「ファルハディは子どもの使い方が上手いと、本作でも改めて感じた。それは、」英雄の証明 jollyjokerさんの映画レビュー(感想・評価)
ファルハディは子どもの使い方が上手いと、本作でも改めて感じた。それは、
元妻の兄の娘や、自身の吃音の息子、姉の子どもたちの何気なく小さな仕草やセリフで、観客をハッとさせるのだ。
吃音を持つ息子は、言いたい事があるにもかかわらず上手く口にだせないこと、 元妻の兄の娘(『別離』にも出演していた)が父親を守る様子、 姪っ子の最後のセリフなどに表れている。
正義感や責任感、多勢に流される大人の世界を、子どもは実にしっかりと奥深くまで見つめていることを、大人は肝に銘じなくてはいけないというメッセージでもあると感じる。
小さなウソや行動が大きな問題となり収集がつかなくなり好転しないことを、ネット社会の即時性とからめて警笛を鳴らしているのだろう。
オープニングの、工事現場の足場を一段一段登っていくも結局すぐに降りる羽目になるシーンは、本作の結末の暗示なのかもしれない。
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