「まるで40年まえのATG映画」猫は逃げた きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
まるで40年まえのATG映画
大した理由もなく男と女は惹かれ合い、
大した理由もなく男と女は倦怠期をすごす。
そして (ここ重要)、
大した理由もなく 拾った猫の思い出だけで男と女は同じ家に帰宅できるのだ。
春になると月の夜は賑やかだ。町内の野良猫たちが“盛り”を催して集会をひらく。
これ、まるで40年まえのATG映画のようでした。2人の監督による実験的作品とのことです。一昔前の日本の映画を勉強してきたってことがその作風からはっきりとわかります。
あの頃なら歌はガロか かぐや姫。4人のうちの1人は秋吉久美子だったでしょうね。
ノンポリでダラダラとした若者たちの、学生気分が抜けない、失業と仕事とセックスの様子が、まるで猫たちの恋の集会のように見える、どうでも良いおはなしでした。
でもその“脱力感”がなんとも懐かしくて、始終笑いが止まらなかったです。
猫のカンタと4人の人間は同じ町内の住民。
互いの家を徒歩圏内で行き来をし、
スワップ をしながら情夫が漬けた漬け物をみんなで食べ、ハーブティーを飲み、持ってきてくれた地酒も楽しみ、同じソファーで喧嘩もし・・
さいごには4人全員が参加賞のお土産の仔猫をもらってお家に帰るのですから(笑)
こうして始まった可笑しなコミュニティは、たぶん今後も「4人+猫」のへんてこな関係のままずっと続くんではないだろうか。
すなわち
「エロース」=お互いを占有して縛る愛から博愛の「フィリア」への展開でのエンディングです。
どこかヒッピー・ムーブメント回帰の、これはグループホームとか ルームシェアリングとかの、共同生活の新しい姿なのかも知れないなぁ。
そういえば
うちの猫は僕が出張から戻ると、必ず僕の目の前で、僕の布団にウンチをする子だった・・
「留守中どんなに寂しかったか分かってよ!」と甘えて抗議して 必ずウンチを。
どうやら犬は飼い主を人間と認識しているらしいが、猫は人間のことを大きな猫だと思っているようなのです。
劇中で、カンタは離婚届の上でオシッコでしたね。
見てるんですよ、“仲間”のことをね。邪魔をしたり、場を外したりしてね。気ー遣いなんですよ、猫ってね。
たくさん思い出しました、僕も7匹の猫たちと暮した日々を。
おはようございます。
猫との思い出・・・7匹も飼ってらしたのですか?
そして出張から帰宅すると寂しさと置いていかれた悔しさ(きっと怒ってますね)で、布団にウンチする猫ちゃん。
うちのプードルは買い物から帰ると、テーブルのあらゆる脚にオシッコしてました。
グループホームやルームシェアリングのカタチ!!
そうかも知れませんね。
参加賞が子猫・・・って文章でニコニコしてます。