「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」愛なのに 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
その映画、新年早々にどうかとも思いましたが、
年末に放映されて観ていましたので、レビュー書いてみます。
監督の城定秀雄と今泉力哉が互いの脚本を監督し合う企画の一本で、
「愛なのに」は監督を城定秀雄が務めて脚本を今泉力哉が書いています。
企画の条件が他に〈R-15〉であること。
でもって、濡れ場ありの、ややアダルトな内容です。
〈R-15〉のイメージのあまりない瀬戸康史が古書店店主役で主演。
社会から取り残されたような趣味だけで生きていて、
しかもそれを仕事にする・・・
30代で人生の生存競争をリタイアしたような生活者。
この辺り、もじゃ毛頭に髭、丸メガネ、運動不足の太り気味。
服装を着流の和服にすれば「家宅の人」の檀一雄そっくりですよ。
(個人的にはふた昔前に通っていたビデオ屋の中年店主にそっくり、
(映画の話をしたり、借りるビデオを教えて貰ったり、
(けっこう会うのが楽しみだったっけ・・・)
余談が長くなりましたが、
多田は古書店に入り浸ってる16歳の女子高生の岬(河合優美)から、
唐突に求婚されます。
それも一回ではなく、来るたびに手紙で求婚されます。
多田(瀬戸康史)はただただ困惑するわけですよ。
一歩間違えば、逮捕されちゃう事案ですもの。
これは置いといて。
もう一方で、結婚を間近に控えたカップルがいます。
若田亮介(中島歩)と、
佐伯一花(さとうほなみ)のカップル。
若田は結婚する式場のウエディング・プランナーの美樹(向里祐香)と
関係を持っています。
つまり浮気してます。
朝帰りしてきた亮介に一花は、浮気の匂いを感じて問い詰めると、
亮介は、浮気をあっさりと認めます。
ショックを受けた一花の考えて、そして移した行動。
それは仕返しに「私も浮気をしてやる」でした。
それで選ばれたのが多田。
彼は以前、一花に愛を告白して振られています。
それで一花は、多田に連絡を入れて、行動に出る訳です。
この辺りから、今泉脚本のユーモアが炸裂します。
一花は多田と寝てみて、
亮介のセックスが下手、それもめちゃめちゃ下手くそなことに気づく訳です。
亮介は浮気相手の美穂からも指摘されます。
「あなたはセックスが下手。知ってる中で1番に下手」
はっきり容赦なく言われるけれど、言われた亮介は落ち込むけれど、
立ち直れないようなショックではなくて、
「俺、SEX下手なんかあー、けっこう経験あるのに変だなぁ」
みたいなリアクション。
特に傷ついた風でもない。
一方で瀬戸康史の店主は高校生・岬に猛アタックされて、
なんか満更でもなくなるのですね。
その辺りで、岬の両親が乗り込んできて、母親は
「気持ち悪い」を連発します。
30うん歳と16歳。
気持ち悪い・・・ですよね。
男が当然悪者にされます。
岬は若すぎるし、多田には前から思っている一花がいる。
けれど一花は結婚式を控えている。
結構アダルトで攻めた映画です。
さとうほなみ(ゲスの極み乙女のドラマー)もおっぱいを見せているし、
亮介の浮気相手の
ウエディング・プランナーの美樹(向里祐香)もまた全裸で
ベッドシーンを演じている。
2人の女たちはあっけらかんと裸になっている。
そして結婚と「セックスの相性」などと、割と最近の映画では触れない
領域に踏み込んでいます。
〈R-15〉出なければ描けない現実。
〈R-15〉効果はあったようです。
基本、男はみっともないです。
セックスするって女も男も、みっともないですよ。
そこを描かなかった映画は、恋愛の一面(ロマンティクとか、純愛とかね)
しか描いてないわけですよ。
セックスしなきゃ、
「あんた、下手!」なんて言われない訳だし、
「下手」がバレない訳だし。
それからもう一つ思った事。
結婚式を挙げるとは、
みんなにお相手を見せびらかす訳だから、
新郎は、高学歴、高身長、見栄えがするハンサムで、
高収入で育ちが良い・・・なんてのが最高。
「愛なんて」2の次3の次なのでしょうね。
いやあ面白い映画でした。
愛の本音がモロに見えます。
神父さん最高でした。
「慈しみ深き、母なる御子は・・・」の讃美歌。
「御心のまま」の意味の受け取り方。
とても効果的で、ユーモラスでした(笑)
新しい年がはじまりましたね。
今年もよろしくお願いします。
わたしはこの作品は観てませんが…
琥珀糖さんのレビューを読んで
storyが何となく浮かんできました。
おもしろそうですね。
観てみたいです。
配信を検索したらレンタル料が
高かったのでもう少し待ちます。
琥珀糖さん、あけましと おめでとうございます。コメントありがとうございます。
いやあ、こちらこそです。私の雑談、与太話にお付き合い頂き多謝です。
今年も宜しくお願いします。この映画は攻めてましたね。
あけましておめでとうございます。
「愛なのに」というタイトルが全てですよね。愛なのに、なぜ妨げられるのか。愛なのに、なぜ憂さ晴らしのために使われるのか。
さすが今泉脚本、やるなあ、と思いましたが、キャストの妙もあるので、瀬戸さん(康史)、河合さん(優美)を選んだのが、城定監督だったら、見事な引き分けでしょうか。
琥珀糖さん、コメントありがとうございます。
岬ちゃん
18歳の誕生日を迎えたら、多田くんに本気モードで
プロボーズしそうだなぁ なんて思ってます。
※2022年の4月の民法改正で、当事者同士の合意が
あれば、男女とも18歳で結婚可能になりました。
親の同意は要りません。 頑張れ岬ちゃん
こちらこそ
今年もよろしくお願いいたします。