「「気持ち悪い」の対義語って何だろう。」愛なのに h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)
「気持ち悪い」の対義語って何だろう。
城定さんに今泉さんがひっぱられる感じで、ふつうの映画ならぼやかすところにも切り込んで、かなり攻めたなあとの印象。
作品そのものに対しても、観る人の背景や生きかたによって賛否両論わかれそう。
なんちゃってフェミニストの人たちからは相当反発受けそうだけど、個人的にはユニークで良作かと。
主人公の多田を責める岬の母親が、やたらと「気持ち悪い!」と多田を非難するシーン。
「気持ち悪い」の対義語って何だろうなあと、鑑賞後にググると「快い」らしい。両語ともにその人個人の感情であって、多田や岬には全く意味のない言葉。母親は道徳観で多田を非難したかったのだろうが、とうぜん倫理観が違う人間には全く響かない。
結婚と不倫。未成年との年の差交際。
古くから道徳的規範のテーマであるが、時代や環境がかわれば道徳的規範そのものも変化し、倫理観は個人に帰属するもので、ときに社会の道徳観とも相反するもの。人の情動を道徳や規範ですべてを縛ることは不可能。Romanticismの現代的解釈。
ともすると重いテーマになりがちなものをポップに描いて、「そんな目くじら立てるもんじゃないっしょ!」と笑い飛ばしてくれる。
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