「過去作生存メンバー集結、自己中ゼロの安心感。STARWARS風味。」ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
過去作生存メンバー集結、自己中ゼロの安心感。STARWARS風味。
20年以上毎作楽しみにしてきて、恐竜も大好きになり、子供も恐竜好きになり3世代で楽しめるようになったタイミングで最終作とは。でも、やっと遺伝子操作をやめてくれてほっ、潮時だ。
今回は、強欲経営者の悪巧みはいつも通りなのだが、インジェン社のように怖くて大きい恐竜を作り続けるようなどうしようもなさというよりも、研究社の顔をした表向きホワイトな悪徳企業バイオシン。遺伝子操作で巨大にしたイナゴの群れが世界中の畑を食べ尽くし食糧難に陥らせるようにして、イナゴが食べないように種を操作したバイオシン社の畑の作物だけ残るようにして、儲けようという企み。社長は、まるでビルゲイツ。
そのバイオシンの施設(聖域。どこがよ。)に、ジュラシックパークシリーズのマルコム博士は講義をしに、エリーは巨大イナゴの企みに勘づき、バイオシンが関わる証拠を求めて、なんとグラント博士を連れて詮索しにやってくる。
一方、ワールドシリーズのオーウェンとクレアも、初作ジュラシックパークを作ったハモンドと組んでいたお爺さん(ワールドシリーズ2)の孫、メイジーを攫われて、施設に誘き寄せられる。
思春期のメイジーは遺伝子操作で自分が産まれたと知っていて、自分は人間ではない何者なのだろうとアイデンティティに悩み、本当の親との愛を求めて反抗期。
クローン人間なのではと、遺伝子解析のために世界中がメイジーを狙っているが、山奥でオーウェンとクレアに匿われて生活をしているも、外の世界を求めている。
そして山には、オーウェンが手懐けたブルーが近くに住んでいる様子。ベータと名付けた子供もいて。
ところがメイジーとベータ両方さらわれてきて、施設へ。ウー博士とご対面。
オーウェンに似てベータを手懐ける術を持つメイジーだが、メイジーもベータも、「母親の子ではなく、母親の遺伝子コピー」という共通点が。
ブルーがコピーを産めるように作ったのはウー博士だが、メイジーについては、研究者だった母親シャーロットが、自ら遺伝子コピーの娘を産んでいた。産後シャーロットは遺伝子疾患が判明し亡くなる。亡くなる前に、コピーの娘、メイジーの遺伝子には、病原遺伝子を全て消し去る遺伝子操作を行い、病気にかからないメイジーにしていたのだった。
ウー博士はまた、悪徳社長の言いなりで肝心な時に逃げるのかと思いきや、メイジーを解析してイナゴの遺伝子ミスを元に戻し、巨大化を戻したいという意向で、びっくり。
グラント博士とエリーが揃っていれば、潜入した研究室で巨大アナゴの群れに襲われても、なぜか安心して見ていられるくらい、5作見て免疫獲得済な自分に驚いた。
施設に着く前にも、恐竜闇取引の場となっているイタリアマルタの闇市場にクレアとオーウェンで乗り込んで、恐竜取引を握る悪女に放たれた肉食恐竜達に襲われまくる一悶着があるのだが、オーウェンならきっと大丈夫と謎の安心。むしろ、オーウェンかっこいい!となる。
個人的にはオマールシーがフランス政府潜入捜査官として、またマルタで出てきたことも嬉しかった。
市場から施設までは、まるでSTARWARSとミッションインポッシブルの掛け合わせ。施設からのヘリ脱出は過去作オマージュ× STARWARS。
で、施設に行くまでに、フリーランス飛行機操縦士のケイラが味方に加わる!
ケイラがほーんとうに、優しく戦闘力が高い自立しきったすごい女性で。玉木宏の声目当てでワールドシリーズは必ず吹替にしているが、今回はケイラの声を当てている伊藤沙莉も役にぴったりすぎるし声も最高!
合計9人の大所帯脱出となるのだが、ケイラが最初から最後まで良い人で、ヘリコプターでもしかして1人だけ脱出しちゃったり?!って一瞬思う笑顔があるんだけど、しっかり、全員乗るまで「待ってる」の返答。
グラント博士、エリー、オーウェンと並んで大好きすぎるキャラクターとなった。
クレアも成長していて、自己中行動がないし戦闘力アップ。メイジーの母親がわりとしても立派に成長。メイジーも、賢い遺伝子でできているだけあり、ベータを逃した以外は変なことはあまりしない。
今回、無意味に大声をだして周りを危険に晒したり、浅はか軽はずみ行動の登場人物が全然いない!
バイオシンの広報担当ラムジーも、最初から最後まで良い人だった。ただただ経営者のみ後戻りが効かず、証拠隠滅に暴走し、自滅。
人間達はいたって平和だったが、恐竜達にはディモルフォドン、テリジノサウルスやピロラプトル、ギガノトサウルスなども追加。インドミナスのような、残忍で食べるためではなく快楽的に人を殺す凶悪恐竜は出てこないのだが、パラシュートのクレアを襲うディモルフォドンは、その顔が翼竜についてるパターンはなしやろ!だし、ピロラプトルが水中に潜った時は、その顔で泳げるんかい?!と肉食恐竜丸出しな顔つきの種類が多才だとヒヤヒヤ。
テリジノサウルスなんて、無自覚に、肉食恐竜最大のギガノトサウルスを、爪で。。うーわー。
でも、必ずティラノサウルスは生き残るし、ワールドシリーズではブルーも生き残るし、頂点かと思われた種が違うものにパクリ、ブスリとなるのはお決まり。
他にも、パラシュートは木に引っかかるし、車は傾いて落ちるし、オマージュだらけ。
ただ一点、目の前に来られたら最後と思っていた毒を飛ばすエリマキトカゲ風ディロフォサウルスだが、素手でオーウェンが首をガシッとして、ケイラが撃退。
ほんと、人間も強くなったもんだと種の進化を感じる。
新たなる支配者は、、不在、共存という結末。
夕陽をバックに、トリケラトプスとゾウが歩いているシーン。ブラキオはキリン、サイはトリケラみたいだなぁなんて思いながら子供の頃観ていた作品が、あぁこれで終わるんだ。20年以上分のジュラシックシリーズにまつわる思い出と共に見届けるんだ。その気持ちを一層引き立ててくる、焼き付く光景。捕食サバイバルの強烈シーンも沢山あるが、美しい共存シーンで締めてくれて、良かった。