劇場公開日 2022年2月25日

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「人を好きになるって気持ち悪い」愛なのに せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5人を好きになるって気持ち悪い

2022年3月4日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

幸せ

女子高生に「結婚してください」と告白された古本屋店主多田にはずっと好きな一花という女性がいて、その一花の旦那もまたウェディングプランナーと浮気をしていて、、という色んな人の恋愛の話。

相変わらず今泉さんらしい、人が人を好きになってもがく様子をダサくも愛らしくも描く話。基本的に『愛がなんだ』とやってることは変わらないけど、監督が城定さんだからか登場人物達とある程度距離が取ってあって見やすかった。『愛がなんだ』は近すぎてかなりホラーだったからな。

この一歩下がって「人が人を好きになる行為」を見させられると、友達の恋愛を見ているようでもあり、自分を見ているようでもあり、恥ずかしい。見ててなんであんなに恥ずかしくてイタイことできるんだろうと思うけど、その時は出来ちゃって、我に返った時その時のこと全部消したくなる。そんな痛点を刺激されまくった。

結局、ある人が言う「気持ち悪いです」という強い言葉が全てて、人の恋愛話って結構気持ち悪いなって思うところあるし、でもその感情は正しくてそう思ってる自分だって誰かにとっては気持ち悪くて。その「気持ち悪い」の先に「プライバシーですから」があって最高だなと思った。

恋愛のところだけでなく、かなり笑えるシーンもあり、さすが城定監督濡れ場もしっかりあり、場面ごとのトーンが全然違って飽きない。私が好きだったのは、日本で牧師への告解をやってみたらどうなる?が面白かった。確かに「御心のままに」ってね(笑)あとはやっぱり「下手くそ」最高!

一花は多田とのsexだけが好きで、岬はその行為はいらなくてただ一緒にいたいと言い、おそらく恋愛的な魅力はあるのだろう一花の旦那はsexのテクニックがないという。なんというか、それぞれが掛けてるピースを埋め合ってるようなちぐはぐさが好き。

せつこん