「清水崇と映画を企画した関係者は、Kōki,に感謝すべきだ」牛首村 バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)
清水崇と映画を企画した関係者は、Kōki,に感謝すべきだ
「村」ユニバース第3弾!
先日、次回作のプロットが一般公募されており、「村」縛りではなくて良いということから、 清水崇の東映ホラーシリーズとしては、続くことは確定ではあるが、「村」ユニバースは今回が最終作の可能性は高い。
ユニバースといっても、前作の『樹海村』のように『犬鳴村』と繋がっているわけではない。毎度お馴染み、大谷凜香が演じるアキナは登場するが、このキャラクターは別人設定。
『樹海村』での『犬鳴村』ネタが強引すぎたこともあって、今回もどこでネタが入ってくるのかと気がかりではなかった。松尾諭が携帯を持って何かに怯えるシーンがあるため、「また犬鳴村か?!」と思わされたが、フェイントだった。さすがに前回で反省したのか、そういった無理矢理なネタはなくて、意外なことに上手くまとまっていた。
心霊どころではない、原理が全く分からないトランス&ワープ演出などは、今作も健在ではあるものの、ネタ自体が前2作のように、浮世離れしたものではなく、今回は、そこらの田舎の村に伝わる言い伝えとしてでも、普通にありそうな、双子に対する保守的な考え方を用いて、田舎の不気味さというのを上手く演出できていた。
何より今作で良かった点は、今作が女優デビュー作となるKōki,である。
木村拓哉と工藤静香の娘ということもあって、2世タレントとして、世間からの目は冷ややかというレッテルなど、跳ね除けるぐらいの名演技を披露している。
小さい頃からモデルの仕事や、近年もCM出演をしていたこともあって、初めてとは思えない堂々とした演技。しかもいきなり一人二役を演じているのも驚きだ。
作品自体は、今までと比べて上手くまとまっているというレベルで、決して傑作と言うにはほど遠い作品ではあるが、Kōki,の存在によって、全体的には、良く感じられるだけに、清水崇と映画を企画した関係者は、Kōki,に感謝すべきだ。