「双子の怨念」牛首村 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
双子の怨念
『犬鳴村』『樹海村』に続く、清水崇監督が描く村シリーズの第3弾。主演に、キムタクの娘・Koki,が一人二役で、初主演を務めたことでも話題となったホラー作品。
正直、『犬鳴村』が、全く持って子供騙しの作品だったので、あまり期待せずに、Amazon primeの新作にあがっていたので鑑賞。本サイトのレビューでは、辛口の点数だが、これまでの2作に比べたら、まぁ、ジャパニーズ・ホラーとしてのミステリーさを、辛うじて最後までつないだ作品と言える。
その要因としては、実際に2人の女性の失踪事件が起きたとされる、心霊スポットとしても有名な、富山県にある坪野鉱泉を舞台にしていることが挙げられる。また、村に昔から伝わる、双子に纏わる忌まわしき神事を絡めたのは、金田一シリーズでもよく良く使われたホラーミステリーのモチーフとしては、鉄板な構成となっていたと思う。
冒頭、心霊スポット動画に映った女子高生が、牛首のマスクを無理やりに被せられて、エレベーターの中に閉じ込められるのだが、そこで悲鳴と共に動画が途切れる。奏音は、その女子高生の顔と瓜二つであったことから、胸騒ぎを覚え、富山にある坪野鉱泉の心霊スポットを訪れる。
そこで、動画に映っていた女子高生の正体が判明する中、忌まわしき習わしがあった牛首村の存在を知る。そして、奏音は、不可思議な出来事や事件に巻き込まれていく。そして、奏音が感じていた霊感の真相が明らかになった時、祖母の幼き頃の秘密が大きく関わっていることが、明らかになっていく。
まぁ、主人公を殺すのは、こうした作品のタブーかもしれないが、ラストシーンは、ややくど過ぎた感はある。飛び降りたシーンで、終わった方が、何とも言えないイヤミス的なエンディングで、ホラーとしての恐怖を印象付けたように思う。
本作でスクリーン・デビューをしたKoki,については、恐怖に満ちた役どころを、思った以上に、泥臭く、メリハリのある演技で頑張っていたと思う。目が大きい分、恐怖にひきつった表情は、より怖さを煽っていた。親の七光りということなく、実力も兼ね備えた女優として、これから大きく育って行って欲しい女優さんである。