「シリーズ完結編(終わってしまうのが寂しいです)」ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズ完結編(終わってしまうのが寂しいです)
共存か、支配か?
(人間のエゴのその先!!)
最初の30分間はワクワクしました。
特にオーウェン(クリス・プラット)が、シェラ・ネバダ山脈で、
カウボーイみたいに馬に乗り、雪原を恐竜と並んで走っている姿に
西部劇みたいじゃん!!
「なんて素敵なんだろう、気持ちいーい」
と、心躍りました。
前作「ジュラシック・ワールド炎の王国」でロックウェルの手で
恐竜が世に解き放たれてから4年。
オーウェンは恐竜と共にあったが、
シャーロットの忘形見のメイジーが14歳になり、メイジーの出自が新たな
オーウェンとクレア(プライス・ダラス・ハワード)の心配の種だった。
恐竜は世界各地で繁殖して
「人間」と「恐竜」は入り混じって様々な弊害が起きていた。
そして恐竜を蓄財の糧にする企業が「バイオシン社」だった。
アメリカ中西部の農家では深刻なイナゴの被害が起きていた。
イナゴの集団が穀物を襲い瞬く間に食い尽くして穀物は食い荒らされるのだ。
実はそのイナゴはバイオシン社が、白亜紀の生物のDNAを組み込み
凶暴化と巨大化をさせて、
何百万匹に繁殖させたのだ。
バイオシン社の種で育った作物にはイナゴは襲いかからない。
(まるで遺伝子組み換え大豆やトウモロコシの話と同じではないか?)
このシリーズを通して一貫して語られることは「人間のエゴ」
恐竜を利用して儲け、陰謀を企むやつは、必ず
“恐竜に食われる“
このお約束は今作でも立派に踏襲されています。
今、世界がまさに直面している「コロナとの戦い」や、食糧危機、
「地球温暖化による気候変動」
人間の欲望とエゴが創り出したに他ならいのです。
そしてもうひとつの利権。
前作「炎の王国」でシャーロットが自分1人のDNAで出産した
メイジーはクローン人間なのだ。
メイジーもまた永遠の命の可能性を持つ個体として、バイオシン社から狙われるのだ。
バイオシン社が「バイオシン・サンクチュアリ」を展開する恐竜の巨大生存区域。
そこにはマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)が子飼にされていた。
イナゴの凶暴化にバイオシン社が大きく関わってると疑う2人の博士。
グランド博士(サム・ニール)とエリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)
3人のジュラシック・パークからゆかりのレジェンドの出演も嬉しい。
お飾りではなく立派に活躍します。
そして今回恐竜では最強の肉食恐竜と呼ばれるギガノトザウルスが
大暴れして怖がらせてくれます。
ジュラシック・シリーズ29年の完結編として、
恐竜を支配するのは?
そして、地球を支配するのは人間か?
その問いに答えがあるのかは、観終えても答えの出ない問いですが、
完結編に相応しい力作なのは間違い無いでしょう。
嫌味なく好感度が高かったです。