「オチが先見えしてしまうのが残念」共謀家族 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
オチが先見えしてしまうのが残念
1000本近く見た映画の知識を生かして、家族を守るために完全犯罪に挑むという設定が面白い。長女を暴行した男は特権階級の両親に甘やかされて育ったために完全なクズ男で、殺されても同情は湧かない。流れが家族に感情移入しやすくなっているし、テンポもよく引き込まれた。
オリジナルはインド映画ということもあるのか、わざとらしいアップや顔芸には苦笑い。それと、ここが伏線ですよと言わんばかりに観客の注意を引く演出がされているから、オチが先見えしてしまうのが悲しい。
一家の完全犯罪に立ちはだかるのは、悪ガキの母親でもある警察局長。冒頭で、殺しのトリックを鮮やかに暴いてしまう能力を持っていて、ただ物ではない。この女局長とお父さんとの頭脳戦は見応えがあった。
リメイクの舞台をタイにした理由はよくわかる。中国共産党幹部の子弟がどうしようもない悪ガキじゃ検閲が通らないからね。
プロローグとエピローグが繋がっているし、着地点も悪くないんだけど、もっと巧妙に伏線を張って欲しかったな。
コメントする