劇場公開日 2022年2月25日

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「城定監督作品にハズレないなぁ」愛なのに バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5城定監督作品にハズレないなぁ

2022年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今泉作品の「街の上で」は大好きな一本。多田くんの佇まいに青くんを重ねてしまいました。あぁ、彼の10年後はこんなかなぁ?なんて・・・。それはさておき、い「街の上で」の微妙な人間間の心の重なりやすれ違いとコミカルな話に、城定監督の「エロ」と「熱さ」が融合したような作品でした。めちゃくちゃ良かったなぁ。身体と言葉と態度を重ねることで表現されていく男女関係がとにかく伝わってきます。やっぱり身体の関係は恋愛、愛情とは切ってもきれないんですよね。

本作は様々な一方通行の愛が描かれていきます。その一方通行のベクトルがかすりながら、交わりながら、否定されながら、マーブル状に絡まってゆったりとコミカルに描いていきます。そして、わすれちゃいけないちょっぴりの熱血。城定監督って「熱血好き」なんじゃぁないかなぁ?なんて勝手に思ってます。スポ根青春漫画のような熱さです。昨年いくつか拝見したピンク映画含めて「青臭い熱さ」を感じるんですよね。倒錯した性でも女教師や人妻の欲望でも、高校生の演劇への熱でも。とにかく正直で熱い方なんだろうなぁ・・・なんてこれまた勝手に思ってます。それが表れているような気がします。特にクライマックスの多田くんのセリフにグッときたなぁ・・・。文系も熱いんだぞ。でもって、ほろ苦いんだぞ。

そして演技陣が皆さん見事なんですね。いいなぁ。揺れ動く心を演じられるのって素晴らしいなぁ。河合優美さん、、、良いですね。あと、個人的には片想いの高校生の彼がかなり愛おしかった。

バリカタ