります。
立派なお屋敷でした。立派なお座敷や屏風を観ました。帰りに十三湖でしじみラーメンを食べました。しじみの貝殻が麺に絡んで食べにくかったです。
吉幾三の「俺はぜったい!プレスリー」の歌詞にも五所川原は出てきます。
🎵生まれ青森五所川原~いっぺん来てみなが~
親戚のおいちゃん、おばちゃんたちから、五所川原からお嫁さんをもらいなさいよなんて若いころはよく言われて、半分その気になりました。おいちゃんは庄屋格の地主のスジでした。戦後の農地改革でみんな小作に取られて、なんて言ってましたっけ。おいちゃんはおばちゃんを働かせて、ひだりうちわに見えましたが、高度経済成長に便乗して株で大儲け。5年前ぐらいだったでしょうか、従姉が「相続税、2億以上払ったのよ~」と自慢げに電話してきました。そういうことを言ってのけるんです。鼻持ちならないです。先日も「お歳暮は栗の甘露煮と丹波の黒豆煮がいいわぁ~お正月にいただくわ~」とわざわざ電話してきました。普通、そういうことしませんよね。ですから、水野真紀(後藤田真紀)の演じた華族の令嬢のまとっている雰囲気や天衣無縫な言動はすごくよくわかるんです。悲しいことに。
「庭で立ちしょん」のエピソードは原作にも書いてあるんでしょうね。着物の裾におしっこかけないでできる方がすごいんですけど。手は2本、指は5本しかないですからね。
そこじゃないんですか?
娘に「今何してるかわかる」ってわざわざ聞く?天衣無縫、天真爛漫。迷惑千万。そこが最期の貴婦人たるゆえんと娘も息子も理解している。まあ、お屋敷の広い庭がないと出来ないんですけどね。まさに特権。
宮本茉由 秋田出身
8~9等身美人
壇蜜、佐々木希に次ぐ、注目株になりそう。
パッと見はちょっと足立梨花に似ているが、品があるので(🙏)、華族の令嬢役での初映画初主演となったんでしょうね。上原の口に溜まった喀血を口で吸出して欲しいと言われ、躊躇することなくする場面、エロかったですね~
喋れるんだから、自分で吐けよってお思いましたけど。結核菌うじゃうじゃなんですよね。やめて~ しかも、それを飲み込んじゃう。きゃー
「鳩のごとく、蛇のごとく」については、かず子が上原に対する情念を自分で説明するくだりで、蛇が獲物を狙うようにとか言っていましたっけ。
一見下品な行動も、あの時代のシングルマザーも、上品な貴婦人が思いきってやると、かえってむしろカッコよく見えるんです。それが更に庶民の反感を買う。ダイアナ元皇太子妃に通じる側面でもあるんです。
太宰治の本名は津島修治、対馬(つしま)も青森に集中して非常に多い姓。
銀座に女性クリニックを展開している対馬ルリ子先生も青森の弘前出身。お祖父さんは弘前大学の学長です。ぜったい元華族ですね。若い頃から美人で凄い色気のある先生でした。いつも余裕シャクシャクっていうか、風格がありましたね。先生ご自身がナント! ナント! できちゃった婚で勤務先で帝王切開で出産。そのわずか3日目でお乳パンパンなのに、緊急帝王切開術をしていただきました\(^-^)/
まだ抜糸する前だったからって、ケロっとした顔でおっしゃっていました。
感動しました。
この映画を見て、昔のことがつい昨日のようによみがえって来てしまいました。
奥さん役の白須慶子さんもなかなか個性的で芯のある女性とお見受けしました。奥さんも凛としていますが、なかなかのくせものでした。
爵位を返上した和田のおじさま役の田中健さん、久しぶり! ケーナでしたっけ? アンデスの横笛だか縦笛だかに傾倒して、俳優は辞めてしまったかと思っていました。
岡元あつ子も久しぶり~トゥナイト懐かしいですね。
萬田久子。小料理屋 千鳥の女将役。シネマ・ロサの近くの池袋西口の「千登利」の肉豆腐を思い出しました。最近はとんとご無沙汰です。シャキッとした名物女将どうしてるかな?久しぶりに寄ろうかな。
純文学→つまらない→映画もきっとつまらない
文豪の純文学など教科書以外では読んだことありません。
なので事前情報なしでの鑑賞。
戦後日本国憲法により華族制度が廃止になった事で
落ちぶれていく貴族が伊豆の別荘に引っ越し慎ましく暮らす話 …
では「小説」としては全く面白くないので母親は病に倒れ後に死亡。
娘は昔知り合った作家男と不倫、戦地から戻った息子は酒浸り。
この昭和感漂うベタな展開が最後まで続く。
親に金を無心し努力しないで理想を語るだけのダメ息子は堕落し
挙句の果てに自決。ざまあ見ろ。いつの時代もニートはダメです。
主人公である娘も作家男と一回関係しただけで懐妊するも
この男の子供が欲しかっただけと潔く決別。
作家男も日頃の不摂生が祟り妻子を残して死亡。
主人公はこの後幸せに暮らしましたとさ…でないことは明白。
まともな奴が殆どいないし救いのない結末。
こんなつまんねえ話どこが名作なのだろう?
男の本能のような上原が太宰治にみえた
昭和20年、父を亡くした元華族のかず子と母・都貴子は、終戦後東京本郷西方の家を売り、西伊豆へ引っ越した。その後、戦地で行方不明になっていた弟・直治が戻ってきたが、東京で人気作家となっていた上原の元に行った。何日経っても戻って来ない直治を迎えに、かず子は東京に向かった。6年前、上原との出会いを思い出していた。そして・・・てな話。
太宰治の斜陽を読んだことがなかったので、新鮮な気持ちで観賞した。
妻子が居るのに家に金を入れず、酒ばかり飲んで布団がわりに日替わりで女を抱き、無責任で男の本能のままに生きてるような上原と太宰治本人が重なってしまった。
そんな男がモテるんだよなぁ、羨ましい限り。
かず子役の宮本茉由が品があって綺麗だった。
上原役の安藤政信も上手かった。
道徳の過渡期の非道徳
昭和20年、家長を亡くすと共に華族制度廃止で没落貴族となった女性の恋の話。
内容的には勿論そうなんだけれど、つくりのテイスト的にも昼ドラ感があり、それでいて淡々としていて、ドロっとしている感じはなくて、良く言えば観やすいけれどチョイ軽め。
市中の様子もキレイすぎるんだよね…。
今までのTVドラマや映画を観たことがない人には良いのかも知れないけれど、これと言ってこの作品だからこその見所みたいなものは感じられなかった。
太宰治作品の良さは時代背景なのだ❗️まあストーリーは周知のとおりだけど、飽きのこない秀作。
太宰治、ネット検索したら、実は最近の方が、映画化、舞台化増えている印象だ!
ただ、勿論、データベース化されてない映画作品、芝居、TVドラマも多いだろから
一概にはいえないけどね。
最近も「人間失格 3人の女たち」みたいなタイトル
よくわからない、飛躍した「ヒューマンロスト 人間失格」みたいなアニメ
喜劇が愉快だった、小池栄子、大泉洋、濱田岳の「グッドバイ」
そうだよねぇ、太宰治は、夏目漱石や森鴎外のように気取って見下してもいないし
三島由紀夫のように煌びやかな超人願望もない
坂口安吾、檀一雄等と比べてもひねくれていない
廃人だけどもその弱さが共感できて良いのだよねぇ
本作は、実は当然のことながら太宰の最高代表作「斜陽」の耽美感、閉塞感と裏腹の開放感
がうまくテンポ良く、誰でも分かりやすく表現されている。
戦後の風情、風景描写も、なかなか味があって良い。当時生きてた人は大変だったろけど
原作ありき・・といえばそのとおりですが
キチンと映像は、テンポ良く飽きがこないように工夫されている。
なかなか面白いですよ。損はしません。オススメです。Z 世代には無理かもね。
私ワタクシごとで申し訳ないのですが、過去のベスト作品の回想、WOWOW等除くと本作がちょうど250
くらいのレビュー。
せっかくだから「うんこ💩が世界を救う=ラブ&ピース的なSDGs」ドキュメンタリー観るかみまいか時間が丸かぶりして迷ったがこちら太宰治信じて鑑賞して良かった。
なぜならば、レイトショーでもないのに
封切り初日夕方なのに
神の奇跡が降臨❗️「300人の器に、観客ワシ1人 貸切」だったヨ。割引料金で貸切。
どういうコスパやねん❗️久々何年ぶりだろ、貸切は❓
太宰治氏に申し訳ないので
「斜陽 原稿Tシャツ」と「キーホルダー」買ってしまったよ。有料パンフは当然。
そういや旧金木町の「斜陽館」懐かしいなぁ。
当然のことながらパンフの内容はもう既にお馴染みの内容が中心だけども、意外な地域的話題は新鮮であった。
もっとお客さん入っても良い有料作。水野真紀さんは政治家に玉の輿と被ってチトイヤミ+台詞回しに馴染むのに時間がかかった。でも主役の若手、他ベテランが脇を固めて好演。
皆さん、チケット🎟パラダイス、でクルーニー、ジュリア氏も良いですが、本作も観てくださいよ。ネェ。【懇願】
まあ駅前でない劇場だったのと、時間が微妙に【5時ポン定時退社しないと見れない時間帯だった】要因はある。
映像化の魅力を味わえた
原作を読んで観ました。映画は上原二郎に係る話を加えているが、原作に忠実で、小説の魅力を正確に映像化していると思いました。
配役と演技も素晴らしく、主役の宮本茉由と安藤政信、脇役の柄本明から白須慶子に至るまで、とてもリアリティがあり、映画を観る楽しみを味わうことができました。
斜陽ファンは必見です。
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