「可愛さとエロさの絶妙なアンバランス」愛なのに たま21さんの映画レビュー(感想・評価)
可愛さとエロさの絶妙なアンバランス
今泉力哉✕城定秀夫。
最近の日本映画にどハマリしてる者として、このタッグは見逃せない。
企画発表時から非常に楽しみにしていた本作。
果たして、期待通りそれ以上に楽しい一本だった。
思っていた以上に濡れ場も多く、ロマンポルノも手掛ける城定秀夫監督は流石にエロいのも良い。ウエディングプランナー役の女優さんの、行為後の佇まいがやけにエロティツクで、非常にドキドキした。
一転、女子高生との絡みのシークエンスは同じ映画かと疑うほど可愛らしい。
本作はとにかく主役の瀬戸康史さんが絶妙。
童顔できれいな顔立ちの瀬戸さんは、女子高生と一緒でもとても収まりが良い。これ、もっとおっさんぽい役者さんならいやらしくなってしまったかも。
演技力も確かな彼ならでは、昔好きだった大人の女性とのやり取りもとても自然。
終始、周りに振り回されっぱなしの主人公、古書店主。二人の女性にある意味迫られ、男子高校生に殴られ、果ては女子高生の親にまで詰られる始末。
受けの演技を瀬戸康史さんが非常に自然に表現していて、見ていて笑みがこぼれてしまう。
そんな気弱そうな主人公が唯一、感情を爆発させる一言。
『愛を否定するな!!』
ベタなんだけど、とにかく最高で痛快。結局警察に連行されるくだりも笑える。好きという感情を描いてきた今泉力哉さんらしいなと。
ついでにもう一つ。
瀬戸康史さんとの、初めての行為後のさとうほなみさん(ドラマーだと初めて知って驚いた!!)の表情。婚約者もいるのにこんなことをしてしまった自分に呆然としてるんだなと思い入れて見ていたら、まさかのオチには大爆笑。
立場を入れ替えた次作『猫が逃げた』も非常に楽しみ。